サービス/インフラ

「人と街のために」東急電鉄で働く総合職の仕事に迫る!

 多くの大学生が通学・レジャーに利用している「鉄道」。
私達の生活に身近な存在で、就活では不動の人気業界の一つでもあります。

 今回はなんと関東の大手私鉄である「東急電鉄」を取材させて頂きました!
東急電鉄では鉄道事業の他にも、電気の小売事業や仙台空港の運営まで行っているとのこと。

「安定」というイメージが強い鉄道業界ですが、実際はどうなのでしょうか?

 

今まさに鉄道会社の「総合職」で働いている、東急電鉄広報課の加藤千咲さんに伺いました!
※社名、インタビュー内容等は、2017年9月時点の取材内容に基づきます。

目次
 
 

都市開発から保育事業まで行う仕事!?

―本日はよろしくお願いします!
早速ですが、東急電鉄の総合職ではどんな仕事をするのですか?

 まず東急電鉄社員は総合職と鉄道エキスパート職という職種に分かれています。その中で私たち総合職の携わる事業内容は大きく3つに分かれています。

1つ目は鉄道事業で、相互直通運転の推進や、ホームドアの設置、さらに東急線アプリの展開など、あらゆるお客さまが安心安全、快適に利用できる鉄道を目指して様々な事業を行っています。
2つ目は都市開発事業です。渋谷ヒカリエのような商業施設や、マンションや戸建てなどの住宅といったハード面の開発だけでなく、住民の方々や行政と一緒に街全体を盛り上げるイベントの企画やコミュニティの運営といったソフト面の仕事もあります。
3つ目は生活サービス事業です。百貨店やスーパーマーケット、保育事業や電力小売事業など、お客様の生活が、より豊かになるサービスであればまずは検討しよう!というほどの幅広さです。

 他にも仙台国際空港の運営やホテルリゾート、海外事業など幅広い事業を展開し、東急グループならではの価値の提供を目指しています。

 

―総合職は多くの事業に携わっているのですね。
それでは、加藤さんの入社からの経緯を教えてください!

 まず東急グループ全体を理解するための研修を3か月間行いました。東急グループ全体で約220社あり、約40名の私の同期は様々なグループ会社へ配属になりました。
私の場合は、フィットネスクラブやゴルフ場などを運営する「東急スポーツシステム」での研修後、半年間駅員業務に携わりました。

 「東急電鉄は東急グループ全体の方向性を示して引っ張っていく」役割も担うため、総合職で入社するとしっかり現場を学ぶ意味で、1年近くが研修期間でした。研修での経験からは、現場業務の重要性を身をもって実感し、そこで働く方々への感謝の気持ちが生まれました。

  その後の本配属では、「東急ストア」というスーパーマーケットなどを展開するグループ会社に出向しました。そこで1年勤めたあと、2年間の採用担当を経て、今年の2月から広報部で報道を担当をしています。

 

―加藤さんもやはり、様々な業務を経験されているのですね。
現在の広報部ではどんな仕事をしていますか?

 普段はニュースリリースを書いたり、メディア向けイベントを企画したり、各メディアとの番組・記事の相談をしたりします。より良い露出や有事に備える意味で、記者の方と良好な関係を築いておく必要もありますね。

広報は、事業や会社の魅力を的確に伝える一種の営業だと思っています

 あとはびっくりされるかもしれないですが、毎朝、3~4紙新聞を読んでいます。役員や各事業部に、東急グループ・業界・地域などで何が起こっているかをお伝えする目的です。また、新聞を読むことは記者の方が何に注目しているのか知るチャンスです。記者の方の興味を把握して、関連することをご案内することでまた新たな露出に繋げることもできます。

―入社前と後で、考えと違ったことはありますか?

 鉄道会社は「安定」のイメージが強いようですが、当社ではどんどん新しいことをやろうという風潮が強いですね。

 最近の事例では、社内起業家育成制度という制度を利用して、「サテライトシェアオフィス事業」が立ち上がっています。こちらは、主に都心に本社をお持ちの企業の社員さんが、本社以外で仕事ができる環境を整えた拠点を多数作ることで、移動時間の短縮による時間の有効活用、ラッシュ時間帯出社の回避、業務効率化、子育てや介護との両立を可能にするなど、新たな働き方をご提案するものです。契約企業さまにとっては、社員数増加に伴い不足したオフィス床面積の補充の役割も担います。

「オフィス事業」と聞くと鉄道事業との関連性をなかなか想像しづらいかと思うのですが、ラッシュ時間帯に自宅近くのサテライトシェアオフィスで仕事をして、時間をずらして本社に出勤、というような働き方の選択肢が生まれることで、実は通勤ラッシュの緩和にも繋がります。

 つまりこのように当社の事業では、1つの事業が沿線をご利用の方々の生活に、ある変化を生むことで、異なる事業にも相乗効果が生まれていく、という特徴があります。
そしてこの事業は社員2名の発案で始まり、現在もその社員が元の業務を離れて担当しています。「こんなことを、実現したい」を提案して、自ら形にできる。こんな事例からもいい意味でアグレッシブさがある会社だと感じています。

 幸い、今はまだネガティブなギャップを感じたことはほぼ無いです。皆、街やお客様が好きで、より良くする方法を常に本気で考えていると感じることが多いです。同じ方向を向けている、モチベーションが合うな、という環境は意外と貴重なことで、ありがたいと思っています。

 

住みやすい沿線をつくる仕組みづくり

―東急電鉄は都市開発に携わっているイメージが強いです。
その中でもなぜ、渋谷を重視しているのでしょうか?

