最近、よく聞かれるようになったSDGs。「聞いたことがあるけど、よく意味がわからない」「知っているけど、なぜこれほど注目されているのか疑問」「私には直接関係ない」という方は、SDGsの現状について知っていただきたい!
事実、日本政府のみならず世界の多くの国々がこの取り組みを具体的に進めています。また、この目標はビジネスとしての価値も生み出しており、多くの企業がこの取り組みに関心を向けています。経営理念としてSGDsを掲げている企業も年々増加しています。
つまり、SDGsを知ることは、世界や日本政府の動きだけでなく、企業を通した日本社会の動きをつかむことだと言えるでしょう。知っていて決して損はありません!ここでは、SDGsについての最低限の知識と、なぜここまで企業に注目されるのかということを紹介していきます。
目次
1、SDGsとは?
目的・経緯
SGDsとは、「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。2015年の国連サミットにおいて採択された目標で、世界193カ国が2016年〜2030年の15年間で達成するために掲げられました。
以前は2001年〜2015年までの「ミレニアム開発目標(MDGs)」が掲げられていました。しかしこれには、主に先進国の、途上国に対する押し付けという問題点もあり、今回大きく改善されました。
内容
SDGsには17つの項目があります。これらは開発途上国の支援だけでなく、先進国で見られる格差などの問題、さらには一国では解決できないグローバルな問題にも焦点が当てられています。SDGsの特徴として、定期的に目標の達成度について報告がされることが挙げられます。そのために17つのゴールがさらに169ターゲットへと細かく分けられ、具体的な行動目標として挙げられています。
例えば、「1、貧困をなくそう」では7つのターゲットがあり、「1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」などがあります。
2、SDGsの活用例
SDGsは国連サミットにて採択された目標ですが、国連だけが目標達成に向けて頑張るのではなく、各国の政府が、そしてまた企業やNGOなどが取り組むための枠組みにもなっています。現在では数え切れないほどの素晴らしい取り組みがなされていますが、ここではその中のいくつかを紹介します。
国の取り組み
日本は地震や台風などの自然災害に頻繁にさらされている国として、国際的な防災の取り組みに積極的に関わっています。2015年3月には、日本をホスト国として国連防災世界会議が仙台で開催されました。ここでは、世界183カ国、延べ15万人以上が参加した過去最大級の会議となり、「仙台防災枠組2015-2030」が採択されました。防災に対する国際的指針作りにリーダーシップを発揮したと言えます。
その他にも、政府の指針としてSDGsは度々登場する用語ですし、日本はSDGs関連の事業に、日本円にして約4000億円もの投資をすると公表しています。
企業の取り組み
SGDsは国の目標だけでなく、一企業の目標にもなっています。会宝産業株式会社では、2017年からマレーシアの政府高官・大学教授・リサイクル業者を招き、自動車リサイクル研修を行っています。マレーシアでは、放置された自動車の処理が適切に行われておらず、土壌汚染や投棄・野焼きによる環境汚染が深刻な問題となっていました。会宝産業株式会社はこの取り組みによって、外務省が選ぶ「ジャパンSDGsアワード2018」の副本部長賞を受賞しています。
3、なぜ企業にとって重要なのか?
SDGsを企業の指針にするメリットは主に2点あります。
一つは、企業のイメージアップにつなげるためです。ここまで見てきたように、SDGsは政府からも企業からも注目されており、一種の「ブランド」となっているのです。SDGsとして企業の取り組みをアピールすることによって、「この企業は環境に配慮した企業」や「格差の是正に力を入れている」など、特に消費者や就活生からの注目を集めることができるのです。実際、企業のCSR担当者の認知度は2016年の時点で84%にも達しています。
二つ目は、投資に繋がるということです。近年、投資家の間でESG投資が注目を集めています。ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行う投資のことです。この投資によって日本円にして数百億円が投資され、また世界中の銀行を動かすような事例が挙げられているのです。そして、このESG投資の一つのものさしになっているのがSDGsなのです。つまり、SDGsの取り組みを掲げることによって、そのような投資家に目を向けてもらうことができるのです。
SDGsの重要さを学ぶことができたでしょうか?まだSDGsの取り組みは始まったばかりです。認知度はこれからも上がっていき、皆さんも多くの機会で目にすることでしょう。もし新聞の記事や就活などでこの単語を見かけたら、この内容を是非思い出してくださいね!
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