なおがら ストリートスナップ してん カメラ
休みの日の過ごし方

【なおがら展「してん」】この夏行きたい浅草を五感で紐解く、無料×参加型の芸術体験。開催に込められた想いと意外な見所とは?

岩手出身の元消防士が、カメラのレンズを通して写してきた数多の「してん」。写真展とも個展とも違う「なおがら展」で、あなた自身が作品の最後のピースになってみませんか_

2024年8月10日から3日間、ストリートスナップで知られる”なおがらさん”が、浅草を一望できる浅草ビューホテルで「なおがら展」を開催する。キーワードは8つの「してん」。

開催に先立ち、なおがら展にどんな想いが込められ、注目してほしいところはどんなポイントなのか、学生ライター2人がお話しを伺ってきました。

なおがらさんってどんな人?

行くつもりだけど、もう少し予習したい!

そもそもどんな展示なの?

という方はぜひ最後までお付き合いください!

なおがら

なおがら ストリートスナップ してん カメラ

浅草を中心にストリートスナップを撮るカメラマン。SNS総フォロワー20万人以上。2023年3月(1年半前)に活動を始めた。出身は岩手で18歳の時に上京。元消防士。

ストリートスナップの存在

ストリートスナップは自分にとって、「人生を変えてくれたもの」です。カメラ自体を始めた理由は旅行に行った時にインスタ映えする綺麗な写真を撮りたいからでした。消防士をやりながらカメラを含む様々なことに挑戦する中で、自分の強みは「人とパーソナルに(一対一で)コミュニケーションを取ること」だと思うようになりました。
 
そこにSNSをやりたいという気持ちも合わさって、当時流行っていたストリートスナップなら自分の強みを活かしつつ勝機があると思えたので始めました。
 

なぜ浅草なのか

渋谷、表参道など色々なところを試す中の一つに過ぎませんでした。でも動画を研究する中で、渋谷でやっている時の自分の声色浅草でやっている時の自分の声色が全然違ったんですよ。

渋谷はそこにいる理由が仕事とか買い物とか目的がバラバラで撮らせてもらえるかわからないし、田舎出身の自分にとっては知らない世界の人が沢山いるから、毎回が「勝負」という感じで緊張していました。

他方、浅草は下町なので出身の岩手と同じ雰囲気が漂っており、ありのままの自分で喋れていることに気づきました。加えて、おめかしして観光に来ているので写真を撮られてもOK!撮って欲しい!という人が多く、声をかけたときに撮らせてもらいやすいということもあります。自分らしさを一番発揮できる場所が浅草だったから、今も浅草で活動しています。

また、始めた当初から日本伝統に携わる人が全員輝く場所を自分が作れたらいいなと思っていたので、そういう意味でも浅草の職人さん達を撮っています。

 

地方創生的活動

自分自身インフルエンサーという立場にあまりこだわっていなくて、あくまで人ベースで動いています。目の前の人に喜んでもらえるようにしていたら、ストリートスナップを撮らせていただいた方と一緒に働きたいからと求人が生まれたり、動画を見てそこに行きたいと思ってくださった方が足を運んでくれたことで観光が生まれたりと地方創生的な意味合いの方を重視しています。

夢と好きな仕事

消防士はなりたくてなった職業だったんですけど、ある時その夢がなくなってしまったんですよね。やりたいことがないor何がやりたいかわからないのに、やりたいことを見つけなきゃと焦っていた時期がありました。でもそんな時に自分の足元を見ると、家族や友だちなど自分の周りの人を全員蔑ろにしてしまっていました。

そうじゃないな。

そう思えたので今、目の前にある仕事を大好きにするという考え方をするようになりました。その先にあったのがストリートスナップでした。

なおがら展「してん」

テーマ

ありったけのありがとうを込めて。」がテーマです。今回この場所を作った背景には、23年間自分に関わってきてくれた誰一人でも欠けていたら、ここに立てていないから、感謝の気持ちを示したいという思いがあります。

皆さんのおかげで立てているので、自分と出会ってくれた全ての人に感謝する場、「ありがとう」を言う場としておもてなしの空間を作ります。言葉や気持ちを形にするのでよかったら遊びに来てくださいという思いでいっぱいです。

