How To 学生生活

世界の大学生、どんな生活してる?-建築学生編-

日本にいる建築学生へ 「世界中にいる建築学生がどんな学生生活を送っているか」とふと思ったことはありませんか? 今回の企画では10ヵ国からの建築学生11人に、大学の授業やその国の建築学科について取材しました(大変でした😳)。ぜひ自分の大学の建築学科と比較しながら読んでみてくださいね!

CONTENTS
  • 建築学生紹介
  • 建築士になるまで
  • 授業について
  • 学費について
  • 使っているソフトウェア/ツール
  • 建築学科の好きなところ

  まずは取材に対応してくれた建築学生たちを紹介します!

Micah @中国
Micah @中国

僕は中国にある寧波(ニンポー)大学の学生だよ。つい最近4年目が終わってこれからインターンシップの年に入るんだ。母国のガーナ(西アフリカ)には建築を学ぶ教育機関あまり整っていないから中国に留学してきたんだ。

Michael @フィリピン
Michael @フィリピン

僕は今5年生で、もうすぐノーザン・フィリピン大学を卒業するんだ。この5年間で僕の大学はすごく改善されたよ!学費は無料になったし、第一線で活躍する建築家が新しい教授になったりね。

Tham @ベトナム
Tham @ベトナム

私はトンドゥックタン大学という公立の学校に通っているわ。工学部の建築学科を専攻していて、学士号を取得するには5年かかるの。

Divya @インド
Divya @インド

州立のアーンドラ大学の建築学科に通っているわ。5月に4年目を終えて大学生活はあと1年よ。

Rahul @インド
Rahul @インド

僕はナビ・ムンバイにあるバラティ・ヴィダヤピース建築大学(Bharati Vidyapeeth college of Architecture)っていう私立大学の学生だよ。今年5年生で大学最後の年なんだ。インドの建築学科は国が運営している「建築評議会」に属している専門的な教育コースなんだ。

Mahla @イラン
Mahla @イラン

テヘランにある私立のイスラーム自由大学に通っているよ。僕は今3年生であと1年で卒業するんだ。

Yasmin @ トルコ
Yasmin @ トルコ

トルコのイスタンブールにある私立バチェシェヒシュ大学の学生よ。今4年生でこの夏に卒業するわ。私実はシリア国籍なんだけどイスタンブールに移住してきてもう5年目なの。

Nasya @ドイツ
Nasya @ドイツ
私はウクライナからの留学生で、Technische Hochschule Nürnberg Georg Simon Ohmっていうホーホシューレに通っています。ドイツのホーホシューレは実践的な授業が多い専門職大学のようなものです。
Steven @イングランド
Steven @イングランド

つい最近リンカーン大学の学士号(3年)を取得したよ。ちなみにリンカーンはロンドンから車で3時間くらいの所にあるよ。

Abrar @スコットランド
Abrar @スコットランド

ストラスクライド大学の建築学科に所属していました。先月学士号を取得して、今は帰国して母国のオマーンにいるわ。

Luna @アメリカ
Luna @アメリカ

ハロルド・ワシントン・カレッジの2年生でもうすぐ準学士号を取得できるわ。実はもうすでに母国のウクライナで都市設計を勉強して学士号を取得しているんだけど留学先のシカゴ(アメリカ)では母国の単位が評価されなかったから準学士号から取り直しているの。

建築士になる道のりは人それぞれですが、住む国によって資格の取得方法は大きく異なります。 取材した学生を3つのカテゴリーに分けてみましたが、同じカテゴリーの中でも修士号や実務経験、またはテストを受けなければいけないものもあります。 ※以下は各国で建築士になる唯一の方法ではありません。

3年制大学
英国(イングランド、スコットランド、ウェーブ、北アイルランド)では3年間の課程RIBA:Royal Institute of British Architectsパート1(大学)と2年間の課程RIBAパート2(大学院)を修了しなければならない。卒業後は「設計スタッフ」として働くことができるが、「アーキテクト:建築士」になるためには最低2年間の実務経験を積み(RIBAパート3に値する)、アーキテクツ・レジストレーション・ボード(ARB)に登録する必要がある。7
Steven @イングランド
Steven @イングランド

