食品業界

おいしい肉をさらにおいしく!エバラ食品「黄金の味」

【ロングセラー商品】シリーズ(第1回)
エバラ食品工業 黄金の味

身近なロングセラー商品をきっかけに「あのメーカー企業に行きたい!」と考える学生は多いですよね。長年愛されているロングセラー商品を常に成長させ続けるには、たゆまぬ努力が求められます。

ガクセイ基地では、そのようなロングセラー商品の担当者の方へ「どのような仕事か?」「どんなやりがいや苦労があるのか?」についてインタビューし、学生に向けてのメッセージも頂きました!   

第1弾は、お家で焼き肉!というシーンには、肉とともに必要不可欠な「たれ」のメーカー。エバラ「黄金の味」は誰もが知っているブランドですが、今後も消費者に親しまれる商品であり続けるために、どのような取り組みをしているのでしょうか? 

今回はマーケティング部 家庭用マーケティング第一課長の小嶋定紘さんにインタビューさせて頂きました!
※社名、インタビュー内容等は、2018年3月時点の取材内容に基づきます。
   

プロフィール
入社17年目。新潟営業所での営業職から情報システム室、経営計画や海外展開戦略を決定する経営企画部を経て現在のマーケティング部門を担当。
学生時代は70人規模のテニスサークルの主将を務めた。
現在の趣味は、子どもと遊ぶこととプランターを用いた家庭菜園で野菜を育てること。

 

【目次】

1.エバラの焼肉のたれ全般をマネジメント
2.「黄金の味」発売以来初となる大幅リニューアルの理由
3.小嶋さん自身の仕事経験
4.エバラ食品工業で働くこととは
5.学生へのメッセージ

エバラの焼肉のたれ全般をマネジメント

本日はよろしくお願いします!それでは、現在の仕事内容から教えてください!

  私はマーケティング部に所属していて、家庭用の焼肉のたれ・ステーキ用ソースなどを担当する課のまとめ役をしています。

  自分たちでは「お肉チーム」と呼んでいて、社内のほぼ全ての部門と関わる仕事です。

  具体的には、商品企画を行う開発部、CMや雑誌等でどのように商品の魅力を伝えていくかを考える販売促進課、お客様のお手元に届けられるようスーパー本部と商談を行う営業部などと協力しながらブランド育成のための戦略を練っています。

 

 

ひとつ気になるのですが、商品開発の試食ではお肉も一緒に食べるのでしょうか?

  もちろん、テスト品を試食する際には、肉と一緒に味見をします。

  焼き肉、生姜焼きからステーキまで肉のフルコースを食べることもあり、よく羨ましいといわれます(笑)

  当社のあるあるネタなのですが、試食の際いつもご飯を炊きすぎてしまい、最後は賄いのようにチャーハンにして食べたりしています。

 

 

お肉チーム、とてもうらやましいです!!
それでは一週間のスケジュールを教えてください!

課のMTG
進捗確認
TVCM撮影  
TVCM撮影
 
新商品開発
MTG
 
新商品
経営プレゼン
 
お休み お休み
新商品開発
MTG
試作メニュー試食
来季調査
計画MTG
新商品
プレゼン
リハーサル
TVCM
制作MTG

  これはいわゆる「マーケティングらしい」仕事が多かった週のスケジュールです。

  1日に様々な打ち合わせを行うこともあれば、他の社員たちとアイデアワークを行ったり、1週間ずっと全国の営業拠点をまわり、営業の方々へ商品説明をしたりする週もあります。

 「黄金の味」発売以来初となる大幅リニューアルの理由

担当している「黄金の味」は、常に改良を重ねているのでしょうか?

  「黄金の味」は昨年、1978年の発売以来初となる大幅なリニューアルを行いました。

  それまでもマイナーチェンジ程度のリニューアルはあったのですが、味の改良や原料、包材からパッケージデザインに至るまで、全てを変更したのは初めてのことでした。

  一番の変化はビンだった包材を「ペットボトル」に変えたことです。軽くて持ちやすく、割れにくいというメリットを生かし、より使いやすくすることを目指しました。

 

なぜ、そのリニューアルを行ったのでしょうか?

