メディア/デザイン

NHKプロデューサー石川昌孝様に聞く、プロデューサーというキャリア・少子化問題をテーマにした番組企画の裏側とは!

こんにちは、ガクセイ基地です。

今回は「村上信五・ヒコロヒー×大学生 少子化問題を考える」の番組を企画された、NHKプロデューサー、石川昌孝様へのインタビュー記事になります。

この番組についてもう一度知りたい!という方はこちらから復習してみてくださいね。

村上信五・ヒコロヒー×大学生 少子化問題を考える|NHK【現役大学生の意見・政策は必見】

プロデューサーというキャリアについて、そして少子化問題をテーマにした番組を企画した意図やテレビの将来についての2本立てでお届けします!

プロデューサーというキャリアについて

 ー本日はよろしくお願いします。石川様はNHKに入社された後、どんなことをされてきたのでしょうか。

 まず、入社後ディレクターとして、「週刊こどもニュース」という子供向けのニュース番組を担当しました。その後も子供向けの番組や若者向けの番組を主に担当しており、プロデューサーになってからにはなりますが、皆さんもご存じだと嬉しいのですが「天才てれびくん」という番組も担当しました。
 またNHKは転勤があり、若い頃に福井県で、そしてプロデューサーになるかならないかぐらいの頃に、岐阜県でも仕事をしていました。

ーディレクターからプロデューサーになろうと思ったきっかけなどはあったのでしょうか。また、ディレクターとプロデューサーの違いについても伺いたいです。

 前提として、テレビ業界のキャリアとしてはディレクターをそのまま続ける人もいるし、ディレクターを経験したあとにプロデューサーになる人もいます。私の場合はディレクターの仕事にやりがいは感じつつも、プロデューサーもちょっとやりたいなという気持ちが芽生えていたので、希望してプロデューサーになったという感じですね。
 
 ディレクターと プロデューサーの違いって確かに難しいところですよね。ディレクターが実際に家を建てる「大工さん」とするなら、プロデューサーはどんな家を建てるのかを決める「設計士・指揮官」という例が分かりやすいですかね。

 ディレクターは、現場に行き、取材をして、 こういう内容の番組にしたらいいんじゃないかと考える仕事がメインになってきます。その分、たくさんの人に会って話を聞かせてもらって、いろんなものを見せてもらう機会があります。そういう意味で自分自身の視野を広げてくれるところがディレクターの面白さだなと感じています。

 逆にプロデューサーは、「今回はこういう人たちに向けて、こんな感じの番組を、こんな感じの演出で作っていこう!」というように、全体をプロデュースすることがメインになってきます。現場に出る機会は少なくなるのですが、キャスティングから予算の管理など、たくさんのリソースをまとめて動かす大きな責任を担うことになります。

ープロデューサーというお仕事をされている上で大変だったことは何ですか。

 仕事ってどんな職業であれ大変なものだと思うのですが、少ししんどいなと感じるのは、なかなか次の放送テーマが決まらない時ですかね。「次は何月何日に 放送」という締め切りから逆算をして番組を制作していくのですが、テーマが決まらないと動き出せないので、その時期は、ちょっと大変というか焦る気持ちになりますね。
 でも、基本的には面白さややりがいが多い仕事なのかなと思っています。

ーでは、そのプロデューサーというお仕事のやりがいについて教えてください。

 やりがいは本当にいっぱいあるなと思っています。個人的に良かったなと思うのは、普通では会えないような人や行けない場所を取材させてもらえたことですかね。実は、ある古い由緒あるお寺を長い期間取材させてもらったことがありまして。取材の際、その宗派のお坊さんでもなかなか会えない方にインタビューさせていただいたのですが、そうした経験は私自身にとっても非常に学びの多いものでした。

 また、視聴者のダイレクトな反応というのはこの仕事の大きなやりがいですね。例えば、子供たちがリモコンを手にデータ放送のゲームに熱中している姿。あるいは、視聴者からの「これが知れてよかった」という声や、時には厳しい批判。そうしたリアクションに触れるたび、やってよかったと心から実感します。

 さらには、入社時から抱いていた「若い世代や子供に向けた番組を作りたい」という希望を胸に、「どういう番組にしたら視聴者のためになるか・面白がってもらえるか」ということを考えること、つまり「プロデュース」することには常にワクワクを感じています。

ーもともとテレビ業界を目指されていたのでしょうか。

  実は、「絶対にテレビの仕事をしてやるぞ!」という訳ではなかったのが正直なところです。ただ、就職活動の時期に将来を考えた際、お金を稼ぐ(利益をあげる)仕事をやるのは具体的なイメージが持てませんでした。それよりも「何かを誰かに伝える仕事をしたい」という想いがあり、結果としてテレビの仕事を選びました。

ー「何かを伝えたい」という思いは学生の頃から持っていたのでしょうか。

 私は、学生時代はサークル活動で演劇に携わっていました。その活動において、自分たちで何かを表現したり、受け手にメッセージを伝えたりすることの面白さを肌で感じていたことは、その思いの根底になっているのかもしれません。

 ただ、演劇に関わった経験はありながらも「ドラマ制作」は希望しなかったんです。架空の物語を作り込むことよりも、現実をどう切り取るかという「枠組み」の方に、より強い関心があったのかなと今改めて感じています。

