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シリーズ アメリカの大学③ リベラルアーツカレッジ

 今回は、アメリカ特有の大学の形態であるリベラルアーツカレッジについて書きます。実はみなさんが名前をご存知の大学(ハーバード大学・コロンビア大学・スタンフォード大学・マサチューセッツ工科大学などなど)はおそらくほぼ全て、リベラルアーツカレッジとは別の総合大学というくくりに入っています。東大・京大を含めた日本のトップスクールも総じて総合大学です。つまり、みなさんがまだご存知ない魅力ある大学群がアメリカには存在するのです。以下で詳しく、リベラルアーツカレッジについて語っていきたいと思います!

 

 

リベラルアー…何だって?

 リベラルアーツカレッジです。日本の一般的な大学と同じ4年制大学であり、卒業すれば日本の大学の卒業生と同じ学士号をもらうことができます。では何が東大やハーバード大学と異なるのか、それは主に重視している事柄大学の規模です。

 

 

 まず、リベラルアーツカレッジは何を重視しているのか。それは、圧倒的に学部教育です。これには違和感を感じる人がいるかもしれません。日本の大学だって学部教育をしているはずですし、もちろん相応に考えられたカリキュラムを提供しています。でも、日本の大学、それも旧帝国大学などのトップ大学は、研究にも比較的比重が置かれますよね。例えばノーベル賞を受賞したりする教授も東大・京大で研究をしています。これはハーバード大学なども同じです。一方でリベラルアーツカレッジは、研究にはあまり重点を置いていません。この結果、最先端の研究をする機会は学生に提供しづらくなったり、大学の知名度が低くなったりと色々マイナスの面もあるのですが、その分学部教育への熱心さは圧倒的です。

 

 しかも、多くのリベラルアーツカレッジは大学院を併設していません。これは、教授が大学院生の指導にほとんど時間と労力を使っていないということを意味します。つまり、リベラルアーツカレッジでは、教授に頻繁に学業面のアドバイスをもらったり、教授と深い人間関係を構築したりしやすいということになります。

 

 では、大学の規模はどうなのか。東京大学の1学年入学者は約3000人。退学や編入などがそこまで多くないことを考えると各学年およそこのくらいの生徒が東大で学んでいることになります。リベラルアーツカレッジは、一般的に、全体の生徒数が3000人以下です。僕のいくアマースト大学は1学年500人に満たないことがほとんどで、徹底した少人数制の教育が展開されています。まだ行ってない段階なので実体験で言えることは少ないですが、データ上ではアマースト大学の8割以上の授業は30人以下のようです。ちなみに東大では一部の授業において100人以上の生徒が講義を受けていたりします。この違いは極めて大きく、リベラルアーツカレッジでは授業中の発言が成績に直結することも珍しくないようです。

 

中西部屈指の名門リベラルアーツカレッジ カールトン大学

 

 

リベラルアーツカレッジに行くには?

 リベラルアーツカレッジも大学ですから、もちろん1年生から入るのが一般的です。特に名門校ほど1年生で入ったら編入しないで卒業まで同じ大学にいる生徒は多くなります。ですが、皆さんの多くは大学生ですので、今更1年生として入学し直すわけにもいかない方も多いでしょう。ですので、僕が知っているリベラルアーツカレッジの行き方をいくつか紹介します。興味があったら調べてみてください!

 

① 編入する

 

シンプルでわかりやすい入り方の一つですが、ハードルは高いと思います。もちろん、不可能ではありませんし、何より卒業証書を世界トップ級の大学からもらえるという大きなメリットがあります。しかしながら、当然東大・京大を上回るレベルのカレッジを狙うとなると、卓越した能力が必要となりますし、合格率は消費税より低い場合もままあります。しかも、編入生用の奨学金は日本であまり発達していないのが現状です。唯一僕が知っている最高レベルの奨学金は、内村鑑三スカラーシップです。内容としては、学費相当額(食費と寮費を含む)を2年間支給し、アマースト大学での学位所得を支援するようです。

 

 個人的にアマースト大には高2の頃から憧れており、アメリカの大学を新1年生として受験する前は絶対チャレンジしてみようと思っていた奨学金です。アマースト大学は(自分が行くから贔屓しているわけではありません)、人気・財務基盤・教育水準・入学難易度全てにおいて傑出しています。少しでも興味があるならTOEFLについて調べるなり、親と相談するなり何らかの行動を起こしてみることをお勧めします。