ARBに登録するのに試験はいらないけどちゃんとRIBAの7年課程を修了したことを証明して、毎年登録料金を払わなきゃいけないんだ。ARBに登録することでもし誰かが設計の依頼をしたい建築家を探したいとき、ARBのサイトで近所にいる建築家を見つけることができるんだ。

ドイツのホーホシューレで学士号を得るには3年かかる。卒業後は「コントラクター」として働けるが建築家として独立するには大学院の修士号(2年課程)が必要となる。計5年

4年制大学
 

日本はこのカテゴリーに当てはまる(上でも記載した通りこれが唯一の方法ではありません)。4年制大学の建築学科を卒業し、2年以上の実務経験があれば一級建築士の受験が可能になる。計6年

トルコでは建築士資格がいらず、4年制大学の建築学科を卒業すれば「建築家」として働けるようになる。しかし国家機関の建築物を設計する場合は国が指定した試験を受けなければならない。計4年

Yasmin @ トルコ
Yasmin @ トルコ

もうすでに自分のことを「建築家」と呼んでいる卒業生をたくさん知っているけど、私は個人的にその「建築家」というのは経験の積み重ねがないと得られないタイトルだと思っているわ。

イランもトルコと同じく建築士資格が存在せず4年制大学を卒業したらまずは「インターン」として仕事をし、ある程度経験を積めば「建築家」として名乗れるようになる。計4年

5年制大学
 

インドで建築の道を進むには国の建築評議会(COA:Council of Architecture)に登録しなければならない。5年制大学で学士号を取得したら登録ができるのだがまず建築学科に入学するためにはNATA (National Aptitude Test in Architecture)試験を受ける必要がある。この試験は全国で行われる専門試験であり、11年生または12年生(日本でいう高校2,3年生)に受験するものである。計5年

ベトナムでは、5年制大学を卒業すれば建築家として働くことができる。しかし国家機関の建築物を手掛けるためには過去に5~10件の公共施設(病院、劇場、スタジアム等)に関わっていなければならない。計5年 中国では通常の授業を4年間とインターンシップに参加する1年間、計5年間の課程を修了しなければならない。卒業後に国家試験を受けることで正式に建築士になる。計5年

フィリピンでは5年制大学を卒業し、2年以上の実務経験を得れば建築士試験を受けることができる。計7年

アメリカでは建築士ライセンスが各州にて別々に発行されているため、州によって取得条件が変わる。

シカゴを含むイリノイ州では5年制大学と1.5~3年制大学院を卒業し、NCARB (National Council of Architectural Registration Boards)が指定し有給インターンシップに3年間参加することで建築士試験(ARE: Architect Registration Exam)の受験資格が得られる。9.511

資格を持つ建築士だけでなく「建築家」になるためには何十年もの経験の積み重ねが必要です。だけど、少なくともプロフェッショナルとしての専門知識を学び、国が定めた基準を達した「建築家」として名乗れるようになるには住む国によって4~11年かかるということが今回の取材で分かりましたね!

次にみんなの建築学科ではどんな授業が行われているか聞いてみました! これも大きく分けて3種類:

必修科目のみ (すべて建築関係)
 

Nastya(@ドイツ)、 Divya (@インド)、 Rahul(@インド)、 Micah(@中国) とSteven(@イングランド)の建築学科ではすべての授業が必修科目であり、内容も比較的「建築」に関わるものに限ります。このような科目を指します:建築設計、設計製図、建築史、建築論、建築材料、構造力学、建築法規、環境科学、都市計画

Nasya @ドイツ
Nasya @ドイツ

私が一番好きな科目はRaumortlabor (直訳:空間研究) っていうのなんだけど、この授業では毎学期に修学旅行にいくの。一週間ぐらい海外に行ってそこの都市を観察するの。行く前にその都市にある建物や歴史を調べて、現地についたらプレゼンテーションする。そして色んな所にまわりながらスケッチをする。最高に楽しい授業よ!

