社会問題

【入門編】LGBTQ+にまつわる用語解説!あなたはどこまで知ってる?

 突然ですが、皆さんは「LGBTQ+」についてどれくらい知っていますか?LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの総称です。

「そんなの知ってるよ〜」と思った人、まだ読み止めないで!

LGBTQ+の「Q+」ってなに?「LGBT」じゃダメなの?
セクシャリティってどうやって決まる?
なんでレインボーフラッグは虹色なの?
SOGIって何?
LGBTQ+当事者は日本にはどれくらいいるの?

これらの質問に、皆さんは答えられますか?

答えられる人も自信がない人も、このコラムを読んで、性のあり方の多様性について気楽に勉強してみませんか?

 ではいきます!

 

 性別は男女二択ではなく、「4つの性のバランス」

性別は、見た目からして女性か男性かどちらかしかないと考えがちです。しかし、実はセクシャリティは4つの要素のバランスで成立しています。

 

身体的・生物学的性(からだの性) 生まれ持った身体構造における性別のこと。    
性自認(こころの性) 自分自身が自分の性別をどう認識しているかということ。
性指向(好きになる性) 自分がどのセクシャリティの人に性愛感情を抱くかということ。
性別表現(表現する性) 「自分が周りの環境に対してどのようにセクシャリティを表すか」ということ。服装、髪型、メイク、体型、行動、言動など

つまり、一人の人間のセクシャリティや性別は生まれ持った身体や周りからの印象で決まるものではなく、その人のこころや身体、そして周りに対する自己表現までも含めて初めて説明できるものなんです。一人一人個性が違うように、この4つの組み合わせは人それぞれで、全員が異なるようにバランスを作っています。

 

なんで私たちは男女二択と考えてしまうの?

セクシャリティの観点に4つの要素があることは、聞いたことがある人もいるかと思います。

でも普段は「男性か女性かどちらか」で判断することが多いですよね。

例えばトイレ。男性用か女性用かしかないことがほとんどです。兼用トイレもありますが、「男性か女性かどちらかが兼用できる」トイレであって、そこには結局二択しかありません。

もう一つの例は恋愛ドラマや映画。「カップル」や「結婚」と聞くと、見なくても言われなくても男女二人を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

なぜ私たちは男性か女性かの二択しかないと考えてしまうのかというと、社会には性別二元論と異性愛中心主義が強く根付いているからです。 

  • 性別二元論・・人間の性を「男性」か「女性」かで分ける社会規範のこと。
  • 異性愛中心主義・・・性愛対象となる人が自身の性別と異なる人であること、またその考えが当たり前と考えていること。「男性だったら女性が好き」「女性だったら男性が好き」ということを暗黙の前提として捉える思想。

 

この二つの考えに沿って生きている人々はシスジェンダーと呼ばれ、さらにヘテロセクシャルというセクシュアリティの持ち主に分類されます。どちらも性を指す言葉ですが、用いている要素が異なるという点が違いです。

  •  シスジェンダー・・・身体の性とこころの性(性自認)が一致している人のこと。性的指向(誰を好きになるか)は含まれていないため、ゲイやレズビアンもこれに該当します。
  • ヘテロセクシャル・・・・性的指向(誰を好きになるか)が異性であるということです。

 もしシスジェンダー・ヘテロセクシャルに該当しない人々全員が「性的マイノリティ」と言われるのだとしたら、私たちは「性的マジョリティ」という風に捉えられます。しかし、「多数派」だからといって必ずしも多数派の意見が「当たり前」であるとは限りません。

電車の椅子の隣に座っている超かっこいい男性が「多数派」、テレビで目にするかわいいアイドルの女の子たちが全員「ヘテロセクシャルだ」などとは誰も言い切れません。

誰が多数派か少数派かは、見かけでは区別がつかないのです。

あのレインボーカラーには実は意味がある!</h1

LGBTQ+と聞くと、よく知らない人でも、あのレインボーカラーの旗を思い浮かべる人が多いと思います。

あの虹色の旗は、1978年にアメリカのサンフランシスコで、美術家/公民権活動家のギルバート・ベイカーさんによって制作されました。実はこの レインボーフラッグの6色にはそれぞれ異なる意味が込められています。

 

赤:生命オレンジ:癒し黄色:太陽緑:自然青:調和紫:精神 

 

 LGBTQ+の「Q+」って何?