なおがら展へのこだわり

写真展でも個展でもなく、「なおがら展」としていることにこだわっていて。写真展と聞くと、壁に写真が飾られていることを想像する方が多いのではないかと思うのですが、今回は会場の壁を一つも使いません。レールから紐を垂らしてそこに飾ったり、写真を浮かせて飾ったり。

加えて、写真を視覚情報だけではなく、音・香り・光といった五感で楽しめる仕様にしています。自分自身が五感にこだわり普段から活動しているからこそ、自分自身を表現する場としてもそれを重要視したかった。だから「誰かの何」といった既存の枠に当てはめるのではなく、「なおがら展」と自分の名前を冠したものにしました。

浅草の光も作品の一部

Q.HPを見た時に浅草の光についての記載がありましたが、具体的にはどのようなものを指しているのでしょうか。

な)浅草の光とは、「外光までもを写真に取り入れる」という意味で使っています。今回のなおがら展では、開場の光を一つも使いません。自前のライトで写真を照らす仕様にしているのですが、それだと暗すぎる。

会場の浅草ビューホテルさんは、真東と真西を向いているんです。だから、東の太陽と西の太陽のどちらも開場に差し込んでくる。その外光までをも写真に取り入れようとしています。自然光を取り入れることで、昼間と夜の光の入り方も異なりますし、3日間いつ来ていただいても違う作品に出会えるようななおがら展になるかなと思っています。

ひらがなにした理由

まずは、ひらがなという点に着目していただきたくて。ひらがなの良いところは、ひらがなで書くと漢字にしたときに色々な意味を含ませられるじゃないですか。それが日本語のいいところで。そこに目を付けて、自分自身を表現しようと思ったら8つのしてんが出てきました。

私点、至点、支点、死点、視点、指点、四点、始点

 

どれかひとつに絞るのではなく、全部表現したいからひらがなにしたんです。

注目して欲しいしてん

①「死点」です。一見すると怖そうですが、本来は「機械のシリンダーが高速で運動している時に力が0になる瞬間のこと」を指しています。
これを自分事として捉え直すと、「力がどこにも加わっていないフラットな状態なのに強い軸がある」となりました。

その軸となる言葉が「喜ばれる人になる」というもので、常にこれを意識して行動しています。

②メインで作る作品が「私点」です。入り口からすぐのところに縦2.1m×横2.7mの大きなパネルに僕が今まで撮らせていただいた23年間、関わってくれた人達の”笑顔の写真”を敷き詰めています。
合計600枚ほど貼れるパネルに、自分が撮った400枚くらいの写真+開場に来てくださった方の笑顔の写真で現在進行形でその作品を作りあげていきたいと思っています。来てくださった方の写真はその場で撮って、いつも動画に出しているようにその場で現像する予定です。

開場に来てくださった方に開場に来た、という価値を感じて欲しいので、その場で自分で貼れるという取り組みを考えました。来てくださった方の笑顔が、このなおがら展の作品の一部に加わっていただきたいと思っております。

見るだけではなく、体験・参加型!!
③「視点」は、上手くいかなかった時期の自分さえも作品にしようと思って設けたものです。今の自分を知ってくださっている方は、上手くいっている部分を主になおがらとして認識してくださっているかと思うのですが、実際それだけではもちろん無くて。
 
泣きながらストリートスナップを撮ったり、伸びなくて悩んで苦しんだりしていた部分も沢山あります。落ち込んでいた時期に撮った写真を僕の視点から体験してもらえるようにしています。個室を作って、閉鎖的な空間にすることで、写真を見る人たちも思わず気持ち悪くなってしまうようなものをあえて作品として昇華しています。
 
写真がぐちゃぐちゃにしてあったり、踏みつけられていたり…その「嫌だ」という気持ちにあえてさせる空間を作りあげています。
 
 

1番印象に残っている写真

一投稿目のストリートスナップが、自分の人生のターニングポイントで。何を撮ったかというと、屋久島の猿なんです笑
↓動画はこちら
@naogara_streetsnap 話ぜんぜん聞いてくれん、、、 この後、、 . . . 吠えられた。 . 撮影ご協力ありがとうございました! #ストリートスナップ #写真撮ってもいいですか #streetsnap #streetphotography #photography ♬ Pieces (Solo Piano Version) – Danilo Stankovic

屋久島の猿に英語でしゃべりかけて、無視されるけど撮るという動画になっています笑
尖ってないと目立たないなと思って、猿撮ったらバズるかもと投稿したら大スベりって感じでした笑
 
上手くはいかなかったけれど、自分から積極的に話しかけたりとか輪の中心にいるようなタイプではなかったりした自分が、勇気を出して1投稿できたという0→1にすごく意味があって。それをしたからこそ、挑戦できるようになったのかなという思い出があります!!
 
