お茶漬け。
それは平安時代から『水飯』・『湯漬け』(ごはんに水やお湯をかけたもの)として食べられ、江戸時代には「ありふれていること、容易なことのたとえ」の意味を持つ『茶漬めし』という言葉が生まれるほど、歴史のある料理だ。日本のソウルフードのひとつと言っても過言ではない!!
お気づきかもしれないけれど、私はお茶漬けがとても好きなのだ。
お茶漬け専門店の「こめらく」に、“1人お茶漬け”しに行くほど、大好きなのである。
一人暮らし勢も実家勢も、お湯を注ぐだけで出来上がってしまう永○園のお茶づけの素の1つや2つはお家にあるだろう。もちろん私も常備している。
でも、思ったのだ。
かつては、お茶漬けの素なんてなかった。江戸っ子たちはお茶をかけて食べていたし、かの有名な光源氏はお酒を飲みながら湯漬けを食べていたんだもの。きっと美味しかったに違いない!
私もおだしを使わず、緑茶で作る“美味しい”お茶漬けを食べたい!
“美味しい”とこだわるには理由がある。
以前、梅干しがのったごはんに緑茶をかけて食べたことがある。…あれは不味かった。とても不味かった。「私の知る永○園のお茶漬けじゃない!」と思いがっかりもした。(残さず食べたよ)
だから今回はいろいろ考えて、“美味しい”お茶漬けを作ってみた。
(ちなみにホットである。夏と言えど、私はアツアツのお茶漬けを食べる。)
Step2.材料・分量決め
Step3.実食&本家と比較
Step1.永◯園のお茶づけ成分解析
今回私が選んだ味は、梅茶づけとわさび茶づけ。
それぞれ、「梅のつく食べ物が大好きだから」「わさびは簡単そう」という理由で選んでみた。
さっそく、それぞれの原材料をチェックしてみる。(黒:共通、赤:梅のみ、緑:わさびのみ)
梅茶づけの原材料名
調味顆粒(食塩、砂糖、抹茶、鰹節粉、昆布粉、鰹エキス、魚介エキス)(国内製造)、あられ、梅干フレーク、海苔、塩蔵しその実、塩蔵しその葉/調味料(アミノ酸等)、香料
わさび茶づけの原材料名
調味顆粒(食塩、ホースラディッシュパウダー(乳成分を含む)、砂糖、麦芽糖、貝柱エキス、抹茶、昆布粉、わさび)(国内製造)、あられ、海苔、塩蔵茎わさび、味付鰹削り節パウダー(小麦・大豆を含む)、青のり/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、クチナシ色素、フラボノイド色素、香辛料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)
…。わさび多いなぁ…。
ここで、我が家のキッチン・冷蔵庫と相談。
〜話し合い中〜
よし、決まった。
まず2つの味に共通して使うものは、食塩、黒糖(砂糖の代わり)、伊○園のワンポット緑茶ティーバッグ 抹茶入り(抹茶の代わり)、塩昆布(昆布粉の代わり)、味付け海苔。
香ばしいあられは、防湿効果があるらしい。でも家にないし。今回は御役御免。
梅茶づけに関して追加するのは、梅干し1粒。鰹節は無かった、残念。
わさび茶づけに関して追加するのは、S&◯のおろし生わさび。以上。
(え、ホースラディッシュとかいうやつは?色素系は?)
上記のような疑問の声が聞こえたのでお答えしようと思います。
まず、ホースラディッシュとは日本名で西洋わさびと言われる草です。商品名で山わさびと呼ばれたりすることも。つまり、わさび!!今回使用するおろし生わさびの原材料を見ると、「本わさび、西洋わさび」という表記がありましたので、別に用意する必要はなし!
色素系は、きっと見た目を良くするためではないかという結論に達しましたので、必要なし!(家にないし…。)
Step2.材料・分量決め
最初に決めるべきことは、ベース。特に、食塩、黒糖、緑茶の3つの比率は気になるところ。
まず、我が家にあったお茶を味見してみる。
苦味がなくて、旨味がある。抹茶の味もするような気がする。これならお茶漬け出来るんじゃないか…?
