せっかくの長期休み、夏なら「海!プール!花火!」
冬なら「スキー!スノボ!クリスマス!正月!」となりがちですが、
毎日遊んでばかりだと疲れちゃいますよね。
テスト・レポート終わったばっかで頭使うことはしたくない…。
でもせっかくのお休みを無駄に過ごすのももったいない…。
そんなときは、漫画を含めたゆる~い読書がおすすめです。
これからおすすめする3冊は一風変わった、
またすらすら読めるライトな本なので暇なときにぴったり!
身近にあるが普段接することのない
通信制高校やカルト村などの本を紹介していきます。
今日はその第1弾!
漫画「中卒労働者から始める高校生活」を紹介します!
目次
中卒労働者から始める高校生活(著・佐々木ミノル、日本文芸社)
もしかしたらバナー広告などで見たことがある人もいるかもしれません。
中卒で工場勤めをしている主人公が
通信制高校に通い始め
多種多様な人間と触れ合いながら成長してゆくお話です。
一言でまとめると「高校での青春を描いてる」と、
よくある話に捉えられるかもしれませんが、
この漫画は一味も二味も違います。
概要&登場人物
▼主人公の片桐真実(かたぎりまこと)君は、
家庭の事情で父親の代わりに働いて妹を養っています。
学歴がなくとも職場の工場では実力で出世してきた彼ですが、
新しく入社した大卒社員と折り合いがつきません。
また職場でのコンプレックスをぬぐい切れない面もあり、
妹の進学をきっかけに兄弟で通信制高校に入学することになります。
この時点で「主人公とっても大変な設定だなあ…。」とお思いかもしれません。
でもこの話は青春漫画であり、重いエピソードはたくさんありますが,
話全体としてはそこまで暗くならないように描かれています。
冷静で冷めたところのある主人公とは対照的に
▼主人公の妹・片桐真彩(かたぎりまあや)はとっても元気で明るく、よい兄弟として描かれております。
他にも76歳の柔和な同級生・松井さんや
明るい子持ちのデパート店員・若葉など様々なバックボーンのキャラクターが登場します。
中でも一番のキーを握る人物となるのが
「自分とは対極の立場」と主人公が思い悩むヒロインの
▼逢澤莉央(おうさわりお)です。
お金持ちのお嬢様、作中で彼女は一見冷たそうに見えます。
しかし本当はとても優しく、
主人公や周りの人との関わり合いを通しながら少しずつトラウマを乗り越え成長していきます。
主人公の真実君もヒロインの莉央ちゃんも決して生きるのが上手くありません。
つらい過去があったり
素直になれなかったり
相手がコンプレックスを感じる原因になっていたりしますが、
互いに相手の優しさ、真っ直ぐさに不器用ながらも惹かれていきます。
話の見どころ
この話はただの恋愛青春漫画ではなく、
様々な世代や立場の人間を巻き込みながらどの人物も成長していきます。
この過程を描くのがとても上手く、そこには圧倒的なリアリティーが感じられます。
もしかしたら「現実ではこんな人には会わないだろう」と設定を見たとき思ったかもしれません。
しかし読んでみると、どの登場人物も複雑な生き方をしているからこそ人間味があり、
現実で生きている人間以上の人間くささを感じることができます。
主人公のみにスポットライトが当たる漫画ではなく、
「どの登場人物も、それぞれの人生に悩みながらも前を向こうと頑張っている」
ということがよくわかります。
それに感化された周りの人間が変化してゆく様子を描く作者の力は本当にすごく、
読んでいて心を動かされます。
作者自身が通信制高校出身で、高校時代を思い出しながら描いたとあり、
裏話などもあとがきにはたくさん載っています。
ここまで結構深く紹介しましたが、
冒頭でも述べたようにとてもライトに読めて感動できる、面白い漫画だと思います。
「こんなシステムのある学校もあるんだ」と通信制高校を知ることもできますし、ぜひ読んでみてほしいです。
次のコラムでは、漫画家の西原理恵子さんの本を紹介していきます!
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