当日はこの猿も見られるのでぜひ!!
 
 

笑顔に込めた想い

僕は、喜ばれる人になるという軸を持っているので、写真だけではなくて人生を通して「笑顔」を大切にしています。そのために何をしているかというと、「笑顔でうなずいて話を聞く」なんです。だからストリートスナップの動画でも、「うわ~!」とか「あ!」とかばっかり言っています笑
↓話を聞く姿勢がわかる動画
 
@naogara_streetsnap マッチョな花屋さん🌸 父の後を継ぎ、花屋を営む23歳を撮影させて頂きました🎥 ⁡ 同い年で、浅草で素敵な人に出会いました☺️ ⁡ 撮影ご協力ありがとうございました😊 プレゼント編をお楽しみに🎁 ⁡ #ストリートスナップ #浅草 #東京下町 #現像 #花男子 ♬ オリジナル楽曲 – なおがら【現像マン】 – なおがら【ストリートスナップ】

 
誰でも出来ることですけど、どれくらいの人がそれをやっているかというとほぼやっていなくて。
消防士をやっていた時のMTGでも、多くの人が眠そうにしているか、腕を組みながら聞いているかという感じで笑
 
だから、話の興味ある/なしに関わらず、目の前の人が気持ち良く話してもらえるというのを意識したときに、笑顔でうなずいて話を聞いてみることにしました。その結果、相手が話しながらどんどん乗ってくるのを感じたり、最終的に気持ちよさそうに帰って行くのを見たりしたことでその重要性を出会った方から教えていただきました。
 
写真展も個展も開催経験がないので、何をしたら良いのかすらわからないのですが、浅草ビューホテルさんが協力してくださったり、プロデュースの服部さんという方が協力してくださったり、浅草で動いてくださっている青柳さんがいたり。色々な方がなおがらを応援するぞと動いてくださってその中心にたまたま自分がいるだけなんです。
自信を持って、笑顔でうなずいて、個展できますと言いきれるくらい、本当に大切で、深いものだと自分は思っています。
 
▼なおがら展のポスターが掲示してある浅草のお店
 
なおがら展 ポスター
なおがら展 ポスター

大学生に伝えたいこと

なおがら ストリートスナップ

僕はずっと目の前の人に向き合ってきました。なので来てくださった学生さんには、なおがら展に訪れたことが、友だちや仲間、家族に「ありがとう」を伝えるきっかけになって欲しいと感じています。思わず誰かにありがとうと言いたくなる、そんな温かい空間を用意できたら幸いです!

詳細

公式Instagram:なおがら【ストリートスナップ】

場所:浅草ビューホテル 28階トップバンケット「ベルヴェデール」

日付:2024/08/10(土)-2024/08/12(月)

時間:11:00~21:00

入場料:無料

最寄り駅:東京メトロ銀座線田原町駅より徒歩7分 他

編集後記

ストリートスナップを拝見していたので、直接お話しを伺うことができて大変嬉しく思います。取材時は、「笑顔でうなずいて話を聞く」をまさしく体現してくださったおかげで、楽しく笑顔でインタビューできました。以前から好きなことを仕事にしていらっしゃる方々に取材してきましたが、好きなことを仕事にするのにも種類があって、目の前の仕事を好きになるという考え方もあるのだと思った次第です。

今これほど注目されたり、やりたいことを形にしていらっしゃったりするなおがらさんでも、初めの投稿では上手くいかなかったというお話しからすごく勇気を貰えました。とりええずやってみる、という最初に一歩への移行をスムーズにすることが自分らしく生きるコツなのかもしれません。読んでくださった方がとりあえずなおがら展に行ってみる、そのきっかけとなるような記事を作れていたら幸いです!新×旧が混ざり合う浅草の地で写真が紡いだ”人の縁”の目撃者として自分が作品の一部になれる体験が待っています! 奥野梓菜

 
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azuna

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