最近大学生を中心に“途上国を支援する団体”が増えていますね。
その中でも「絶対に必要なものだけを届ける」という思いをもって活動している団体があります。
一年前に設立したばかりのASANTE PROJECT です!!
代表の稲川さんにお話を伺いました!
―よろしくお願いします!まず、設立の経緯を教えてください!
バックパックで旅行するのが好きで色々な国に行っていて、3年生の春にアフリカのタンザニアに行ったことがきっかけです。もともとボランティアや国際協力には全く興味がありませんでした。ところがアフリカで泊まる宿を確保するために、たまたま現地の小学校に行くボランティアに参加したところ、とても衝撃的な事実を目の当たりにしました。それは、先生がホコリのかぶった大きい袋を持ってきて、中にはいろいろな国のボランティアたちが寄付したぬいぐるみやおもちゃが入っていたのです。「一回も使ってない。今自分たちがほしいのは紙と鉛筆、それだけだ」って言っていたのが印象的です。
現地では教育環境が問題となっていて、学生でも本当に必要なものを届ければ子供たちの未来を変えられるのではないかと思ったんです。たまたまそのプログラムに参加していたもう一人の日本人学生と意気投合し、帰国後すぐこの団体を設立しました。
―ボランティアの中には現地のニーズに合っていないものもあるのですね。活動をするうえで何か心がけていることはありますか?
現地で空回りのボランティアを目の当たりにしていたので、現地の人と直接話して、「絶対に必要とされているものだけを届ける」という信念をもって活動しています。あと、絶対に支援者さんや協賛企業からもらったお金は全額子供たちのために使うと決めていて、渡航費や滞在費は自分たちで出しています。 団体名もこの信念を表すような名前にしました。ASANTEとはスワヒリ語でありがとうという意味で、現地の人から心から「ASANTE」と言ってもらえることを願っています。
―タンザニアの教育環境は、いったいどのようなものだったんですか?
机や椅子がない学校もあり、床で寝そべって勉強してる子供たちもいました。チョークも人数分ないので1本を小さく砕いて配っていたり、自分用の教材を持っていなくて、毎日生徒全員で壁に貼ってある1枚のポスターで勉強していたりと、十分な教育環境ではありませんでした。
―支援しているのはどのような学校ですか?
2才から7才のAIDS孤児や貧しい子供たちが多く通っている学校です。タンザニアではAIDSが社会問題になっています。実は校長先生自身もAIDSを持っていて、旦那さんをAIDSでなくしているんです。AIDS孤児や貧しい子供たちをわが子のように思い、彼らが勉強できるような場を作りたいという思っていると話してくれました。初めは先生の自宅で生徒4人から始まり、今では100人の子供たちが通っています。しかし、そのうちの5割から6割は、学費が払えていない状況です。
―校長先生の思いがつまった学校ですね。2才から7才の子供たちを支援のターゲットにしているのはどうしてですか?
特に貧しい子供たちの多くは、小学校から義務教育が始まった時に、他の子供たちと入学時から差が開いていてドロップアウトしてしまう子が多いんですよ。それを防ぎたくて、就学前の教育を支援するために、この年代をターゲットにしています。
―具体的に、どういった活動をしていますか?
本当に必要な支援をするという信念のもと、3つの活動をしています。
一つめは授業ボランティアで、実際に自分たちが現地に行って授業を行っています。その際に自分たちで作ったオリジナルの教科書を1人1冊ずつ配り、それをもとにABCの書き方、読み方など初歩的な内容を教えています。教科書は現地に行ったことある人がどんな内容があったらよいかを考えて作っています。
子供たちも自分専用の教科書をもらえたことをすごい喜んでくれました。先生たちも今までは1枚のポスターで教えていたので、一人一人に教科書がいきわたることで、とても教えやすくなったと喜んでいただけました。
―自分たちで教材を作っているのですね!2つめは何ですか?