  社会環境の変化に対応するためです。
  いま、世間では「肉ブーム」と言われるくらい肉の消費量がすべての世代で拡大し、BBQや肉フェスといった食イベントの普及により肉を食べる機会が増えています。また、霜降り肉に代わって赤身肉が人気となるなど、好まれる肉の種類や部位も変化しています。

  おいしい肉をさらにおいしく食べられるたれとして開発された「黄金の味」ですが、発売から約40年が経って、肉との相性をさらに追求するため、商品全体を見直す必要があると感じたのです。

  また高齢者や共働き世帯が増えたこともきっかけのひとつです。週末にまとめ買いをしたり、仕事帰りに買い物を済ませる人が増えたりすると、ビンなどの重いものを買うことが負担になります。

  このような状況をふまえ、「黄金の味」も時代に合わせて進化しなければならないと考えました。

  「健康な身体づくりには肉が欠かせない」といったように良質なたんぱく質源として肉が注目されてきたことも追い風となり、リニューアルをするには今しかないと決断しました。

 

なるほど、環境への対応が重要なのですね。
競争の激しそうな業界ですが、どのように競合と差別化を図っていくのでしょうか

  今は「焼肉のたれ=エバラ」という評判をいただき、市場シェアのほぼ半分を獲得しています。

  差別化については、他にはない「原料にりんごを3分の1も使ったフルーツベースのたれ」という独自価値の訴求に注力しています。

  CMタレントに「嵐」の相葉雅紀さんを起用し、幅広い年代の方に「黄金の味」が新しくなったことや、おいしさのポイントでもある肉にしっかりとからむ特徴を発信しています。

 

なぜ、CMに嵐の相葉雅紀さんを起用したのでしょうか?

  「黄金の味」の現在のメイン購買層は40~60代くらいが中心となっています。しかし、5年後10年後には、今の10代後半から20代後半の若い世代が家庭で料理をするようになるため、その世代にも今からアプローチをする必要があります。

  嵐はグループとしての人気も高く、相葉さんの人柄は幅広い世代から好感がもたれており、SNS上での情報拡散力も高いため、起用させていただきました。

 

なるほど、CMのタレント起用には深い理由があったのですね!

 

 小嶋さん自身の仕事経験

それでは今の仕事のやりがいを教えてください。

30代ながら、主力商品である「黄金の味」の発売以来初となる大幅リニューアルのプロジェクト責任者を任されたことです。

  私以外にも、原料の製法見直しや味づくり、パッケージデザインについては20代や30代前半の若い世代の社員が担当しました

  会社全体で若い世代に責任ある仕事を任せるという土壌があると思います。もちろん、プレッシャーも大きいですが、責任ある仕事を任せてもらい、自分たちで形にできたことはすごく大きなやりがいにつながっています。

 

逆に苦労しているところを教えてください。

  いかに会社全体を巻き込んでいくかという点です。

  どんなに良い商品や広告を作っても、実際に商品がお店に並ばなければ意味がありません。ましてや主力商品である「黄金の味」のリニューアルを失敗するわけには絶対にいきませんでした。

  目的や意義など社内にしっかりと伝え、理解を得て、全社一丸となって「リニューアルに向けてがんばろう」という雰囲気をつくることに時間をかけました

  何度も全国を回って各営業所に説明をしたり、エバラ食品グループの全管理職が集まる経営方針発表会で協力を呼び掛けたり、社内の方向感を一致させていくのが大変でしたね。

 

仕事をしていて、今まで失敗してしまったこととその教訓はありますか?

  マーケティング部で数年経ったころ、焼肉のたれ市場を拡大させるため、新しい食シーン「朝食に焼き肉を食べよう!」というコンセプトを打ち出しました。

  テレビCMまで投入したのですが、営業をはじめとした社員の半信半疑な気持ちを解消できないまま進めてしまったんです。営業ががんばってくれたおかげで悪い数字にはならなかったのですが、新しい食シーンは定着せず、1年ほどで終了したキャンペーンでした…。

  お客様目線に立った提案、事前に社内の理解を得ることが大切だと痛感しました。この経験は今回の「黄金の味」リニューアルに生かせたのではないかと思います。

 

話は変わりますが、小嶋さんの経歴の中にある情報システム室とはどのような部門ですか?

