【時事対策】香港デモは何が理由で起こっている？

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連日ニュースで報じられている香港でのデモ活動。ニュースは見ないという方もTwitterなどSNSでも関連する動画やツイートが流れてくるので知っているよ！という方も多いでしょう。デモが起きているのは知っているけど、その背景に何が起こっているのかまで話せるようになれば就活でも使えるはず…！

この記事では、友人のCatherine（香港生まれ香港育ち、香港在住）から聞いた「今、香港では何が起きていて、香港の人たちは何を思っているのか」をかみ砕いてお届けします。

香港の歴史

香港はかつてイギリスの植民地でした。イギリスによる統治のもとで発展していった香港はその影響が現在でも色濃く残っています。大きな影響は、民主主義の地域であること、公用語の一つが英語であることなどです。

現在の香港

戦争が終わり香港はイギリスから中国政府へ返還されることになりました。中国政府は、香港は中国本土の法律に従うべきだと主張していましたが、実際には「一国二制度」のもとに香港は返還されました。
「一国二制度」とは一国（中国）の中に二制度（中国本土の共産主義と香港の民主主義）が存在するということです。
特別行政区となった香港は、独自の法制度を持っていたり表現の自由や人権が保障されていたりします。

Catherine：私たち香港の人間は、民主主義のイギリスの影響を受けている香港のことを誇りに思っているわ。

私：なぜ？

Catherine：中国本土では、政治的圧力によって不当に逮捕されたり、罪もない人が有罪にされたりすることが多くあるの。でも、香港にはちゃんと法律があるから、公平な裁判をしたうえで罪が決まる。すべてのことが中国本土とは違うわ。私たちはそんな香港のことがとても好きよ。

私：「Hong Kong Pride」だね。他に香港が中国本土と異なる部分はある？

Catherine：香港には外国籍の企業のオフィスがたくさんあるんだけどこれもそうよ。香港は民主主義だから、中国本土と違って外国からも信用してもらえているの。繰り返しになるんだけど理解して欲しいのは、香港は中国本土と異なる部分が多いこと。そしてその違いを香港市民は誇りに思っているということよ。

私：なるほど。

Catherine：でも、最近少しずつ状況が変わってきたわ。香港政府が中国政府にすり寄っているの。香港は中国本土と違うことを誇りにしていたのに、中国本土に近づいているのが香港市民は納得できないの。これが今回のデモのきっかけね。

デモが起きたきっかけ

今回の香港のデモは「逃亡犯条例の改正」が火種となっています。
この条例は、犯人を引き渡し協定を結んでいる地域に送り、その地域の法律やルールで裁くというもの。今回この協定を結んでいる国の中に中国があることが問題となっています。つまり、香港で罪を犯した人が中国に送られて中国の法律で裁かれることになるかもしれません。

Catherine：さっきも言ったけれど、中国の法律は法律として機能しているとは言えないのよ。香港には民主的でちゃんとしている法制度があるのに、それを差し置いて中国で裁かれるなんては絶対に許してはいけないと思っているわ。

私：香港の人達の中国に対する敵意…？のようなものを感じるんだけど何か恨みでもあるの？

Catherine：恨み…ね。確かに香港の人たちは中国本土のことをあまりよく思っていないわ。例えば、中国本土から来た観光客のマナーの悪さや騒音問題。香港の方が中国本土よりも物価が安いから観光客が物を買い占めていくんだけど、それによって日用品や不動産の物価が上がったり、同じ理由で中国本土の人が出産のときに香港に来るせいで香港の人が産婦人科からあぶれてしまったり。

私：中国本土の人が香港の人たちの生活に入り込んでいるって感じなんだね。

Catherine：そう。香港は香港でいたいのに、政府の対応のせいでさらに中国本土に寄っているの。最近ではそのせいで外国の企業が香港から離れて、シンガポールなどにオフィスを構えたりしているのも不満の種ね。
香港の人たちは、今まで通りに香港としてのプライドを持った香港を維持していたいから、今回の犯人引き渡し条例をきっかけにデモが起こったってわけ。