  • LGBTQ+・・・L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、T(トランスジェンダー)の4つの頭文字。世の中で「これが普通だ」とされている性のあり方と異なるセクシャリティを持つ人々の代表的とされる4つのタイプの総称。
レズビアン こころが女性で、女性に性愛感情を持つ人
ゲイ こころが男性で、男性に性愛感情を持つ人
バイセクシャル 性愛感情を男性にも女性にも持つ人
トランスジェンダー からだの性とこころの性が一致しない人

最近では「LGBT」ではなく「LGBTQ+」と言ったりします。この「Q」とはQuestioning/Queer(クエスチョニング/クィア)のことです。

クエスチョニング 自分の性自認・性的指向が定まらない人、定めないようにしている人
クィア LGBTQ以外の性的マイノリティを包括的にまとめたもの。

 

クィアは、もともとは「風変わりな」という意味で同性愛者を侮辱するために用いられていたが、20世紀終盤にその侮辱を受けてきた当事者たちが自分たちを「異議申立て」をするポジティブな存在として名乗るために使い始めた。この名乗る運動によってそれまで見落とされていた性的マイノリティの存在が包括的に認められるようになった。以降、異性愛規範に異議申し立てをする者や姿勢(マイノリティに限らない)を指すようにもなった。

 

この二つを入れた「LGBTQIA+」という言葉も使われることがあります。

 

 LGBTQ+ ≠ 性的マイノリティ

LGBTとは一種のカテゴリーであり、4つの性しか当てはめられません。これに当てはまっている人はいいのですが、「自分は男性でも女性でもない」「自分は誰にも性的感情を抱かない」というような性のあり方も存在するのです。なので、よくLGBT=性的マイノリティと定義をしがちですが、実は少し違います。

  • 性的マイノリティ・・・全ての少数派のことを指す。略してセクマイ、またセクシャルマイノリティともいう。LGBTはこの中の一部の人々を指す。

ここではLGBTQ+=性的マイノリティという風に捉えていますが、個人の解釈次第で変わると私は思っています。「少数派」と呼ばれることや、LGBTQ+というカテゴリー自体に自分を当てはめることに抵抗を感じる人もいると思うので、時と場合によって言葉をうまく使っていくのがいいのかなと思います。

 

カミングアウトとアウティング

人はみんなメイク、男装、言葉遣いなど様々なツールを用いて外に自分のセクシャリティを発信しています。しかし、先ほども言ったように、見かけだけでセクシャリティを判断することはできません。そのため性的マイノリティの人たちは、自分が信頼している人に「自分はこういうセクシャリティなんだ」と打ち明けるという行為をします。これをカミングアウトと言います。

  • カミングアウト・・・秘密を告白するという意味。性に関するカミングアウトは、他人に自分のセクシュアリティを自分の意思で打ち明けることを意味します。多くの場合、性的マイノリティの方がするものと捉えられます。性別二元論や異性愛中心主義が根付いている社会に生きる性的マイノリティにとって、カミングアウトは時に勇気のいるものでもあったりします。

これについては知っている方も多いのではないでしょうか。テレビで芸能人の方がカミングアウトされた経験などを語っていたりするのはよくあることですよね。

では、アウティングとは何か知っていますか。

  • アウティング・・・カミングアウトの声を聞いた第三者が、そのことを本人の了承を得ずに他人に言いふらすこと。AさんがBさんにゲイであることをカミングアウトをしたとして、BさんはAさんの許可を得ないでCさんに「Aさんはゲイらしい」と言うことです。

