みなさんは日本酒の正しい飲み方をご存知でしょうか?
サークルやゼミなどの飲み会で「日本酒の一気飲み」などを行ない、『日本酒=潰されるお酒』という認識をし、あまり日本酒が得意ではない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、正しい飲み方をすれば日本酒はとても美味しいもので、「飲みニケーション」という言葉があるように楽しい時間を過ごすことができます。
今回はガクセイ基地メンバーの中でも特にお酒が大好きな内田と鈴木が株式会社八海山の浜崎さんに「日本酒の飲み方ついて」のお話を色々と伺ってきました!
目次
日本酒に正しい飲み方は存在しない!?
—浜崎さん、本日はよろしくお願い致します。早速ですが「日本酒の正しい飲み方」について教えて下さい。
実は「正しい飲み方」というのは存在しません。
—えぇ!そうなんですか!
はい、そうなんです。お酒も嗜好品の1つですので決まった型などはないのですが、カッコいい飲み方でしたらありますよ。
—カッコいい飲み方、とても気になります!どのようにすれば、お酒をカッコよく飲めるのでしょうか?
シンプルですが「お酒に飲まれない」飲み方ができる人はカッコいい付き合い方をしていると思います。やっぱり20歳になりたての頃は私自身も飲み方が分からずに飲みすぎて、翌日、二日酔いになって後悔することがありました。せっかくお酒を飲んで良い気持ちになって楽しい時間を過ごしたはずなのに、翌日に後悔して、結果として「楽しくない思い出」になってしまうのは、カッコよくない飲み方です。
また、お酒はコミュニケーションツールの1つでもあり、普通に話しているときよりもアルコールが入った状態で話した方がお互いに打ち解けやすくなったり、親密になれたりする効用があるので、そういった意味でも飲み方は大切です。
—誰にも飲まれた経験がありますね(笑) 二日酔いを防ぐために、お酒と一緒に水を飲むのが良いと伺ったことがあるのですが、どのくらいの量を飲むのが適量なのでしょうか?
アルコールと一緒に飲む水は「和らぎ水」とも呼ばれ、よく2倍・4倍など言われていますが、適量は人それぞれの体質によるので、弊社では摂取したお酒と同等の量をおすすめしています。これは日本酒に限った話ではなく、すべてのお酒に言えることでもあります。
純米酒と吟醸酒の違い
—お酒に決まった飲み方というのは存在しないのですね!勉強になりました!
他にも教えていただきたいことありまして。日本酒の種類でよくある「純米酒」と「吟醸酒」の違いについて教えてください。
違いは様々ありますが、「味」についてお話します。
純米酒は 米・米麹・水 のみで作っているので、米の味わいが強く含まれておりすごく美味しいです。吟醸酒は米・米麹・水 に加え、醸造アルコール(純度の高いさとうきびで作った焼酎)が入っており、喉のスベりや香りが良くキリッとした味わいに仕上がっているものが多いので、さっぱりとして料理と一緒に楽しむのがおすすめです。醸造アルコールは発酵したもろみを絞る前に加えます。そうすることで、日本酒の香りが引き立ち、吟醸香を感じられます。
毎年、全国の日本酒を評価する 全国新酒鑑評会 が開かれ、そこに数多くの純米酒・吟醸酒が出品されるのですが、賞を獲得するものは吟醸酒が多いです。
—吟醸酒の中にも「大吟醸」や「吟醸」など種類がありますが、何が違うのでしょうか?
違いは、米の「磨き方」です。日本酒を作る過程で最初に米を磨くのですが、磨き具合によって表記が変わります。
お酒造りに適した酒造好適米はタンパク質の含有量が少なく食用のお米と比べ米粒が大きいうえ、心白と呼ばれる中心部(デンプンが集まっている部分)の割合が高いので、磨けば磨くほど丸く白い粒となります。その磨き加減(精米歩合)によって、米粒の外側に含まれている脂質やたんぱく質といった酒作りにとって雑味を生み出してしまう成分を取り除きより良いお酒を造ることができます。大吟醸で精米歩合50%以下、吟醸で精米歩合60%以下とすることが義務付けられています。精米歩合での良し悪しは無く、飲む人の好みによりますね。
特定名称 | 原材料 | 精米歩合 |
大吟醸 |
米・米こうじ 醸造アルコール |
50%以下 |
純米大吟醸 | 米・米こうじ | 50%以下 |
吟醸 |
米・米こうじ 醸造アルコール |
60%以下 |
純米吟醸 | 米・米こうじ | 60%以下 |
本醸造 |
米・米こうじ 醸造アルコール |
70%以下 |
特別本醸造 |
米・米こうじ 醸造アルコール |
60%以下 または特別な製造 |
純米 | 米・米こうじ | 規定なし |
特別純米 | 米・米こうじ |
60%以下 または特別な製造 |
↑特定名称酒一覧 (出典:SAKETIMES http://jp.sake-times.com/knowledge/word/sake_tokuteimeisho )
八海山のこだわり
—ありがとうございます!数多くの日本酒メーカーある中で、八海山の日本酒の特徴について教えて下さい。
新潟県南魚沼市にある霊峰・八海山の麓に弊社の酒蔵があります。
日本酒を作る際には水がとても大切で、弊社では1日400t出る八海山の伏流水(極軟水)を使用して日本酒を作っています。他の多くの日本酒メーカーは硬水で日本酒を作っているところも多いのですが、新潟県では軟水が出ることから日本酒作りにも軟水を使用し、淡麗な味わいを提供しています。
—軟水と硬水で味が異なるでしょうか?
硬水で作ると、豊富なミネラルなどが含まれている関係からしっかりと骨格を持つシャキッとした芯のある、どっしりとした濃さのお酒になる傾向が高く、軟水で作ると、淡麗で飲み飽きしないスッキリとした食事に合わせやすいお酒になります。
それぞれの好みやシーンに応じて、飲み分けてくださるのが良いのではないかと思います。
—最後にガクセイへのメッセージをお願いします!
お酒は飲んでも飲まれるな です。
これから新年会のシーズンとなり、お酒を飲む機会が増えると思いますが、せっかく楽しい時間を過ごしてもお酒に飲まれてしまい体調が悪くなってしまっては本末転倒ですし、製造している私たちにとっても悲しいことです。
ですので、節度をもって、一気飲みなどを強要しない楽しい飲み方をしてください!
浜崎さん、ありがとうございました!