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営業の4人に1人は海外駐在員!稲畑産業のお仕事とは?

海外に出張したり、駐在して現地で働いたり、とてもかっこよくて憧れますよね!
海外を舞台にビジネスをするといえば、思いつくのが「商社」です。
今回は、化学品を中心に多岐にわたる商材を扱う専門商社である稲畑産業にインタビューに行き、約6年間シンガポールに駐在されていた江川さんにお話を伺いました。
将来、海外でお仕事をしたいと思っている人は必見です!

稲畑産業のグローバルネットワーク

取材に応じてくださった江川さん

 

―よろしくお願いいたします!はじめに江川さんの現在のお仕事について教えていただけますか?
私は合成樹脂第二本部に所属しています。
この部署ではプラスチックパッケージの原料から最終製品までを取り扱っています。
その中でもさらに3つの部門に分かれており、プラスチックの原料を扱う部門、食品パッケージ用などのフィルムを販売する部門、お弁当の容器やコーヒーカップの蓋などの成形品を扱う部門があります。
私はフィルムを販売する部門で関東、東北、北海道エリアを担当しています。

―商社というと海外との取引のイメージがありますが、江川さんの部署もそうなのでしょうか?
実は私の部署はこれまで比較的ドメスティックなマーケットで成り立っており、売り上げも国内市場が90%を占めていました。
しかし、これからは海外市場も広げていく必要があり、まずは市場が伸びている東南アジアで何かビジネスを生み出すという指令を受けて2012年から6年間シンガポールに駐在をしていました。

―これまで国内マーケットが中心だったのに、どうして海外に進出する必要があったのでしょうか?
パッケージの使用量はその国の人口と生活水準とリンクしています。生活水準と人口が上がると、パッケージの使用量も増えます。
これからの日本について考えた時に、生活水準は高いままだと思いますが、人口は確実に減ってくるでしょう。
国内市場の先を見越した時に、海外への進出は必然でした。

―シンガポールではどのようなお仕事をしていましたか?
複数の海外拠点がある中で、シンガポールは東南アジアのヘッドクオーターのような拠点です。
しかしシンガポール自体は、人口が550万人ほどしかおらず、パッケージに関する産業もあまり発展していませんでした。
そこで、東南アジア各国をまわり、一から新規の仕入先や販売先を探したり、どんな商品が売れるのかというマーケティングを行ったりしました。
様々な国の調査を行う事で、どの国で事業を行うのがベストなのかを考えたんです。

―東南アジア全体のことを見ていたんですね!
そうです。当時は、週1でシンガポールから東南アジアの各国に出張していたので、一年で50回くらいは海外出張をしていました。
ただ、私の場合は異例で、基本的には駐在員は駐在国に関連するビジネスに携わることが多いです。

―御社は海外駐在する方は多いのでしょうか?
当社全体の社員数は630人ですが、現在約90人が駐在しています。営業部門は約350人なので、営業の4人に1人が駐在しているんです。
商社では、仕入れ先もお客様も海外にいることが多いので、海外と連携することが当たり前です。
そのため、駐在だけでなく海外出張は営業なら全員が経験することになるかと思います。

海外で仕事をする苦労とやりがい

―先ほどシンガポールでは、あまりフィルム産業が発展していなかったとおっしゃっていましたが、その中でどのように事業を展開したのでしょうか。
当時のシンガポールもそうでしたが、海外ではまだまだ、商品は詰められればいい、という考え方が主流です。
一方で、日本のパッケージはものすごく工夫がされていますよね。開けやすい工夫がなされていたり、こぼれにくくなっていたり…
その日本の技術を前面に出して営業を行いました。

―お仕事での苦労はありましたか?
仕入れ先を確保するのは大変でしたね。当然、海外にも競合となるローカルな商社があります。
彼らには歴史もあり、私ではマンパワーの面でも人脈の面でも、言葉の面でもかないません。
そのため日本の技術で対抗したり、お客様に紹介していただいたりいろいろ工夫をしました。

―それでは文化や生活の違いで苦労したことはありますか?
シンガポールはとにかく過ごしやすく、生活面で苦労したことはあまりないですね。
仕事はもちろん大変ですが、幸い私は駐在生活を存分に楽しむことができました。帰りたくないと思っていたくらいですよ。

―言葉の違いではどうでしょうか?
実は駐在をし始めたころは、私はあまり英語が得意ではありませんでした。
私はシンガポールに行ってから英語の勉強を始めましたが、海外に行ってからその国の言語を勉強するという人は多いですね。
皆それぞれ頑張って、駐在先の言葉を話せるようになって帰ってきますね。

会社がサポートしてくれる語学研修もあるので勉強する環境は整っています。

―海外と日本でのお仕事で大きな違いは何でしょうか。
私の駐在した東南アジアでは、経済が大きく成長しており、仕入れ先も販売先もビジネスに対してとても貪欲です。
新しいことにチャレンジしようとするとき、日本企業に多い面倒な社内決済手続きなどがなく、とにかくスピード感があります。
もう一つ違うことは、日本ではなかなか会えないような立場の人にも会えてしまうところです。
日本ではどちらかというと肩書を重視しますが、海外駐在中は、一営業としてでも社長や工場長などに会うことができました。
そこから広がる人脈の輪も多いですね。

商社マンに求められる力とは

―海外でお仕事をするうえで必要なことを教えてください。
海外で仕事をするときには、その都度スピーディーな判断が求められます。
また、マネージャーとして一つの部門を任されるので、日本にいるときよりも裁量権が大きく自分で考えて動かなければいけません。
根気強さや柔軟性、そして何よりも行動力がある人は向いていると思います。

―それは商社で働くうえで共通して求められることでしょうか。
そうですね。
当社は今年で創業128年目を迎えました。時代の変化に合わせて事業内容もどんどん変化しています。
商売には賞味期限があるので、どんどん新しいことをやっていくというのが商社の業務の一つです。
そのため商社で働く人には主体的に考え行動できる力が求められます。

―江川さんはどうして御社に入社しようと思ったのですか?
もともと商社に入りたくて、就職活動中も商社しか受けませんでした。
その中でも当社に入社したのは、この人と働きたい、この人のようになりたいと思える社員がいたからです。
その人と選考中にお話しする機会もあり、入社後も部署が一緒で、教育係もその社員でした。
まさに縁があったんだと思います。

―それでは最後に就活生に向けてメッセージをいただけますか?
就職することがゴールではないので、まずはいろいろな企業を見て視野を広げること、そして数字だけを重視するのではなく、感性で決めるのも大切だと思います。運命の出会いはきっとありますよ。
私の仕事に関していうと、いろいろな仕事が機械にとって代わられる中で、人対人の営業は必ず残る仕事だと思います。
商社は自社製品を持たず「営業」のみで利益を生み出します。つまり営業の力が最も試される場でもあります。人間的にも成長できるし、仕事も面白いですので、興味がある方はぜひ調べてみてください。

―ありがとうございました!

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gakuseikichi

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