10億
この数字を聞いて何を想像しますか?
実は年間に捨てられる新品の洋服の数。
セールして売り切る
余った洋服は貧しい国に寄付すればいいのでは
リサイクルすればいいじゃん
こんな風に考える人もいるでしょう。
しかし、全て上手くいくわけではありません。
なぜ大量廃棄されてしまうのでしょうか。
華やかなファッション業界の裏側には、多くの問題があるそうです。
※この記事は私が本や記事を読んだり、セミナーに参加した内容を元に書かれています。
目次
ファッション業界の現状
〇ファッション業界は2番目に水を多く消費する産業
Tシャツ1着を製造するにも約2650Lの水が必要と言われています。ジーンズを製造するとなるとこれの3倍近くの水を使用します。この水が例えば、生地の染色に使われます。染色は多くの場合、化学的な物質から作られたものですので、汚れた水となって流れ出ます。
また、産業に関わらず、私たちの日常生活でもファッションを通して水を大量に使用しています。それは、衣類の洗濯です。洗濯は必要不可欠ですが、節約等を心がける必要があるでしょう。
プラスチックを放出
洋服の表示を見てみると、ポリエステルと書かれたものが多いように感じます。100%コットンを使うとなると、どうしても値段が高くなってしまったり、お手入れが大変だったりしますよね。しかし、化学繊維からできた洋服は洗濯するたびにマイクロプラスチックが出ていると言われています。
以前、海の生物の体内からプラスチックが大量に出てきたニュースが話題になりましたよね。しかし、マイクロプラスチックは微粒子。海にも山にも空気中にもあるのでしょう。それを知らぬ間に動物や私たち人間が体内に摂取しているのです。
大量廃棄。でもすべてをリサイクルできない
セミナーに参加した時に学んだことの一つ。リサイクル回収箱を設置しているお店を見たことがあると思います。しかし、あれらの服全てがリサイクルされているとは言い難いそうです。理由は二つ。
- リサイクルしきれないほど捨てられている
- 化学繊維の合成繊維による洋服の場合、繊維が複数混ざっているためリサイクルがしにくい
です。
また、古着として開発途上国に送ればいいじゃんと考える人もいるかもしれませんが、現地もファッションに関する問題が浮上しているそうです。
例えば、
・他国から来る大量の服のせいで自社販売が圧迫されてしまった
・別に働かなくても得られるという考えを持ちかねる
働く環境
洋服の値段が昔よりも安くなったというのを聞いたことがあります。
特にファストファッションは学生には人気ですよね。しかし、コストを抑えるために、裏では様々な問題があるそうです。
例えば、皆さんは2013年4月24日にバングラデシュで起きた、商業ビル崩落事故。死者1134人、負傷者2500人以上を出す最悪の事故と言われています。このビルに縫製工場が入っていましたが、そこは違法に増築した上層部。壁や柱にひびが入っていて、従業員もそれを知っていましたが、仕事に戻らなかったら解雇されてしまい、生きていけない。だからそこで働き、事故にあってしまったのです。
また、技能実習生の問題は現在でも続いています。最低賃金を下回る給料や給料未払い、長時間の残業代等労働環境が問題視されています。
ファッション業界の動き
このようにたくさんの問題を抱えるファッション業界ですが、もちろん環境への取り組みも行われています。
例えば、オランダのMUD jeansはオーガニックコットンとリサイクルコットンを使用したデニムを製造しています。オーガニックを使用することによって、コットンを栽培する際に、土壌を傷めることがありません。
また、日本では、永久交換保障ソックスの販売を行っているところもあります。値段は高いですが、永久交換と言う点から、簡単に壊れないという保証ができている商品とうかがえます。(私も気になっている商品です。)
他にもさまざまなブランドが環境問題に対する取り組みをしています。
皆さんもぜひ自分の好きなブランドから調べてみてくださいね!
私たちができること
ファストファッションが無くなればいいというわけではありません。
洋服は私たちの生活の必需品です。だからこそ、持っている服に愛着を持つこと、セールの商品を衝動買いするのではなく、一歩立ち止まって「本当に必要か」を考えることなどが大切だと私は思います。
その他にも
・洋服に限らずですが、作り手の顔が見える商品を買う
・セミナーなどに参加し、知識を得る
・自分に合った洋服を着る
などが考えられます。
消費行動を変えるということはそう簡単ではありません。
ですが、これからの時代を生きる私たち若者から意識を変えていく必要があるのではないでしょうか?
皆さんも自身のクローゼットを見て、ファッションについて考えてみませんか?
近日、環境問題に対して先進的な取り組みをしているパタゴニアさまへの取材の記事もアップします!皆さま是非そちらもご覧くださいね!
・年間10憶着の新品な洋服は捨てられている?~衣服の大量廃棄と労働問題~
・FashionStudies×WORLDサステナブルファッション™007大量廃棄社会にどうファッション産業は向き合っていくのか?を考えたい
イベントより
・光文社新書『大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』(2019) 中村和代 藤田さつき
・・ソトコト11月号 株式会社RR
関連記事はこちら