新型コロナウイルスによる経済への大打撃は、かつてのリーマンショックをも超えると言われています。
未曾有の事態の影響により就職氷河期が来ると言われ、就職を控える大学生にとってこれほど不安なことはありませんね…
こういう時だからこそ大学生が希望を持てるような、かつての厳しい状況を乗り越えて現在活躍している社会人の先輩方の前向きなお話を伺う企画を考えました。
今回は日本で大人気の「ポッキー」や「ビスコ」など人々に愛されるお菓子、乳児用液体ミルクの「アイクレオ赤ちゃんミルク」、おいしさと糖質オフを両立したアイスやビスケットのブランンド「SUNAO」などお客様の課題を解決するような商品を多数生み出し、今日の世界に笑顔を届ける江崎グリコ株式会社で「アイスの実」を担当されている方に取材させていただきました！
*江崎グリコ株式会社…企業理念「おいしさと健康」のもと、お客様の“ココロとカラダの健康”を実現するため商品やサービスを届ける企業。大阪の三越百貨店に栄養菓子「グリコ」が並んだ1922 年2 月11 日を創立記念日とし、2022 年に創立100 周年を迎えます。
ーー就職を控える学生の多くは将来どの道に進むか悩んでいます。様々な職種がある中でなぜお菓子の業界に進もうと決断されたのでしょうか？
私は元々食べることが好きだったのですが、周りにはダイエットや持病のため食べ物は悪いものと思っている人がいました。そういう人たちにも「食」を楽しんでもらいたい、また自分の大好きな「食」を通じて笑顔を増やすことができないかと考えたことがきっかけでお菓子の業界に入りました。
ーー大学在学中の就活活動の際にどのように自分をアピールしましたか？
私は上記の想いをベースに就活をしていたので、自分が叶えたいと思っていることがその会社の理念にどう合致しているか、また具体的にどういうチャレンジをして自分が会社に貢献できるかということを伝えました。今「アイスの実」を担当しているのも面接の際にカロリーコントロールアイスについて語ったことを覚えてもらっていたからです。
ーー私の勝手なイメージでは大企業で個人の想いを実現するのは難しいと思い込んでいたので意外です！熱い気持ちは伝わるんですね！そんな御社に入社前と入社後では会社の印象に変化はありますか？
新しいことやおもしろいことを生み出し、世の中に健康価値のある商品を積極的に提案しているという印象が入社前はありました。それは入社後も変わっていませんが、ベテランの方々がアイデアを提案しているのかと思いきや、実際に働いてみたら新人や若手でもチャレンジの機会がたくさんあると感じました。ある意味それが印象のギャップでしたね。
ーー若い人もたくさん挑戦できる企業なんですね！色々挑戦する中で大変なこともありそうです。今までに困難だった経験はありますか？
昨年、初めて百貨店でアイスの実を販売したことです。老舗料亭である株式会社京都吉兆と共創させていただき「世界中のお母さんが子どもたちに食べさせたくなるアイス」というコンセプトのもと、初めての野菜素材を使ったアイスの実を開発しました。併せて、初めて香料・着色料・人工甘味料不使用の配合にもチャレンジしたんです。初めて尽くしの企画を新販路で発売することは難しいことも多かったです。
百貨店での販売は成功したのですが、決して自分一人でやり遂げたわけではありません。社内外の関係者全員に目指す方向性を示して共感してもらい、このプロジェクトが成功したらどういうゴールにつながるのかを共有した上で、知恵を出し合いながら全員でゴールに突き進むことができました。
ーー大変なことを乗り越えてこそやりがいを感じられますよね。お客様に対してはいかがですか？
カロリーコントロールアイスを担当していた時に糖尿病で食事制限をしている方から「この商品を作ってくれて本当にありがとう。毎日アイスを楽しめています。」と笑顔で言ってもらえた時がとても嬉しかったです。入社前に感じていた、自分が携わる「食」で笑顔につながることがしたいという想いが少しでも実現し、微力ながら誰かの役に立てているのかもと感じられたことを今でも覚えています。
ーーこのエピソードは心が温まりますね♡もしこの記事を読んでいる学生に声が届くなら何を一番伝えたいですか？
時間を自由に使える学生だからこそ、とにかく色々とチャレンジして欲しいです！まずは視野を広げるための経験に時間を使ってみるのがいいと思います。社会人になると、配属された部署の仕事に関して深掘りしていく時間はたくさんあるのですが、それ以外の分野についてインプットする機会がなかなか持てなかったりします。なので、自分の視野や価値観を広げる経験をたくさんしてから社会人になると、新しい価値提案につながるアウトプットができるのではないかと思います。
（取材後記）
自分の好きなことを通じて周りの人を笑顔にするってなんて素敵なお仕事でしょう。就職に向かう私たちがまずスタートラインに立つ上で、常に心に留めておきたい大切なメッセージが心に強く響きました。またこのインタビューの中で、最も影響を受けた書籍として岸見一郎/古賀史健の「嫌われる勇気」を紹介してくださいました。この本から①過去の経験や原因に目を向けるのではなく、それを踏まえてどう行動するかという目的意識に目を向けるべき、②他の人の期待を満たすためではなく自分がどう行動すべきかを貫き自分らしい人生を送ることが大切、ということを本から学んだそうです。私も最近色々な場面でこの本のことを耳にするので、自由に時間を使える今だからこそ読んでみたいと思います。
Add Comment