ーディレクター・プロデューサーを目指す学生に向けて、石川様が感じるこの職業に必要なスキルとはずばり何でしょうか。

  「あらゆる物事の中に面白さを見つける力」が一番大切なのかと考えています。正直に言って、この仕事は自分がやりたいことを100%できるわけではありません。もちろん企画を出すチャンスはありますが、局が目指す方針やその時の自分の担当の兼ね合いで、未経験の分野を任されることもあります。そんな時、「興味がない」と切り捨ててしまったら、そこから先は何も生まれないと思うんです。世の中、面白いことや知らないことはいっぱい溢れているし、探ってみると面白さは必ずあると信じています。そして、「その面白さの本質は何だろう」「この話題で大事なことは何なんだろうか」というように、様々なことに興味や関心を持って、面白さを見つける力、 この力が一番必要になってくるのではないかと思います。

 

少子化問題をテーマにした番組企画の意図やテレビの将来について

ー「村上信五・ヒコロヒー×大学生 少子化問題を考える」という番組を企画しようと思った理由はなんだったのでしょうか。

  「大事なことをみんなで話す番組がもっとあってもいいんじゃないかな」という気持ちがこの番組を企画した出発点です。極論を言えば社会的な課題であればテーマは何でも良かったんです。少子化という、自分たちがまさに直面する問いを学生に投げかけたとき、彼らが何を考え、どう動くのか。台本なしで、彼らの赤裸々な言葉を引き出す場を作りたいと考えました。

 それに、若者のテレビ離れという話をよく聞くと思うんですけど、その原因のひとつには若い人たちがテレビは自分たちのメディアだと思ってないところがあるんじゃないかなと考えています。確かに若い人に観てもらうために楽しい番組を放送するという方法ももちろんあると思うんです。一方で、若い人たちに話を聞いた際に、「NHKは結構ちゃんとした情報を出してくれる」というイメージを持ってくれている若者も多かったんです。そんな風に思ってくれているのであれば、みんなで一緒にいろんなことを考えたり、自分たちの意見を社会に届けるような番組を作れば、若い人たちとテレビの距離を縮められるんじゃないかなと考えたりもしました。

ー若者のテレビ離れが進み、テレビは近年オールドメディアだと言われがちですが、それについてどのように考えていますか。

  テレビは、「知る面白さ」を感じてもらう役割を果たせるはずだと信じています。テレビがオールドメディアだと言われる背景には、先ほども述べたように自分たちのメディアだと思っていない、対象年齢が高い番組が多いという現実があるかもしれません。ただ、若い人たちが社会課題に興味がないわけではないと思います。実際に以前担当した「真相の館」という番組で核兵器のことを取り上げましたが、一見難しそうなテーマでも丁寧に紐解いていけば、そこには「知る面白さ」がきっとあると思います。「本当に大事なこと」そういったものを伝える・知る手段として、テレビはまだまだ大きな役目を果たせるのではないかと考えています。

ー今後の番組作りについて

 現在私は50歳を過ぎましたが、意外と大学生ぐらいの年の頃から精神年齢はあまり変わってないと思っているんです。確かに、知ったかぶりすることもあるけれど、まだまだ知らないこともいっぱいあります。だからそういう意味では同じ目線で、若い人に対して「教えてあげる」という上から目線の態度ではなく、「一緒に考えてみない?」という、同じ高さの目線で向き合うことを大切に、番組を企画していきたいなと考えています。

コラム
ー番組内で村上信五さんやヒコロヒーさんが猫耳をつけていたのが話題になったかと思いますが、あれには何か意味があったのでしょうか!!
 
  (画像©NHK)
実はあんまり深い意味はなくて…(笑)            
 ただ、番組を作っていく時には内容と同時に演出も考えるんです。どういう番組にしようかなと考えた時に、すごくフランクにしゃべれるようにしたいという思いがあったんですね。海外だと政治や少子化など社会問題について学生たちが普通にカフェで喋っていたりしますけど、日本はその風潮はあまりないなと感じていて。
 
 そんな時、猫カフェみたいな雰囲気にしたら柔らかい雰囲気も出せて話しやすくなるから良いんじゃないか、というアイディアが出てきて猫耳を付けることに決めました。私達もあそこまでバズるとは思っていなかったので少しびっくりしました。

 石川様が担当されている番組は他にも!

ねほりんぱほりん
毎週金曜 午後10時 Eテレ
https://www.nhk.jp/g/ts/N1G2WK6QW5/
 顔出しNGのゲストはブタに、聞き手の山里亮太とYOUはモグラの人形に扮して、「そんなこと聞いちゃっていいの~?」という話を“ねほりはほり”聞き出す新感覚のトー クショー。Eテレお得意の人形劇と、聞いたこともないような人生の“裏話”が合体した人形劇×赤裸々トークをお楽しみください!

 

ハートネットTV 虹クロ
毎月第1火曜 午後8時 Eテレ
https://www.nhk.jp/g/ts/WYNW817V7Y/
 性に揺らぐ10代、自分らしくありたい10代、LGBTQ+の人を応援したい10代、そんな10代たちが、さまざまな分野で活躍するLGBTQ+のメンターたちと、セクシュアリティーやジェンダー、多様性について、本音で語り合います!

編集後記 

 「仕事は何をやっても大変。だからこそ、その中に面白さを見つける」。その一言は、キャリアに迷う私の背中を、優しく、かつ力強く押してくれるものでした。テレビのスイッチを入れるように、自分の心のスイッチを自ら「ワクワク」の方へ入れてみる。そんな小さな一歩が、世界を新しく、面白く見せてくれるのかもしれない。そう強く思えたインタビューでした。改めて、貴重なお時間をありがとうございました。(宇津木芽生)


壁に描いてあったねほりん・ぱほりんとパシャリ。

About the author

mei

医機なび×ガクセイ基地YouTube

医療機器業界特集(医機なび共同PJ)準備中

AI 無料(東大松尾・岩澤研究室)

就職サイト一覧

就職サイト一覧

アルバイトサイト一覧

グッドデザイン特集‼

カナダ・バンクーバー留学日記

セブ島留学日記