 

 

 

 この他にも何らかの方法で奨学金を得ることは不可能ではありません。もし、海外大の学位が欲しいのであれば、チャレンジしてみると良いのではないでしょうか。1つだけ注意しておくことがあるとすれば、単位です。アメリカの大学において卒業に必要な120単位のうち、60単位までは他のどの大学でとっても良いことになっています。逆に言えば、日本で100単位とっても60単位までしかアメリカでは使えません。さらに、分野次第で単位が認められるかどうかが変わることもあります。日本の大学の方が進んでいる分野ならより認められやすくなるようです。ここは僕も全く経験がないので何とも言えませんが、とにかく慎重に検討してください。特に、卒業時の成績平均にも関わる可能性があり、それはのちに大学院進学などにも非常に重要になってくる部分だからです。

 

 

② 交換留学  

 例えば、東京大学とスワースモア大学とは協定があり、留学できることになっているようです。スワースモア大学とは、トップ級のリベラルアーツカレッジとして全米に名が知られている大学の1つです。このような留学形態の場合、学位が取れない分費用は安く済む場合があります。なぜなら、留学先の大学の授業料ではなく、現在在籍している大学の授業料と、渡航関係の費用のみを支払えばよい場合があるからです。ただ、明確なデメリットとしては、交換留学協定がなければできないやり方だということです。東大はアマーストとは協定を持っていませんから、交換留学はおそらく不可能です。

北東部の名門校 スワースモア大学

 

 しかし逆に考えれば、一つでもリベラルアーツカレッジが交換留学先に入っていれば実現の可能性はあります。特にリベラルアーツカレッジの場合名前は知られていなくとも教育水準は高い、といったこともあり得ます。大学調べの方法は次に説明しますが、調べてみて興味が湧いた大学なら、チャレンジの価値はあります。

 

 

 

大学調べの方法

 ハーバードくらいの知名度の大学だと、調べなくても知っていることはいくつかあるでしょう。卒業生にだれがいるだとか、こんな授業をかつてやっていたとか、ほんのわずかではあるものの情報は流れてきます。しかし、リベラルアーツカレッジだと、全米ナンバー1だろうが情報は全くといっていいほど流れてきません。ということで、ここからは大学のホームページの読み方を、アカデミックな部分に限った形で簡単に説明します。

 

 まず、大学のホームページを開いたら、“Academics”をクリックしましょう。ここには学問系の情報がほぼ全て乗っています。あとは、“Department of Studies”などと書かれているところをクリックすれば各学問分野の専門ページを閲覧できます。一つ注意することがあるとすれば、アメリカは日本と違い、学問分野ごとに自由に授業をとらせて、専攻科目としての要件(単位数など)を満たさせるという形態で卒業させていきます。ですので、このページから各分野のサイトを見ていくことになります。個人的には、まずここから教授の一覧を見てしまい、先に教授の専門分野を確認することをお勧めします。授業よりもはるかに数が少ないことと、授業について調べるのが難しいことが理由です。さらに、興味のある分野の専門家がいない場合、たとえその分野についての授業があったとしても、他の授業に比べてクオリティが落ちてしまう可能性は否定できません。

 

 

 授業についてですが、一般に各学期に開講されている授業の一覧が出てくることが多いのですが、それだと中々全ての授業を俯瞰できません。ですから、Course Catalogをサイト内検索で最初に探して、そこから授業を探すことをお勧めします。もちろん、ここには受講者の数が少なすぎるといった理由で開かれづらい授業も含まれますが、授業自体がいつ開かれるのかはこのカタログで大抵調べられますので問題ありません。

 

 

 ちなみに、Social Psychologyが社会学と心理学のどちらの部門に含まれているのか、StatisticsはMathematicsと分かれているのか、など大学によって異なる部分も出てきます。これらの影響で多少調べにくいこともあると思いますが、基本的にサイト内検索をすれば目的の授業にありつける場合が多いです。

 

 

まとめ

 いかがでしたか?実は良質で密度の濃い教育を展開している知られざる小規模大学について、ご理解いただけましたでしょうか?アメリカの大学といっても形は様々。きっと各個人にあった教育機関があるはずです。興味が湧いた方は、いつでも質問ください。待っています!

 

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