2つめの活動として、企業協賛でもらったチョークやノートなどの文房具を届ける役割を担っています。企業の売れ残りの商品や廃版になった商品など、泣く泣く処分するはずだったものを寄付していただいています。
―3つめも教えてください!
クラウドファンディングで資金をいただいているのですが、この資金で学校を整備したり、机やいすをそろえたりしています。最初に行ったとき、学校は資金不足で壁がなく金網が学校の周りにあるだけで、雨が降ると土砂が流れ込んできて勉強ができなくなってしまうという問題がありました。そこで、まずは教育環境を整えたいと思い、学校の外壁を完成させることでこの問題を解決しました。
―様々なことを行われていますね!どのようにしてこのような活動を実現させているのですか?
現地にいる自分たちの活動に共感してくださる強力なコーディネーターに協力してもらっています。彼らは英語も堪能で、現地の人脈を持っているので、欠かせない存在です。壁を立てた時も彼らを信頼して任せたところ、現地の建設会社さんを雇って完成させてくれて。30万円渡したんですけど、現地ではものすごいお金なんですよ。裏切られたら終わりなので、信頼関係があるのは大きいですね。彼らがいなかったら活動ができないので感謝しています。
―とてもやりがいがある活動だと思うのですが、今までで一番うれしかったことは何ですか?
すごい感動したのは、メンバーと現地に行ったときに、子供たちが半年前に自分が来たことを覚えていてくれて、学校に入った瞬間に「マサヤー」っていいながら自分のところに駆け寄ってきてくれたことです。
あと、最近知った嬉しいことなんですけど、学校の2つのクラスの名前を、自分の名前マサヤと、一緒に団体を設立した子の名前ヒビキにちなんで、マサヤクラスとヒビキクラスにしてくれていたんですよ。その写真をもらったときは感動しました。
―最後に、他の学生にメッセージはありますか?
好きなことをして文句言われないのって学生のときしかないなと思います。働くのも働かないのも自分次第だし、何かしたいって思ったら自分でお金ためてやればいいし。社会人になったら働くことが生活のメインになりますけど、学生の4年間って本当に何でもできる、そこにぎゅって濃縮しなきゃいけない4年間だなって思います。
★ASANTE PROJECT その後の活動の記事も是非お読みください!
⇒思い出づくりではない、本当の国際協力とは!?/学生団体 ASANTE PROJECT
あと、最後に一緒に活動をしている仲間も何人か紹介したいです!
【2016年夏の現地プロジェクトの主なメンバー】
◆小林響樹(上智大学2年)
僕たちの思いがタンザニアの子供たちに届くよう日々精進して活動しております。子供たちが笑顔で安心して学習できる環境作りをしたいです!
◆須田将太郎(早稲田大学3年)
きっかけは純粋にアフリカに行ってみたかったから! アフリカってなんか得体の知れない怖さみたいのがあるけど、行ってみたら最高の場所でしたー!!
◆浅川拓也(早稲田大学3年)
タンザニアの人達の温かさ、子供達の溢れ出るパワーを感じ、熱意を持って活動しています!学生だってできることはある!
◆板谷謙一(上智大学2年)
団体にとっても自分にとっても曲げる事ができない理念である”現地のニーズに合った支援”をこれからも絶対忘れずに活動していきます!
―稲川さん、ありがとうございました!
(編集後記)
本当にタンザニアのことを考えて、本当に必要な支援を行っている団体だとわかりました。立ち上げて1年も経っていないのにここまでの実績があることがすごいと思いました。今後のご活躍、期待しています!! 1月19日(木)から、机や椅子、文房具を届けるためのクラウドファンディングを行っています!ぜひチェックしてみてください!
☆URL→https://readyfor.jp/projects/asante-project
【ASANTE PROJECT】
Facebook: https://www.facebook.com/asante.project/
Twitter: https://twitter.com/ProjectAsante
HP: http://asante-project.com/
【ASANTE PROJECT 協賛企業】
白墨工業株式会社様
日本理化学工業株式会社様
マルマン株式会社様
文運堂株式会社様
Add Comment