Micah @中国
Micah @中国

僕はEnvironmental psychology(環境心理学)っていう科目が一番好きだよ。建築家またはデザイナーは周辺環境に適した設計をできるようならなければならない。ここに建築の本質があると僕は感じているよ。この授業を聞くたびに、自分のエゴのためでなく社会のためにデザインする大切さを気付くんだ。

必修科目のみ (直接建築に関係ない科目も含む)
 

Michael(@フィリピン) と Mahla(@イラン)の建築学科では選択科目がない反面、必修科目に建築には触接関係ない授業も組み込まれていました。

Michael @フィリピン
Michael @フィリピン

僕の学校の建築学科では「ダンス」とか「リザールの教え」とか、かなりユニークな授業も必修科目になっているんだ。「リザールの教え」では昔スペイン人と戦ったフィリピンの英雄たちについて勉強するよ。

また、Michaelは国に決められた授業も受けていました。フィリピンの大学生は学部学科問わず、「全国サービストレーニングプログラム」を受ける義務があるとのこと。これは貧しい地域社会を支援し、同時に同級生との絆を深めることを目的としたもので、大学生活中に2学期分参加しなければ卒業できないほど重要な単位なのだそうです。

必修科目 (すべて建築関係) + 選択科目(直接建築に関係ない科目)

多くの日本の大学はこのカテゴリーに属していますね。卒業するために共通科目などの選択科目を受講する必要があるシステム。特に英語、フランス語、中国語などの「外国語」は選択科目としてどの大学もあるのではないでしょうか? Luna(@アメリカ)、Yasmin(@トルコ)、 Abrar(@スコットランド) と Tham(@ベトナム) の学校でも似たようなシステムでした。どんな選択科目があるか見てみましょう!

Luna @アメリカ
Luna @アメリカ

私は英語と経済学と哲学を選択科目として取っているわ。授業は面白いし、教授も素晴らしいけど、必修科目が忙しくて選択科目のほうにあまり時間を費やせてないの。夏学期*の場合は特に時間がたりない!

*夏学期:秋学期と春学期が約3〜4か月であるのに対し、夏学期は約2か月。 短期間で同じ課題の量をこなさなければいけないのでかなりきつい。 Lunaの学校では、通常1年間に2学期(秋と春)あるが、希望すれば3学期分(秋、春の2学期+夏の1学期)受けることができる。言い換えれば、1年間に3学期分通った学生には夏休みがない代わり、周りより早く卒業を迎えることができる。
Yasmin @ トルコ
Yasmin @ トルコ

私たちは選択科目の中でも共通科目6単位、他学科の必修科目3単位分取らないといけないの。私が一番好きなのは「20世紀の思考」っていう授業なんだけどここでエドワード・サイード、ヴァージニア・ウルフ、アルベール・カミュなどの有名な思想家や作家に出会ったわ。本当に充実した彼らの考えを考察したり、クラスメートとディベートをやったり、とても充実した授業だった。

Tham @ベトナム
Tham @ベトナム

建築の勉強の息抜きになると思って選択科目のとして水泳とメディテーション(瞑想)の授業も受けているよ。

みなさんのお話を聞いて、どの授業システムにもプラスとマイナスの面があると思いました! すべての授業が建築に直結しているシステムは、プロの建築家になることに集中できる。それはある意味、ユニークな建築家に導く要素であるかもしれないものが狭められてしまう…のかもしれない…と感じたのは私だけですかね?笑 学校システムは学生生活に影響を与えるのは当たり前ですが、やっぱり学ぶ国による違いも気になりますよね!って事で、、、 「あなたの国で勉強するのってどんな感じ?」

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gakuseikichi

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