 カミングアウトをするということは、する側とされる側に信頼関係があるということです。する側は、カミングアウトをする時に「この人なら私の性を知ってもらいたい」と思ってするのです。見知らぬ人、仲良い人全員にできるわけではありません。中には教えたくない人も存在するでしょう。する側はそんな周りの人々の中で、カミングアウトをする相手を選ぶ権利があります。つまりアウティングをすることは、その信頼関係を裏切る、する側の人権やプライバシーの侵害を犯してしまうということです。

する側、される側、されていない人全員が良い関係でいれるように、アウティングは必ず避けましょう。もし知人からカミングアウトされた時は、

  • 打ち明けてくれたことに感謝をする
  • なぜ話してくれたのか、他に打ち明けている人はいるのかなど事情を聞いてみる

 などして、その人との信頼関係を保つことを最優先しましょう。

自分のセクシャリティの説明の仕方「SOGI」

「あなたのセクシャリティを説明して」と言われたら、どのように伝えますか。

セクシャリティを言葉で伝えるときは、「SOGI(ソジ・ソギ)」を使います。

  • SOGI・・・SO(Sexual Orientation)が性的指向(誰を好きになるか)を指し、GI(Gender Identity)が性自認(こころの性)を指す。

 もともとLGBTのL(レズビアン)とG(ゲイ)が「誰を好きになるか」を指しているのに対してB(バイセクシャル)とT(トランスジェンダー)が「自分が認めている性」について指しています。しかし、一概に「LGBT」と一括りしてしまうことで、その違いがわかりにくくなってしまうということからSOGIが出てきました。SOGIはマイノリティ関係なく誰もが持つ属性です。「LGBT」というとそれに該当する人だけを指しますが、SOGIの概念が出てきたことによって、この世に生きる全ての人の多様な性のあり方を説明できるようになったのです!

 

たとえ少数だとしても、「性的マイノリティは周りにいない」と断言はできない

さて、これまでLGBTQ+に関する様々な用語を見てきました。それでも異性愛中心主義を当たり前として生活してきた人にとって、性的マイノリティの方達を身近に感じることは難しいこともあるでしょう。

しかし、「株式会社 LGBT 総合研究所(博報堂DYグループ)」が2019年に行なった「LGBT意識行動調査2019」では、LGBTまたは性的マイノリティに該当する人は日本全国で約10.0%いるという結果が出ています。これは約10人に一人の割合で、これはアメリカの約3.8%、イギリスの約2.0%よりも大きな数字です。

更に、その10%のLGBT/性的マイノリティのうち78.8%がカミングアウトをしていないという結果も出ました。 性的マイノリティに該当する人はどこにいてもおかしくないし、「性的マイノリティの人に出会ったことがない」という人の周りにもカミングアウトしたいけどできないと考える人がいるかもしれないのです。

最後に

性的マジョリティ、性的マイノリティと区分されることは多いですが、どんな性愛にも「当たり前」は存在しません。異性愛、同性愛、両性愛、全性愛、恋愛感情を持たないなど、愛する対象とその愛し方は無限であり、そこに優劣をつけることはできません。

男女二元論や異性愛中心主義の社会を変えることは難しいかもしれませんが、みんなで知識を得て、いろんな性のあり方を認められる姿勢が広がったら素敵ですよね。このコラムで少しでもLGBTQ+/性的マイノリティについてもっと知りたい!と思ってもらえたら嬉しいです。今回紹介したことは、下のサイトでもっと詳しく解説されています!チェックしてみてください(^ ^)

 

参考文献

 

(このコラムはLGBTQ+に対してまだ知識が浅い人に向けて作成いたしました。文章の表現についてのご意見等ございましたら、下のお問い合わせフォームからお願いいたします。)

ガクセイ基地でのLGBT関連記事はこちら ( https://gakusei-kichi.com/?s=LGBT )

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