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ガクセイ基地OBの異端児をご紹介!〜建設業界を駆ける先輩〜

ガクセイ基地」は2011年の10月末に立ち上がり、今年7周年を迎えました。

 

その間たくさんの大学生が「ガクセイ基地」に加わり、卒業し、私たち現役メンバーの尊敬するOB・OGとなっていきます

 

今回はOBの中でも特殊な経歴を持つO先輩(仮名)をOB訪問し、建設業界(特にアトリエ系設計事務所)について伺ってきました!

Oさんは「ガクセイ基地」設立初期の頃にデザイナーとしてガクセイ基地に所属していました。

 

学生時代には「ガクセイ基地」での活動だけでなく、

同時に数々の設計事務所でバイトをし、

武蔵野美術大学 建築学科卒業後、

大学の特任研究員として2年半、

アトリエ系建築設計事務所に1年半所属し、

現在は組織系建築設計事務所に勤めています。

 

Oさんは自分の「好き」を追うために建設業界を駆けつづけています

 

-本日はよろしくお願いします!早速ですが、事務所内での役割を教えてださい。

設計スタッフです。図面を書いたり、模型を作ったり、打ち合わせ用の資料を制作したり。

でもアトリエ系設計事務所では経理以外はなんでもやっていたかな。なんといってもスタッフの人数自体が15人ぐらいの少人数だったから。

-アトリエ系設計事務所ではどんなものを設計していましたか?

 僕がやっていたのは、商業施設や展示スペースとか。コンペも多かったから、設計するものも幅が広かったよ。

コンペ(建築設計コンペ)
公共建築物などの設計を複数の設計事務所の設計案の中から選ぶための設計競技。

 

-建築設計はなにもない状態から建物を作り出す仕事ですが、どうやって常に新しい発想を得ていますか?

 何もないわけじゃないよ。どの案件にも予算や敷地などいろいろな条件があるから、まずはそれらの情報の調査やスタディから始める。現地に行って、その地域のコミュニティ、敷地の特性をみてから考えてる。模型でのスタディでは、ボリューム模型や部分的な模型などプロジェクトやフェーズによってたくさんのことをスタディしているよ。あとは当たり前だけどクライアントの要望、コンセプトとかもあればそこから考えたり。

スタディ
設計を行う際に設計内容を確認するために行われるもの。一般的には模型でのスタディを示すが、3Dモデルや手書きのパースなどスタディ方法は様々である。
ボリューム模型
建築的なディテールを除いた模型。建物のボリュームを、スケール感を踏まえて検討するための模型。

 

-クライアントへのプレゼンテーションはどのように行われていますか?やはり今の時代ではアニメーションなどが取り入れられているのでしょうか?

 僕の場合は、検討段階では図面と模型をメインに使ってプレゼンしていたよ。模型の精度も200分の1から5分の1など案件の規模に合わせて作るって感じかな。僕が働いていた事務所ではアニメーションはなかったよ。最終段階、またはインテリアのプロジェクトではCGパースがたまにあったぐらい。でもアニメーションを取り入れている事務所もあると思うよ。

CGパース(Computer Graphic Perspective)
直訳はコンピューター映像による透視図法。完成予定の建物をコンピューターで3次元的に再現する方法。

 

-Oさんは美術大学卒業後、総合大学の特任研究員、アトリエ系建築設計事務所そして今は組織系建築設計事務所と色んなところに勤めてきましたが、どのような経緯なんですか?

 実は大学院を目指していて大学院浪人もしたんだけど落ちちゃって。そのあと、就職活動を始めようとしていた時に大学院を受験した先生からお誘いを受けて研究員として設計をしていました。もっといろいろな規模や用途の建築に携わりたいと思って、2年半で大学をやめてアトリエ系建築設計事務所に転職しました。

-どうしてアトリエ系設計事務所を選択したのですか?

 アトリエ系に入った理由は、いろいろな種類の建築に関わる経験を多く積みたかったから。そして入所後は希望通りのプロジェクトを担当できたからよかった。ただ、僕自身は住宅や改修ではなく新築に関わりたかったんだけど、僕の勤めた事務所には新築のオフィスや商業施設の依頼があまりなくて。そして、そのような案件に関わるために勤めていたアトリエ系の事務所を辞めてまた転職しました(笑)。今の組織系設計事務所では興味のあった新築を手がけているので希望通り働けていると思う。

-なるほど。でも組織系設計事務所での案件は数人で担当するので自由度が低いのではないでしょうか?

