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一生モノの伝統産業品を子どもたちへ/ 株式会社 和える(0から6歳の伝統ブランドaeru)

突然ですが、皆さん周りを見回してみてください。そこに伝統産業品はありますか?多くの人は、ノーと答えるでしょう。伝統産業が縮小しつつあるといわれている中で、「日本伝統×赤ちゃん・子供」といったた新たな視点で事業を展開する、株式会社 ー和える(0から6歳の伝統ブランドaeru)という会社があります。今回は、東京直営店「aeru meguro 」ホストマザー(店長)の森さんにお話を聞きました!

 

−本日はよろしくお願いします。和えるの事業内容を教えてください。

私たちは、伝統を次世代へつなぐ仕組みづくりをしています。その中で最初に生まれた事業が、「日本の伝統×赤ちゃん・子どもたち」という視点で、日本全国の伝統産業の職人さんと共に、伝統技術を活かした赤ちゃん・子どもの頃から大人になっても使えるオリジナルの日用品を企画・開発・販売する”0から6歳までの伝統ブランドaeru”事業です。小売業の1つに捉えがちですが、私たちの最大の目的は(ジャーナリストのように日本の)伝統を伝えること。モノを通じて伝えることも、私たちはジャーナリズムの一つだと考えており、この想いで様々な事業にもにも挑戦しています。

 

−なぜ子どもに注目されたのでしょうか。

伝統をつないでくために、どのようにして伝えればいいのかを考え、受性豊かな子どもたちが、本物に触れられる環境を作るお手伝いができたら良いのではないかという結論に至りました。そ子どもたちが生まれたとき多くの方は贈り物を選びます。その後出産祝いとして「日本を贈る」ことができれば、お子さんはもちろん、周りの大人たちにとっても自国の文化や産業に目を向ける機会を生み出し、日本の魅力を知ることができる環境が生まれるのではないかと考え、0か6歳向けの伝統ブランドを立ち上げました。

 

−会社名 和える(aeru)に込められた思いを教えてください。

“和える”とは、異なるものが形を残しながらも1つになることを指します。現代の感性と先人の智慧が、互いの良いところを引き出しあいながら一つになることで、より魅力的な新たなものを次世代につないでいきたいという想いが込められています。

−なるほど!森さんの仕事内容について伺いたいのですが、まずホストマザーとはどういう意味なのでしょうか。

「和える」の代表が会社を立ち上げる際、「これからあなたは、会社という子どもを育む母親になるのと同じ」という言葉に共感しました。会社は法人格といわれるように、人間の他に人格を持つ唯一の存在であることを、法学部の授業で学んだ代表の気づきをきっかけに、私たちは自身の会社を和えるくんと呼び、東京直営店を和えるくんのお家、京都直営店は和えるくんのおじいちゃん・おばあちゃんのお家、というテーマで作りました。そこで皆さまをお迎えする私は、和えるくんの自宅に遊びにくる方を受け入れさせていただく、ホストファミリーのお母さん=ホストマザーという意味です。ただし、少々分かりにくいので、ホストマザーの後に「(店長)」と表記しています(笑)。

 

−では森さんの仕事内容を教えてください。

直営店でお客様をお迎えすることに加え、日本の伝統に出逢って頂けるような展示やイベントの企画・運営、講演会での登壇など多岐に渡ります。より多くの方に伝統産業に触れていただける機会になりたいという想いで、様々なイベントを「aeru meguro」で行っています。例えば、職人さんが手作りしたaeruの『佐賀県から有田焼のはじめてのお茶碗』や『石川県からの漆塗りのはじめてのお箸』などを使った「aeruのはじめてシリーズで、日本の食事の所作を学ぼう!」というイベントは毎月開催しています。”aeru school”という事業として、お子さんから大人の方までご参加いただいています。

−はじめから伝統産業に興味はあったのですか。

私は実は全く知りませんでした。友人の紹介で「aeru meguro」のホストマザー(店長)を探していると知り、展示会に行った際に、”0から6歳の伝統ブランド”に一目惚れしたのがはじまりです。どれも知らないものばかりで、だからこそ伝統産業が自分にとっては新しいものに見え、魅力を感じました。人とお話しすることが大好きなので、現地を訪ね職人さんから学ばせていただいたことを元に、その魅力を伝えることに、やりがいを感じています。

 

−aeruブランドの魅力を教えてください。

大事な幼少期・赤ちゃん子どもたちとその家族の暮らしを、より感性豊かにするお手伝いができるものをお届けしていることです。私たちが実際に職人さんと出逢い、「日本の伝統を次世代につなぎたい」という同じ想いを持った職人さんと真心を込めて一つひとつ企画・開発しています。伝統産業の技術を活かしながら、人々に日常に寄り添っていきたいです。

 

−ぜひ商品紹介をお願いします!

”0から6歳の伝統ブランドaeru”の第一号の商品である『徳島県から本藍染の出産祝いセット』(産着・タオル・靴下の3点セット)をご紹介します。日本に生まれてきてくれた赤ちゃんを、日本の“あい”(愛・藍)でお出迎えするというコンセプトを持つこの商品は、オーガニックコットンを「天然灰汁発酵建て」という化学染料を一切使わない伝統的な技法で染めあげています。

−出産祝いセットは、子どもの頃しか使えないのではないですか。

確かに、産着などは小さい頃にしか着ることができません。しかしながら、桐箱に入れてお渡ししているので、「二度贈る贈り物」なのです。産着や親子手帳、産着を着ているお写真などをこの桐箱に入れて、成人式や結婚式の際に「二度贈る贈り物」として成長されたお子さんに渡していただくことを提案しています。また、靴下はクリスマスツリーに飾ってくださったり、タオルは幼稚園・保育園に持ってくださりしています。

 

−それは素敵ですね!では、aeruブランドの今後の目標を教えてください。

様々な「伝統×◯◯」という視点で、10以上の事業を展開していくこと目指し、それそれの事業が機能し合うことで、様々な日本の伝統との出逢いを生み出していきたいと考えています。「aeru meguro」 では、各事業の入り口として、より深い出逢いを生み出していけるような企画を今後も作っていきたいと思っています。

 

−今後の伝統産業の未来はどのようにお考えですか

職人さんの平均年齢の高さや原材料の高騰など、課題があるのも確かです。しかしながら、暗いことばかりではないと思います!20〜30代の職人さんも増えており、「職人になりたい」という声も耳にします。伝統産業への興味・関心も高まっている中で、職人さんが「お仕事として」成り立つように、出口を生み出すことが必要なのではないでしょうか。物質的に豊かになっている日本社会において、こだわりのモノ・自分だけのモノを持ちたいと感じている同世代も多くなってきていると感じますしね。だからこそ、職人さんの技や想いが込められたホンモノを伝えることで、現時点で「知らないが故に、選ばれていない」伝統産業品が身近になっていると感じています。

 

−最後に、大学生に向けてアドバイス・メッセージをお願いします!!

好奇心旺盛に、ぜひ素直な心でご自身の好きなことに挑戦してみてください。私も何かを始めるときに考えるのは、そのことが「三方良し」(自分・相手・社会全てに良い影響をもたらすこと)かどうかです。みなさんも、何か行動に移される際は、「三方良し」かどうかを考えてみると新たな視点が生まれるかもしれませんね。

−森さん、ありがとうございました!

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gakuseikichi

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