環境

楽しくヴィーガンファッションを取り入れる!/ラエステレン

最近ヴィーガンという言葉を聞く機会が増えているきがしませんか?

食事だけでなく、ファッションやコスメなど普段の生活でも動物実験をしていない製品や動物のレザーを使っていないヴィーガンレザーを取り入れる人もいるようです。

 

そこで、パイナップルレザーを扱った製品を生産・販売しているブランド『ラエステレン』で名刺づくりに携わった川島さんにお話を伺いました!

―まず初めになぜこの事業に携わろうと思ったのですか?

社会人になるにあたって名刺入れを買おうとしていました。当初、ハイブランドの物を買おうと思ったのですが、なんとなく「自分らしくない」と思ったんです。それは製品に透明性(生産背景などが分からない)が無いと感じたからだと思います。

そこで、ネットでエシカルやサステナブルな名刺を探したのですが、デザインや生産過程で気に入るものがなく、自分で作ろうと思ったのです。

 

―自分で作ると決めてどのようにラエステレンに出会ったのですか?

まずは「人間にも、環境にも優しい」という軸で生地探しを始めました。本革をなめす際に使用する薬剤が工場で働く人や環境に悪影響を与えることがあると知り、本革以外を使いたいと思うようになりました。リサーチを進めていくうちに、パイナップルレザーのpiñatex(ピニャテックス)という繊維に出会いました。Piñatex(ピニャテックス)繊維は透明性も担保されていて、「人間にも、環境にも優しい」と思えたんです。ただ、piñatex(ピニャテックス)には販売代理店がなく、直接輸入するしかありませんでした。日本でそれを扱うブランドを探し、ラエステレンと出会ったんです。そこで代表の方とコンタクトを取り、製品づくりが始まりました。

 

―パイナップル素材は普通のレザーに比べてどのくらい環境に優しいのですか?

piñatex(ピニャテックス)は生分解性と言って自然に還る素材です。piñatex(ピニャテックス)はこれまで廃材となっていたパイナップルの葉を原料としています。これをフィリピンの農家から直接仕入れることで彼らの追加収入となっています。取引に透明性があり、piñatexを使うことで社会と環境に対してポジティブな影響を及ぼすことができると考え、この素材を採用しました。

一方、本革はなめす際に利用する薬品が人体に有害であることがあります。そこで働く人が呼吸疾患や皮膚疾患になりやすいのです。また、貧困層の低賃金労働や児童労働という問題もあります。さらに、工場から出る薬剤が水質・土壌汚濁につながり、環境にも人にも害があります。合皮でもポリ塩化ビニルを使っていて環境に優しいとは言えません。

 

―日本のヴィーガンに対する意識ってどのくらい高いのですか?海外ブランドの方が多いような気がするのですが。

エシカルファッションで考えるとやはり海外の方が意識が高いのではないかと思います。ただ、この春、日本ではサステナブルファッションが流行りました。その流行で日本人の意識も変わってきたのではないかなと感じています。私が事業に携わり始めたころはまだラエステレンしかpiñatex(ピニャテックス)を取り扱っていなかったのですが、最近では日本でも複数の会社がpiñatex(ピニャテックス)を使用しているようです。

 

―実際に商品政策に携わったから伝えたい、商品のポイントは何ですか?

まず過剰生産を抑えるという観点から誰でも使えるユニセックスデザインにしています。また、機能面では、名刺を取り出しやすいように片方が斜めになっています。製品作成はアップサイクルに理解のある都内の革職人が担当しています。さらに、裏地はオーガニックコットンを使っています。

カラー展開は、パール、ブラック、シルバーの3色

―実際に商品製作に携わって考えたことは何ですか?

ファッション業界の大変さについて痛感しました。というのも、素材の値段や職人さんへの対価なども考慮した上で製品を作る上での価格設定を考える必要があります。また商品を作るのにどのくらい時間をかけるか、どのくらい複雑な作業なのかなどによっても金額が変わってきます。このような過程も考えていくと、いかにファストファッションがフェアではない価格なのかに気づきました。

エシカルファッションは正当な価格で販売しているのにかかわらず、従来のものより高価だと感じられるでしょう。今回この名刺入れをデザインする中で、いかに原価を守りながら、エシカルファッションに関心の高い若い世代の手に届く価格とするか、話し合いを重ね実現しました。

 

―この商品を通じて届けたい思いは何ですか?

この商品を通じて、地球や人間に優しくすることは「楽しいことなんだ」ということを伝えたいです。

「地球や人間に優しい」というのは「いわゆる意識高い系が取り組むことだ」というようにネガティブなイメージが多少なりともあるように思います。そうではなく「おしゃれを楽しんだら無意識のうちにいいことをしていた」ということをより多くの人に経験してもらいたいと思っています。このような経験がエシカルファッションに限らず様々な社会問題に興味を持ち始めるきっかけとなると信じています。

ラエステレン公式HP:https://www.laersterenn.com/

 

編集後記
革製品は使えば使うほど味が出てくると思っていていいなと思っていたが、皮をなめす時に環境に優しくないということを知った。持っている物全てがエシカルファッションと言うのは難しいが、自分が取り入れられる範囲で楽しむのもいいと思った。

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gakuseikichi

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