  情報システムの仕事にもいろいろあるのですが、その時は社内プログラマーのような仕事を担当していました。

  会社の売上実績や経費などを管理するためのシステム開発です。全く知識も経験もない分野だったので、一から勉強して覚えましたね。外部研修に通って、出された課題が全く解けずに毎日居残りしたのを覚えています。

  結局5年間、情報システムに在籍したのですが、「未経験でも努力すれば身に付くものだな」と思いました(笑)ある意味自信につながった経験でしたね。

 エバラ食品工業で働くこととは


それでは「エバラ食品」の職場の雰囲気について教えてください。

  あたたかく、和やかだと思います。知名度のわりには社員数は500名程度と決して多くなく、部署の枠を越えた社員同士のコミュニケーションも活発ですね。

  なので、社員が一丸となれば不可能を可能にするような、ものすごいパワーを生み出せる職場だと感じています。

 

なるほど、団結力の強い社風なのですね!
小嶋さんが普段仕事をするとき、心掛けていることは何でしょうか。

  やっぱり、巻き込むこと。コミュニケーションをとる事ですね。
  マーケティング部はほぼ全社と関わり、社外の方とも協力する機会が多い部署なので、しっかり自分の考えを持って、わかりやすく伝えることを意識しています。

 

新しいマーケティング戦略などチームでアイデアを出すためにこころがけていることはありますか?

  まず、どんな突飛なアイデアであっても、人のアイデアを否定しないというルールにしています。

  意見したいときは、「もっとこうした方がいいよね」というように代替案や改善案を出すようにしています。他にもホワイトボードや付箋をいっぱい使って、わいわいとした雰囲気でアイデアが出やすい環境づくりをしています。

 

なぜ、今の業界を選んで、エバラ食品に就職されたのでしょうか?

  1番は食べることが好きだったからですね。食品や飲料といった身近な商品をお客様にお届けするという仕事に興味があったので、就職活動ではそういった企業を受けました。

  エバラ食品を選んだ理由は、私の地元である横浜の企業ということで親近感があったことと、選考を通じて見えてきた会社の雰囲気の良さにあります。

 

入社前と後で仕事に対する考え方は変わりましたか?

  入社直後は専門分野を極める「プロフェッショナル」のような存在に憧れていましたが、営業やシステム、経営企画等のさまざまな業務を経験したことで、多様な知識や経験を持って今後の仕事に生かす「ゼネラリスト」になりたいと思うようになりました。

 

小嶋さんが思う「職場で活躍する人物像」を教えてください。

  エバラ食品には「冒険、反論、失敗の自由」という3つの自由が行動指針に掲げられています。

  自由な議論や失敗を恐れないチャレンジを常に続けて、他に先駆けた面白さ・オリジナリティを追求している会社です。

  何事にも満足せず「もっと良くするためにはどうすればよいのか?」と、前向きに考え続ける姿勢がある人は成長できるし、周りにも良い影響を与えるのではないでしょうか。

  そして、もちろん食べることが大好きな人ですね。そこに幸せを感じる人でなければ、私たちのような「おいしいものをお客様に届ける」という仕事において、有意義な提案はできないと思います。

 学生へのメッセージ

まずは食品メーカー志望の学生にアドバイスをお願いします!

  面接で「どんなことを言えばよいだろう…」と緊張すると思いますが、自分の思いとやりたいことを伝えきることが大切です。

  個人的な経験ですが、最初は「面接でこんなことを言ったら印象が悪くなるのではないか?」と細かいことばかりを気にしていました。

  しかし、「言わなきゃよかった…」よりも「言えばよかった…」という後悔が大きいことに気づいたんです。そこからは物怖じせず開き直って、自分の考えをしっかり伝えようと意識したことで就活がうまくいき始めたことを覚えています。

 

最後に、大学生全体へのメッセージをお願いします!

  やはり、大学生の期間は「人生の夏休み」と言ってもいいくらい、自由になる時間が多い貴重な期間だと思います。

  当時の自分は勉強もせず、よく遊んだなと考えていましたが、今の私から見れば、もっともっとサークル活動・勉強・アルバイト・海外旅行と遊び尽くせばよかったなと思っています。

  今の学生の時期にしかできない経験も多くあると思いますので、自分の引き出しを増やすためにも、とことん遊ぶのが一番だと思いますよ。

 

小嶋さんありがとうございました!

 

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