食品業界

【ねるねるねるね】日本を代表するお菓子に!/クラシエフーズ

大学生のみなさん!今でも「ねるねるねるね」は好きですか?筆者は今でもねるねるねるねの大ファンです。このことを友人に伝えると、残念ながら冷たくあしらわれます。そこで筆者は、ねるねるねるねの魅力を、童心を忘れた大学生に再確認してほしいと思い、実際にクラシエフーズのマーケティング室の宮迫雅さんにお話を伺ってきました!取材を通して見えてきたのは、子供たちのことを第一に考え抜いた、大人の本気でした。

 

プロフィール
宮迫 雅(みやさこ まさし)さん


クラシエフーズ株式会社マーケティング室菓子・PVMグループ係長であり、現在ねるねるねるねの企画担当をされている。

 

 

そもそも「ねるねるねるね」とは?

クラシエフーズが提供する知育菓子Ⓡの1つであり、2019年現在で発売から33年目を迎える。7月8日にリニューアルをしたばかり。

※知育菓子Ⓡ…「お菓子を作る」という楽しい体験を通して、豊かな創造力を育むことができるお菓子。

(クラシエねるね研究室よりhttp://www.nerune.jp/about/

 

 

―本日はよろしくお願いします!

 まずはじめに…率直に言って、ねるねるねるねの大学生の人気はありますか?(笑)

Twitterで「ねるねるねるねを作ってみた」のようなものがよく投稿されていて、大学生人気は思っている以上にあります。子供の時にやっていて、久しぶりにやってみるか!という方が多いですね。

 また、ある大学の生協さんではありがたいことに、知育菓子キャンペーンを自主的に行っているところもあるようです。「作ったらSNSにアップしてね」というキャンペーンをしているところもあるとか。いずれにせよ、大変嬉しいです。

 

 

―大学生にも人気ということで、大ファンの1人として私も嬉しいです(笑)ちなみに、大学生への人気はマーケティング通りの結果ですか?

いえ、大学生にのみ働きかけたマーケティングはしていなかったので、予想外です。想定していたより人気がありました。また、先ほどのTwitterの投稿もそうですが、SNSが流行する少し前までは大学生が買っていてもわかりませんでした。それが最近では、自ら発信してくれる人が多くなったので、私たちも知らなかったことが分かるようになり、嬉しいです。YouTubeにも「ねるねるねるねを○○個作ってみた」という企画をしている方がいて、大人の方も楽しんで下さっているようです。

 

↑後日、Twitterで検索してみると…本当にありました!三重大学生協ですね!みなさんの大学生協でもぜひ探してみてください!

 

 

―大学生以上を視野に入れたマーケティングについて伺いたいです。

お菓子は、子供が選んで、保護者が許可して購入するので、保護者向けのマーケティングは非常に重要です。「ねるねるねるね」はその特有の色から、「体に悪そう」と保護者の方の第一印象があまりよくないことが多いです。そこで、弊社では保存料・合成着色料不使用の点はきちんとお伝えするように常に心がけています。

↑売り場にある「保存料・合成着色料0」の表示

 

 

―サイトを拝見させて頂いたのですが、非常にコンテンツが充実していて驚きました!そちらが保護者の方向けのプロモーションということでしょうか?

はい、そうです。サイトを実際に見るのは保護者の方なので、保護者の方向けのコンテンツを充実させることは大切にしています。

 

 

―コンテンツの中には、一見商品とは関係なさそうな「自由研究シート」というものもありましたが…あれはどのような目的で掲載されているのですか?

子供たちににねるねるねるねを通して、他のことにも興味を持ってもらうことが重要だと私たちは考えています。その1つに子供達の理科離れの解消に繋がったらうれしいという思いがあります。自由研究シートは理科に興味持ってくれた子供達が、活用してくれたらいいなという思いで掲載しています。と言っても、ねるねるねるねを楽しんでもらう目的を理科離れに限定している訳ではありません。ねるねるねるねが、子供達の、なにかに興味を持つきっかけになってほしいと、私たちは考えています。

↑最近人気の「ふしぎはっけん つかめる!ふしぎ玉」という知育菓子Ⓡ。こちらの商品はそのまま自由研究にもなり、先ほどの自由研究シートと合わせて夏休みの宿題が完成するそうです!