 渋谷にはファッションだけでなく、映画館や美術館、ライブ会場、文化会館など様々な文化が溢れていて、本当は幅広い世代が楽しめる要素が詰まった街です。
「若者の街」のイメージだけではなく、幅広い世代、様々な趣味、考え方を持った人々が楽しめる街「エンタテイメントシティ」をつくりたいというコンセプトで現在、渋谷の再開発に注力しています。

 地形的な課題の解決も今回の再開発の大切な要素です。例えば、渋谷は文字通り谷地形になっているため、駅の両側が坂で囲まれ、年配の方にとっては少し歩きづらい。そこで、建物同士を繋げ、道玄坂(西側)から宮益坂(東側)まで上り下りなしで移動できる通路を完成させる予定です。他にも水害に備えた大容量の貯留槽の整備など、渋谷の再開発は様々な要素が組み合わさっているんです

 二子玉川などもそうですが、当社の利益だけを重視して、やりたいように街を開発するのではなく、街としての課題を解決するために地域と連携して、都市開発を行っています

 

―次に業界全体の問題である、「将来の人口減少」への対策はありますか?

 鉄道、都市開発、生活サービスの総合力で、住みやすい、選ばれる東急沿線を作る必要があると考えています。

鉄道の安全対策という観点では、他の私鉄と比較してもハイスピードで、ホームドアの設置を行っています。2019年度までに東横線、田園都市線、大井町線の主要3路線全駅でホームドアを導入する計画です。ホームドアが設置されれば、転落事故が減少し、より高いレベルでの定時運行の実現やお客様の安全が確保されます。そのためには必要な投資だと判断されました。

また、最近朝のラッシュ時間帯を避けてご乗車いただくとアプリでポイントやサービスが受けられるキャンペーンを実施したところ、多くのお客さまにご参加いただくことができました。このようにハード面だけでなくソフト面で工夫することも、鉄道の快適性向上に必要な工夫だと考えています。

 都市開発では、沿線の多摩田園都市などは坂が多く、駅から少し離れた一軒家にお住いの方がご高齢になると、日常のお買い物などでも不便だという課題を抱えていました。
そこで建てたのが駅直結の「ドレッセ たまプラーザテラス」。生活の中でセキュリティやスーパー、介護などのグループ会社が提供するサービスを利用して快適な生活を送っていただけるよう、ご提案をしています。ご高齢の方にとって住みやすい環境を整えることで沿線の一軒家にお住いのご高齢のお客さまの住み替えを促進、さらに転居後の住宅の売却・賃貸の仲介もお手伝いして子育て世代の入居を促すことで、若い世代の沿線流入循環を作る、という仕組みです。

 このように様々な角度から魅力的な沿線環境をつくることは非常に大切ですし、そこに強みがあると考えています。しかし、日本全体で人口が減りますから、当社沿線においても、例外ではないと考えています。そのため、仙台国際空港の運営や海外事業のように事業領域を広げて、収益を上げていく工夫も必要だと考えています。

「この街が好き」と言ってもらえるために

―加藤さんなりのやりがい・大変なことを教えてください。

 街を0から作って、鉄道を敷いて、幅広いサービスをご提供することで多くのお客様にお集まりいただいてきた歴史もあり、沿線住民の方からの「東急沿線」への期待の大きさや、信頼を感じます。

 その信頼を裏切らないために、鉄道事業では大原則として安心安全の追求、利便性快適性の向上があって、都市開発事業、生活サービス事業では「この街、生活が好き。」と感じてもらえる仕掛けをソフト面ハード面の両面から作り続ける必要があります。

 お客様との生活接点が非常に多く、生活を支える責任は重く感じていますが、より豊かな生活の創造にチャレンジできることにそれ以上にワクワクするやりがいを感じています
仕事は勿論、毎日全てうまく進むことばかりではありませんが、そんな時にも街中で当社サービスをご利用のお客様の笑顔をみるだけで元気が出てしまうくらいです。

 

―加藤さんが一緒に働きたいと思える人物像とは?

 当社は事業の幅が広いこともあって本当に色々なキャラクターの人が働いていますが、共通するのは、人と街が好きなことかなと思います。
好き、が土台にあるから熱意を持って、自ら考えて行動する、この繰り返しだと思います。そういう人は前向きで、一緒に働いていると刺激を受けるし、純粋に一緒に頑張りたい!という気持ちにさせてもらってます。

 

―それでは最後に学生へのメッセージをお願いします。

 学生のうちは興味をもったことは全部チャレンジしてほしいなと思います。社会人になっても勿論休日には旅行なども楽しんでいますが、自由にできる時間がこんなに沢山ある学生時代は本当に貴重です。例えば半年間、バックパッカーとして旅することは今の私にはできませんが、学生のうちは何とか調整すればできる環境だったり。何か理由をつけて、ためらって興味を押し殺すのは本当にもったいないと思います。

 実は、面白かった経験から得られた引き出しや、その話を通じてできた人脈などから仕事がうまく行くこともあります。無駄なことは一つもないと思います。もちろん、一つ集中したいことがある!という場合はそれを極めることも貴重で素敵だと思いますが、とにかく自分のやりたいと思ったことを赴くままに挑戦してほしいです!

 

―加藤さん、ありがとうございました!

 

(編集後記)

東急電鉄では「沿線住民の生活をより良くするためにはどうすれば良いか。」を常に追求しているという思いが伝わってきました。鉄道だけではなく、街そのものや住民の生活サービスという観点から真剣に整備していくからこそ、沿線住民からずっと信頼されている鉄道会社を作り上げられるのだと感じました。

 

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