就活生を対象にした調査によると、就職先を選ぶ上で「収入が欲しい」「出世したい」という願望は少なくなってきています。むしろ「誇りを持てる仕事」「人のために」「社会貢献」といった言葉が目立つようになりました。そんな中、社会課題の解決を企業としてリードしているネスレ日本株式会社、広報の嘉納さんにお話を伺いました!
目次
本業で社会課題を解決するCSV
CSVとはどのような取り組みなのですか?
-学者によっても定義は様々なのですが、ネスレで言うところのCSVとは「本業で社会課題を解決する」ということです。ネスレが行なっている取り組みの具体的な例として、コーヒー農家への技術支援や豆の直接購入などにより生活向上の支援や、そのコミュニティ全体の経済の活性化の貢献などが挙げられます。
-彼らの生活が豊かになるにつれて、子供たちが進学するようになり、貧困問題の解消にも繋がっています。CSVにおいては、経済的な価値を出すものではないと継続することが困難となってしまいます。ですので、彼らの生活水準向上とともに、農家への支援により高品質なコーヒー豆を調達でき、お客様にコーヒーを継続的にお届けすることができるようになるという仕組みが必要不可欠なわけです。
創業当初からあるネスレの存在意義
そのような社会問題への取り組みは、どのように始まったのですか?
-今で言うCSVの発想は、ネスレ創業当時からありました。その時代、スイスで乳幼児の死亡率の高さが一つの社会問題となっていたのですが、ネスレの創業者アンリ・ネスレは乳児用乳製品を作り、それを解決策として開発しました。ですので、創業時から社会課題とは無縁ではありませんでした。
そうだったんですね!その精神が今でも続いてるということですね。
-現在では、乳児用乳製品に限らず、チョコレート、コーヒーやペットフード、高齢者用の栄養補助食品にまで、イノベーションと買収などを経て成長しました。そして2016年、150周年を機会に、ネスレ全体で方向性を一致させて、「生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献します」というネスレの存在意義を明確にしました。
-誰からも信頼されるためには、法律以外にも、私たち独自で作ったルールがあります。例えばネスレでは、12歳以下の子供へ菓子製品のマーケティング活動を禁止しています。子供が保護者の食育に反して「これ買って〜!」と言わせてはいけないんです。それは保護者の子供に対する食育に敬意を払うという考え方から来ています。
社会への貢献が重要になってきた背景
なぜ、ここまで企業の社会への貢献が注目されるようになったのですか?
-ネスレを取り巻く環境から考えると、影響力のある企業や団体には、それなりに厳しいチェックと責任が、特に投資家やNGOなどから求められるようになったということです。また、社会問題が複雑化・また深刻化しているのも要因の一つと言えると思います。
社会課題解決の「これから」
社会への貢献の難しさはありますか?
-やはり、より環境に良い製品を作り出していくことにはコストがかかります。商品のパッケージを環境に良いものだからと言って、簡単に変えることはできません。食品を扱う以上、品質や衛生面が最も大切なことだからです。法律もありますから、それを乗り越えて何度もテストを繰り返して実現するか判断するので、とても長い時間もかかります。難しいチャレンジですが、私たちは諦めてはいけません。むしろ、そのようなことに直面する時に、今までにないものや、クリエイティビティが生まれるのだと思います。
-また、CSVというと、ほとんどの会社が事例として挙げる事例は、多くが海外、特に新興国だったりするのです。それは問題や解決の途上が目に見えてわかりやすいからです。けれどもネスレ日本は、日本にいる人をターゲットにしたCSVを目指しています。例えば、高齢者の一人暮らしの問題を、Bluetoothやインターネットなどの技術を使って、離れて暮らす祖父母がコーヒーをいつ入れたかを教えてくれるサービスなどがあります。ビデオなどで、24時間体制で見守る仕組みも必要かもしれませんが、ふと思い出すように家族の繋がりを感じられる仕組みも面白いと思います。
-日本の課題は、むしろ精神的な部分が多いように感じます。単純に測ることの難しい精神的な問題をどう扱っていくかが今後の課題であると思います。
学生へのメッセージ
最後に、大学生に向けてメッセージをお願いします!
-学生のうちは、たくさんのことに挑戦してみてください。社会人になってみてわかるのは、学生のうちはできることが多いし、何度でも失敗できる。何か学生生活の中で一貫したものは必要ですが、いろんな活動に触れて、教養を身につけられる良い機会です。
-また、私たちネスレは「どれだけ考えたか」をとても大事にします。小さなことでも考察を重ねて行動にすることによって、その小さな活動は大きな説得力を生みます。逆に、言葉だけ達者なコメンテーターは一番非難されます。失敗はマイナスにはなりません。むしろそこからどう考えたのかが重要なのです。
ありがとうございました!