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20年先も使い続けられる良質な本革のソファを届けるKOKOROISHI(心石工芸)

「家具を買う」というと、特に大学生では大型の有名チェーン店で…という方も多いと思います(私がそうでした)。ですが、長い時間を過ごす家には、職人さんの真心がこもったこだわりの家具を置くというのも一つの選択肢として持っておきたいところ。そこで今回は、こだわりぬいたソファを作っているKOKOROISHIの社長・心石拓男さんのインタビューをお届けします。

心石拓男
1969年、創業したばかりのソファメーカーに長男として生まれる。大学卒業後は、ソファと関係ない商業施設や店舗を作る会社で、営業と業務推進を担当。1995年に心石工芸に入社し、素材やソファ作りを学ぶ。タンナーさん達と、オリジナルの革を開発し、より長く愛されるソファを作れるよう、日々研究している。
 

座り心地の良いソファを届けるというこだわり

―KOKOROISHIのソファのこだわりを教えてください。

(心石)弊社のソファは何よりも座り心地にこだわっています。ソファは座るための「道具」なので、どんなに見た目が良くても座り心地が良くないと道具としての機能を果たしているとはいえません。
ソファの座り心地は、高さ・奥行・背もたれの角度・クッション性・見た目との兼ね合いなどの要素が組み合わさることで生まれます。一般的なソファメーカーさんは座り心地のパターンが2つや3つなのですが、KOKOROISHIのソファは良い座り心地を実現するために基本のパターンは6つあり、そこからさらに微調整を行っていきお客様に合った座り心地の良いソファにカスタマイズしています。

お客様に最適なソファを提案するために

―どのようにしてお客様にとっての座り心地の良さを実現しているのですか?

(心石)まずはお客様にどのようなソファがいいのかの希望をお聞きして、ちゃんと座るソファがいいのか、寝心地を重視したソファがいいのかというように方向性を決めていきます。また、弊社ではソファを選ぶ際にはお客様にできるだけ15分以上ソファに座ってもらっています。

 

―ソファを選ぶときに15分座るというのはなかなか長い時間ですが、なぜ15分にこだわるのでしょうか?

(心石)人間の身体の仕組み的に、立っている時よりも座っている時の方が上半身の筋肉を使っているんです。その人にとって座り心地の良いソファだと長時間背もたれに身体を預けることができますが、合わないソファに座っているとその体勢が辛くなるので15分も経つとソファに浅く腰掛けるように座ってしまうんです。ソファを選ぶ際には、座り続けることができるか、長時間座ってから立った時に身体が痛くないか、という2点が重要なポイントになります。お客様にとって座り心地の良いソファかを見極めるために、KOKOROISHIではお客様に15分以上かけてソファを試してもらっています。

「どんな姿勢で使ってもリラックスできるのが良いソファだと思います」と言う心石さん

―なるほど、全てはお客様にとって座り心地の良いソファを作るためなんですね……!

(心石)ソファは長時間使うものなので、最適なものをご提案するためにはお客様のライフスタイルを知る必要があります。そのために、お客様のソファに関する希望だけでなく、お仕事や家族との関係などお客様がどのように暮らしているのかをお聞きしてソファのご提案をしています。もちろん、専門家としてアドバイスも欠かしません。例えば、ご高齢のお客様が来たときはソファを長く使うことをふまえて座面が高いソファを勧めています。座面が低いソファは高いソファと比べて立ち上がる時の負荷が大きく、それがつらくなってしまうこともあるからです。このように、生活に寄り添った提案をすることは常に意識しています。

 

長く使ってもらうソファのこだわり

―KOKOROISHIのHPには「飽きないソファ」というミッションが書かれているのですが、飽きないソファとはどういうことですか?

(心石)すべての商品には流行があり、時が経つと古くなってしまいます。ですが、ソファは長い期間使うものなので、弊社ではできるだけ流行を追うのではなく10年20年後に見た時にも「古い」と思われないようなスタンダードなデザインにするよう心がけています。

(心石)弊社で新しいソファのデザインをする時には世の中の流行や定番となっているものを自分たちなりに解釈し直して作るようにしています。例えば、世界的に流行したル・コルビジェやイタリアのアントニオ・チッテオリオというデザイナーが作ったソファの要素などは参考にしつつも、ソファの上に足をあげて座ることが前提となっている日本人の使い方に合わせて中の構造を変化させていくなどの工夫を行っています。

使う人とともに時間が刻まれていくソファ

―良いソファというのはどのくらい長く使えるものなんでしょうか?

(心石)弊社のソファは、中のスプリングなどの構造は30~50年使えるようなクオリティです。表面の寿命は布地ものだと8~10年、革地のものだと10年~15年ほどなので、表面の張替えを行えば30年以上は使うことができます。

  

―私の実家では量販店のビニールレザーのソファを5年ほどで買い替えながら使っていたので、本革のソファだとそんなに長く使えるものなんですね…!驚きです…!革のソファに焦点を当ててお話を伺いたいと思うのですが、心石さんが思う革のソファの魅力は何でしょうか?

(心石)革のソファには、革を塗装しているものとしていないものの2種類あり、それぞれで良さが全く違います。塗装している革は塗料が革を守っているので、汚れが付きにくい・手入れがしやすいなどの良さがあります。逆に塗装をしていない革は経年変化で色が濃くなったり逆に日光で色褪せていったりするのですが、僕はその使い込むことによって変化していくことが塗装をしていない革の良さだと思います。ソファを買ったときの状態が100点だとして、使えば使うほど点数が下がっていくのではなく、染みや傷が思い出となって使う人と一緒に時間が刻まれていく度に点数が上がっていくと思うんです。

―心石さんが仕事をしていてやりがいを感じるのはどのような時ですか?

(心石)やはりお客さんに「買ってよかった」と言っていただけたときですね。弊社ではご購入から1年、3年、5年のタイミングでソファの様子を聞くメールを送っているのですが、お客様から「ソファがこんな風に生活の中に馴染んでいます」という返信をいただける時はやりがいを感じます。弊社では革の張替えも行っているのですが、ご購入から10~20年後などに革を張り替えて弊社のソファを長く使っていただけるのもとても嬉しいです。

 

―大学生に何かメッセージをお願いします。

(心石)僕は、日本人が世界と競争する時の一番の強みというのは、クオリティの高いものを作ることができることだと思っています。今は保険や、金融、IT系などの仕事が人気になっていますが、ものづくりに関する仕事にもできれば興味を持ってもらえると嬉しいです。就職するかどうかは別にして、ものづくりは楽しいので、その楽しさを知って欲しいです。

 

―心石さんありがとうございました。

>KOKOROISHI公式HP

今回お聞きしたソファへのこだわりの他にも、ソファに使っている革のこだわりや、ソファを作る際に捨ててしまっていた革をアップサイクルして作るペンケースについてのお話もお聞きしました!その記事は6月25日に公開するので、ぜひ併せてご覧ください!

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