 プロジェクトの担当が自分一人ではなくなるから、たまに「自分で決めたい」って思うけど、アトリエ系のときだって代表と一緒に検討していたし、今は一緒に検討する人数が増えて、それもいい経験になっているよ。

-建築家になった今…

 僕実は建築家じゃないんです。まだ資格も持ってなくて(笑)。

資格(建築士資格)
一級建築士は四年制大学の建築学科を卒業後、2年以上の実務を経験するなどで受験資格を取得し、受験可能なら資格。取得後は住宅だけでなくスタジアムなど規模の大きい設計も可能。

二級建築士は四年制大卒なら実務経験なしに受験可能な資格。住宅規模の建築物などが設計可能。

 

-え!?そうなんですか?

 はい(笑)。実務経験は終わったので一応試験は受けられるんですけど、忙しすぎて受けてないんです。いつかは受けないといけないんですけど。今は「設計スタッフ」であってまだ「建築家」ではないです(笑)。

-意外です。二級建築士とかも取っていないんですか?

 二級も取ってないです。今の事務所の人はあまり二級取ってないです。取っても今勤めている組織系設計事務所にとってはあまり意味がないので。やはり一級ですね。逆に住宅系をやっている人にとっては二級を持つ意味があると思います。

-事務所内で資格取得のためのサポートなどはなかったのですか?

 申告すれば勤務時間を減らしてくれたりするけど、忙しいし今はまだあまり受ける気もないのでそのまま働いてます。

-組織系設計事務所に勤めている今、振り返ってアトリエ系設計事務所で働くことの苦労と魅力はありましたか?

 一般企業と比較すると給料は少なく、労働時間も長い場合が多いです。また、大きい規模の設計事務所だったら何人も上司がいるのかもしれないけど、通常のアトリエ系設計事務所は上司が一人、二人しかいないので、その上司とのコミュニケーションは大切だと思う。

 魅力はやっぱり、短い期間でプロジェクトができることと、入社1、2年目でも打ち合わせも含め常に現場にいられることかな。お客さんの顔もわからない作業ばかりではなく、お客さんと話をすることもできる。規模が大きくなく、期間も短いので色んな案件を担当できたのも魅力ですね。

-自分が建築家を目指していた頃のイメージと現実は一致していますか?

 いや、全てはあってないかな。建物を建てるのに意外とお金とか、スケジュールとか、「調整」がかなり多いことを学生のころは知らなかったですね。もっとデザインだけやってればいいと思ってました。打ち合わせも多いですし 、予算に合わせ、予算を上回っているときには「もっと安くするにはどうすればいいか」を考えないといけないし…でも良いギャップもあります。完成した時の楽しさや嬉しさは学生の時とは比べ物にならないくらい素晴らしい体験です。

-学生の頃やってよかったこと、やればよかったことはありますか?

 学生の頃結構いろんなところでアルバイトをしていて、インテリアのアトリエ系設計事務所や、建築のアトリエ系設計事務所、ゼネコンにも行っていた。そのアルバイトのおかげでなんとなく、各事務所がどういうことをやっているのか知れたのはよかったかな。

 たくさん旅行をしていろんな建築を見に行かなかったことはちょっと後悔してる。特に海外。教科書に出てくるような名建築だけでもいいから学生のうちに見に行った方がいいよ。働き出したら全然旅行する時間がないから。

-かっこいい大人とはどんな人だと思いますか?

 自分の好きな仕事をしてる人。デザイナーでもなんでもいいけど、自分の仕事に誇りを持っている人。建築家もそうだけど、きつくても仕事を楽しんでいる人。こういう人がかっこいいかはわからないけど、話しを聞いてみたいと思う。

-確かに。私自身自分のやりたいことを常に突き詰めるOさんのお話を聞けて嬉しいです!では最後に建設業界を目指す大学生に向けてメッセージをお願いします!

 建設業界って一括りで言ってもいろんな仕事があるからしっかり自己分析をして選択した方がいいよ。スキル面だけじゃなく、自分のやりたいことも考慮して。業界的にきついという話も聞くし、建築が好きかまだ分からない状態の人は自分から積極的にいろんな建築を見にいって本当に建築が好きかどうか確かめた方がいいよ。

-建設業界の中でも選択を間違えないように自己分析をしっかりと…とても参考になります!ありがとうございました!

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gakuseikichi

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