ちなみに、緑茶ティーバッグに使うお湯の量は150mlとする。
お茶の味には濃いめが好き等の個人差があると思うけれど、今回は永◯園の作り方の欄に、お湯(150ml)を注ぐよう書いてあるからそれをまねる。
次に食塩と黒糖の量を決めていく。
手始めに、両方2.5mlずつ入れてみる。(2.5mlは、小さじ5mlの半分の量)
不味かったらどうしよう…(汗)
〜試飲中〜
…不味くない!良かったぁ(一安心)
黒糖は良い感じかもしれない。けど、少し塩辛いなぁ。
ということで、次は黒糖2.5ml、食塩1.25ml入れてみる。
〜試飲中〜
食塩は良い感じ!だけど、今度はあま〜い(泣)
次は黒糖も半分にしてみる。両方1.25ml。
(まだ3回目だけど、上手くいってくれー!!)
〜試飲中〜
おっ!?良い感じなのでは!?
甘くも塩辛くもなく、出汁的旨味がある気がする!
前の2つと飲み比べても圧倒的1位。(比べると最初のは辛すぎた)
ん、でも待って。私、味音痴になってないかしら。
一応、何も入っていない緑茶と飲み比べてみる。
うん、いけるかな。とりあえず、これで良しとしよう。(疲れてきたし)
ということでベースは、緑茶150mlに対し食塩、黒糖ともに1.25mlに決まり。
他の具の量だが、個人の自由とする。目分量でOK。
海苔とか、食べたい分だけ載せたら良い。
ただわさびに関しては、目分量だと失敗しそうだから、実験した。
その実験結果を、表1に示す。
よって、わさびの量は15mmに決定!
Step3.実食&本家と比較
では、実際にごはんにかけて食べ比べをしていく。
まずは梅茶づけ。
本家は、相変わらず美味しい。
自作梅茶づけは…わ、美味しい…!
本家との違いを述べると、本家はさっぱりとしていながら、しその実や葉が入っていることで、後味に梅をしっかりと感じる。
自作の方は、梅干しを丸々1粒入れたため梅の酸味がしっかりしている。また緑茶独自の味はない。さらに海苔と昆布があることで、お茶漬けっぽい見た目になった。
梅の味に違いはあれど、梅茶づけとしての違いはない。
続いて、わさび茶づけを実食。(自作わさび茶づけのわさびは、15mm入れた。)
本家は、わさびの茎が入っていることで、口に入った瞬間からわさびの味がする。
自作の方は、普通に美味しい…!ただ海苔や昆布の味が先に来て、飲み込む時にわさびの味がする。だから、口に入った瞬間にわさびを感じる本家と比べると…正直、わさび感はない。おそらく、海苔・塩昆布を入れたことで、わさびの辛さが弱くなったからだと考えられる。追加でわさびを5mm入れたところ、実験で15mm入れた時と同じ辛さになった。
具を入れるときは、+5mmわさびを追加すると良い。
結論
おだしを使わず緑茶で美味しいお茶漬けは作れる。
作ってみてびっくりしたのは、自作お茶づけが美味しかったこと。
ご飯を入れたら不味くなるかもしれないと不安に思っていたから、良かった。
これで、お家にお茶づけの素がなくたって作れるぞ!嬉しい!!
お茶漬けの素とかないけど無性にお茶漬けが食べたくなったら、みんなも作ってみてね!
(具材はご自由にアレンジを!)
ごはん(適量)、緑茶(150ml)、食塩(1.25ml)、砂糖or黒糖(1.25ml)、塩昆布、味付け海苔、梅干し1粒、わさび(20mm)
《作り方》
Step1.お茶碗に緑茶・食塩・砂糖を入れ、食塩と砂糖が溶けるまで混ぜます。(わさび茶づけにする場合は、わさびも入れます)
Step2.ごはんをお茶碗によそいます。
Step3.残りの具材を全て盛りつけます。
完成!!
Add Comment