~余談~

後日、ガクセイ基地のミーティングにて作ってみたところ、実際に作ったメンバーは大変興奮していました!笑 

 

 

―子供の時にねるねるねるねのファンだった人は、保護者になったら自分の子供に買ってあげると思うのですが、子供の時にファンでなかった人にはどうアプローチをかけているのですか?

現在それが一番の課題で、ちょうどそういう保護者向けのプロモーションを考え中です。その層を獲得できるかどうかが今後の市場拡大に繋がってくるので、ねるねるねるねに良いイメージなかった人に買ってもらうことが今後の課題です。

 

 

―マーケティングする際に、心がけていることはなんですか?

保護者の方向けのメッセージとしては、先ほどもお伝えした保存料・合成着色料不使用を謳っています。また、子供向けのメッセージとしては、新商品が出た際に、CMを子供向けのテレビ番組で放映するようにしています。また、今後もさらにSNSを活用していくつもりです。Instagramでは知育菓子専用のアカウントまで運用していて、現在もかなり力を入れています。SNSで心がけていることは、拡散してもらうような内容にすることです。10万人のフォロワーにしか届かないのではなく、リツイートやリグラムをしてもらえるような内容にすることで、より多くの人に情報が届けられるようにしています。

 

 

―「ねるねるねるね」はロングセラー商品ですが、商品をリニューアルする際のリスクはありますか?

→もちろんリスクはあります。でも実際は、リスクを冒さないことが最大のリスクなんです。ねるねるねるねは、2010年に売上がずっと下がり続けた時期がありました。このままでは、ねるねるねるねの販売は終わってしまう…というくらいにまで落ちてしまっていたんです。なぜなら、それまで大きなリニューアルをしていなかったからです。パッケージを1年に1度変えるくらいで、ねるねるねるねそのもののテイストは変わっていませんでした。その結果、ねるねるねるねは売れなくなってしまいました。発売当初売れていたから今も売れるということはなく、時代に合わせて変えていく必要があったのです。その結果を受けて私たちは、ねるねるねるねが子供達にどう思われているかを確認するため、入念な市場調査を行いました。すると今の子供達は酸味が苦手な子が多いようで、「酸っぱい」という声が多く出たため、テイストは酸味を抑えて甘みを感じやすくしました。それから、パッケージも大きく変えました。今まではイラストだったものを写真に変えて、おいしそうに見えるようにするだけでなく、「中に何が入っているか」を保護者の方に伝わるようにしました。そうすることで、何が入っているかわからないというネガティブな印象を保護者の方に与えないように工夫しました。また、色が変わる仕組みも記載するようにしました。そのような大幅な変更を経て、ねるねるねるねの売上は2011年に見事回復しました!

 

 

―ねるねるねるねが今も食べられ続けている背景には、そんな壮絶なリニューアルがあったのですね…!

はい。実は今月の7月8日にも、夏休みに向けてねるねるねるねをリニューアルしたばかりなんです!大きく3点変わりました。1つはねるねるの膨らみを約1.3倍にしたこと。2つ目は水を入れる容器が△から□に変えたことです。膨らみを1.3倍にしたことで価値を高め、容器の形状を変えたことでより持ちやすくなりました。そしてラスト3点目は、トッピングがパワーアップしました。ブドウ味にはキャンディーチップに☆が入り、ソーダ味の青色のラムネはひんやりするようになりました。また、容器に描かれているキャラクター表情の種類が増えました!

 

 

―すごいですね!特に持ち手の変化には驚きです!

