「音楽を聴くのが好き」な皆さん。
アーティストマネージャーのお仕事を覗いてみませんか?
音楽経験がないと、音楽業界への就職はできない?
いいえ、そんなことはありません!「音楽が好き」「人が好き」という気持ちが大切です。
今回は、アーティストマネージャーのお仕事とエンタテインメントビジネスの未来について、株式会社ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングスプロダクション部、竹島健介さんにお話を伺いました!
独特な世界観で若者からの支持を得ている吉澤嘉代子さんなど、人気アーティストを担当されています。
―本日はよろしくお願い致します!
どうぞよろしくお願いします。
目次
アーティストマネージャーのお仕事とは
—普段の仕事内容を教えてください。
「アーティストマネージャー」として、スケジュール管理をはじめ、コンサート制作やファンクラブ運営、CDリリースに向けた音楽制作のコーディネートなど、アーティストの活動全般に携わっております。
また、1年間のスケジュールに限らず、数年後のイメージもアーティストと話し合って進めていきます。
—担当しているアーティストについて、ご紹介をお願いいたします!
吉澤嘉代子
2014年にメジャーデビューをして、まさに今「ブレイク直前」のアーティストです。
独自の個性・世界観が、着々と世の中に広がってきているなあと感じています。
今年の春に全国ツアーを開催します。東京は、3月に人見記念講堂で行います。
—担当アーティストはどのように決まるのですか?
私の場合は会社側から打診があり、受けさせて頂いたのが始まりですが、
以前から「個性豊かないいアーティストだな。」と思っていてライブも何度か見ていましたので、担当の引継ぎなどもスムーズでした。
―アーティストとの関係性について教えて下さい。
これ、といった正解がないのですが、大切なのは「信頼感」と「緊張感」だと思っています。
お互いの性格をわかった上で「信頼感」がないと、それぞれに任せあう事は成立しません。同時に、ビジネスの側面も前提としてありますから、目標や、ゴールイメージを共有して進めることが大切だと思います。
ともあれ、マネージャーは担当アーティストの魅力を誰よりもわかっていて、そして、その魅力を伝える「言葉」をもっていたいなと思います。
未来の音楽業界
—音楽業界を志望した経緯を教えてください。
元々は、音楽制作をやりたくて志望しました。子どもの頃にピアノやバイオリンを習っていまして、大学生時代はバンドを組んでライブハウスで活動していました。
将来も、何かしらの形で音楽に携わっていきたいと思っていましたね。
―アーティストマネージャーには、どんな人が向いていると思いますか?音楽経験は必要ですか?
やる気と根気があることはもちろん、「謙虚な気持ちを忘れない」ことが大切だと思います。表に立つアーティストを輝かせる為に、裏側での色々な面での気遣いが、お客様にも伝わると思っています。
マネージャーに求められる資質は、時代によっても変わるかもしれません。
私自身も正解は常に探している状態ですが、昨今はWEBメディアやSNSの普及により、お客様にダイレクトにメッセージを伝えられることができるようになりました。
どういうメッセージを世の中に発信していくべきなのかなど、アーティストと共に話し合ってすすめていく必要があります。
音楽経験はなくても、「人」と一緒に何かをつくりあげることが好きだったら何とかなると思います。アーティストの性質にもよると思いますが、一緒に音楽の事を深く語りあう役目の人、現場の空気を盛りあげられる人。スタッフの個性もそれぞれだと思います。
私の場合、大学時代にバンドをやっていた時も、何となく運営側のポジションでした。
ライブハウス側とのやりとりですとか、また、自分でイベントを企画したり、調整的な役回りでした。ちなみに大学のバンドサークルでは会計担当でした。(笑)
―働いていて、どんな時にやりがいを感じますか?
「曲が生まれる瞬間に立ち会える」時と、「コンサートで、アーティストのパフォーマンスにお客さんが感動してくれている姿を見る」時です。
曲が生まれてから、それをお客さんがCDやラジオ・テレビなどを通じて聞き、コンサートの現場で盛り上がるところまで、ずっと携わることができるのはありがたいですね。
—これからの音楽業界について、どんな点に可能性を感じていますか。
2点あります。まずは、新しい音楽ジャンルは、技術の進歩とともに生まれてきていますよね。
例えばエレキギターの発明でロックがブームになり、初音ミクの誕生でボーカロイドを使った音楽流行ったり…。これからは、AI技術が発達することでどんな音楽が生まれるか。興味があります。
次に、音楽には世の中を映す鏡のような側面がある点です。良くないニュースが多ければ応援歌が流行ったり、オリンピックに向けてはお祭り的な曲が増えたり…。ですから、東京オリンピック後に、世の中のムードがどうなって、どんな曲がヒットするのか気になっています。お祭りの後は、内省的で落ち着いた音楽が流行るのかな、と予想しています。
—最後に、ガクセイ基地の読者へメッセージをお願いします!
「自分にとって楽しいことが何なのか」「その環境をどうやって作っていくか」ということを追求していくと良いのではないでしょうか。その中に、人や社会との接点が出てくると思います。若い皆さんには可能性がたくさんあるので羨ましいです。
また、「信頼の時代」と言われています。選択肢がたくさんある世の中だからこそ、見極める力をつけて、人との信頼関係を築けたらいいですね。自分が心から楽しいことを見つけてること、そして、皆さん自身の生活が充実したものになることを願っています。
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