ありがとうございます。しかし、やはり今回のリニューアルも苦労しました…。リニューアルなのでベースはありますが、やはり大変で、かなり調査に時間をかけるところからスタートしました。それでも現実的な問題で実現できなかったものもあります。それらは今後の課題です。

 

 

―リニューアルする際に変えるべきものと、変えてはいけないものはなんですか?

→こちらもやはり子供達に聞くことを大切にしています。子供目線を忘れないこと、子供の感性を知ることが、商品開発を行う上で重要であるからです。何度も子供達の生の声を聞き、私たちが議論を重ねます。その議論の中には、スプーンをなしにしたらどうか?という声がありました。スプーンをなしにすることでコストカットに繋がるからです。しかし、ねるねるねるねはあのキットだけで完結することに意味がある、という価値が大きいことが分かり、スプーンは継続して封入しています。

 

 

―ねるねるねるねは知育菓子Ⓡの1つということですが、そもそも知育菓子Ⓡの明確な定義というものは存在しないのですか?

はい。特に明確な定義は設けていません。例えば、水を使わなきゃいけないというようなものはないです。なぜなら、明確に分けてしまうと固定概念にとらわれてしまうからです。強いて挙げるならば、自分で作らなければ食べられないこと!これが唯一の定義ですね!教育において重要なことは、子供達の「自己肯定感を高めること」です。そして、ねるねるねるねを始めとして知育菓子Ⓡは、その過程に「自分で作って、お菓子が完成して、最後に食べられる」という達成感があります。その達成感が重要なんです。ですから、知育菓子Ⓡの定義は自分で作らなければ食べられないこと。ただその1点だけです!

  

 

 

クラシエフーズが製造している知育菓子Ⓡ全22種類。本当にバラエティに富んでいて、見ているだけでわくわくします!ねるねるねるねは対象年齢が3~4歳で、知育菓子Ⓡのエントリー商品という位置付け。対して他の知育菓子Ⓡは5~6歳を対象としています。

 

 

―知育菓子Ⓡねるねるねるねが、今後目指していくものを教えてください!

現在手作り菓子における国内シェア率は約8割です。私たちはおかし業界の中での知育菓子Ⓡのシェアを増やしていきたいです。また、世界に市場を広げていくことも重要だと考えていて、近年ねるねるねるねの海外輸出を始めました。海外では「子供のためにこれほど考えているお菓子があるなんて!すごい!!」と驚かれ、海外の人からの反応もいいので、今後知育菓子Ⓡを日本を代表するお菓子にしていきたいです!


↑現在販売されているねるねるねるね全5種類。筆者のお気に入りはぶどう味のものですが、今回感動したものは「謎解きねるねる」。謎を解かなければ、先に進めないだけでなく、間違えてしまったら違う色のねるねるができてしまうんです!そして筆者が一番感動したポイントは最後。失敗してもおいしく食べられる工夫があるんです!「失敗=食べられない」の常識を覆していて、本当に驚くと同時に、子供達のことを真剣に想って作られた商品ならではの工夫だと感じました。

 

 

―最後に、大学生に向けたメッセージをお願いします!

様々なことに興味を持つために、まずは視野を広げてほしいです。1つの商品にもいろんな職種が携わっています。例えば、ねるねるねるね1つとっても、商品開発をする人、マーケティングをする人、営業で実際に売る人など、本当に多くの人が携わって初めて、みなさんの手元に商品は届けられるんです。視野を広げることで見える世界があるので、自分の専攻に縛られず見てみて欲しいです。

 

―貴重なお話を聞かせて頂き、ありがとうございました!

 

編集後記

子供のころから大ファンである、「ねるねるねるね」に関する取材ができて感無量だった。誕生秘話まで聞くことができた。また、夏休みに向けたリニューアル直後の時期に取材できたことで、ロングセラー商品をリニューアルする際のリスクや難しさの生の声を聞くことができた。今までは「ねるねるねるね」の商品そのものが好きという理由だけで、購入していたが、今回リニューアルする際の背景などもお聞きすることができ、今後購入する際には毎度今回の取材を思い返すだろうと感じた。

 

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