こんにちは!ガクセイ基地の濵野紗妃です🕊
ヴァイオリン・クラリネット・ピアノのトリオをご存じですか?
実は、クラシック音楽では比較的新しく、珍しい編成なのです。
私も”ムジカネルン”という名前でヴァイオリン・クラリネット・ピアノのトリオを組んで活動しています🍀
この記事では、そんな私がヴァイオリン・クラリネット・ピアノのトリオの魅力と、おすすめのクラシック曲5選をご紹介します!
目次
ヴァイオリン・クラリネット・ピアノのトリオの魅力
ヴァイオリン・クラリネット・ピアノのトリオは、珍しく耳にする機会も少ない編成ですが、1900年代にはちょっとしたブームを巻き起こしました。
この編成でしか得られない、温かく不思議な音響感が最大の魅力です。
・弦楽器のヴァイオリン
・木管楽器のクラリネット
・鍵盤打楽器のピアノ
全く異なる音色が混ざり合うことで、とても美しく色鮮やかな和声感を生み出します。
また、ヴァイオリンとクラリネットはどちらも主旋律を担うことの多い高音楽器です。
ピアノは“楽器の王様”といわれるほど広い音域を持ち、ソロで演奏することも多い楽器です。
そんな3つの楽器がソリスティックにぶつかり合い、交わり合い、ときには一つに溶け合ってすてきな音楽を作り上げます。
ヴァイオリン・クラリネット・ピアノならではの独特な世界観を、ぜひお楽しみください!
おすすめクラシック曲5選
ここからは、ヴァイオリン・クラリネット・ピアノのトリオによるクラシック曲を5つ紹介していきます。
それぞれの曲に音源も載せてありますので、ぜひ聴いてみてください♪
1.W.バウスネルン:ヴァイオリン、クラリネットとピアノのためのセレナーデ
バウスネルンという作曲家をご存じでしょうか?
20世紀前半を生きたドイツの作曲家です。彼は多くの楽種にわたって作曲をしましたが、ヴァイオリン・クラリネット・ピアノの編成において、この作品は重要な曲の一つとなっています。
優しくかわいらしいフレーズが印象的なこの曲。
3つの楽器それぞれの音色が次々と重なり合い、互いの良さを存分に引き出します。
私がこの編成のトリオを組んで始めて演奏した曲でもあり、とても思い入れのある曲です💝
↑フルver.はこちら
2.D.ミヨー:ヴァイオリン、クラリネット、ピアノのための組曲Op.157b
1936年に作曲されたこの組曲は、「荷物を持たない旅行者」という戯曲のために書かれた音楽がもとになっています。舞台は戦後のパリ。記憶も身分証明書もなくした1人の老兵士をめぐる物語です。
明るく軽やかなメロディーで始まり、兵隊のマーチから寂しげな夕暮れへ。民族的な雰囲気がしたりフランスの太陽を連想させたりと、次々に情景が変化していきます。
3人で同じフレーズを追いかけたり奪い合ったり急に立ち止まったり。演奏していると、まるで子供のころ公園で遊んでいたときのような気持ちがよみがえります。
さらに兵隊のラッパの音や太鼓の音などが織り交ぜられ、遊び心あふれる展開が心をくすぐりますね🎺
3.A.ハチャトゥリアン:クラリネット、ヴァイオリンとピアノのための三重奏曲
続いては、剣の舞でおなじみハチャトゥリアンの書いた三重奏曲をご紹介します。この曲は、彼がモスクワ音楽学院で学んでいた29歳の時に書かれた曲です。
微かに揺れる水面のような物悲しいピアノで始まり、クラリネットの旋律とヴァイオリンの装飾によって曲が展開していきます。
第二楽章では上品さあふれる舞踊から激しさを増し…第三楽章では3つの楽器が分厚く重なって、最後にはほんの少しの熱気と気配を残して消えます。
気品と優雅さは決して欠かさず、それでも心の中では情熱の火が灯っている。そんな哀愁漂う雰囲気がとても魅力的です。
私はこの曲でもうすぐ本番を控えており、現在猛練習中です🔥完成するのが楽しみです!
4.G.メノッティ:ヴァイオリン、クラリネットとピアノのための三重奏曲
イタリア出身のメノッティはオペラが有名な作曲家。アメリカでは定番になっているクリスマス・オペラ「アマールと夜の来客」が代表作です。
おどけているような冷たいような不思議なフレーズで始まり、まるでオペラを聴いているかのようにドラマティックに展開していきます。
3つの楽器が同じ旋律をフーガ的に繰り返していく場面もあり、それぞれの楽器の魅力と調和を見事に引き出した1曲です。
5.I.ストラヴィンスキー:兵士の物語
最後にご紹介するのはこの曲!ストラヴィンスキー作曲「兵士の物語」トリオ版です。
この作品は1918年に初演された朗読と演劇、バレエを融合させた舞台作品をストラヴィンスキー自身が三重奏にアレンジしたものです🎼
ここでは5つの曲に分かれています。
第1曲は劇中何度も繰り返される「兵士の行進」。
第2曲はとある兵士が悪魔に“金が手に入る本”とヴァイオリンの交換を持ちかけられる「兵士のヴァイオリン」。兵士は金を手に入れても心が満たされないことに気づきます。
第3曲はお金と引き換えに悪魔からヴァイオリンを取り返し、喜んで演奏する「小コンサート」。
第4曲は兵士のヴァイオリンで病が治った王女が踊りだす「タンゴ・ワルツ・ラグタイム」。
第5曲は兵士のヴァイオリンによって悪魔が退治される様子を描く「悪魔の踊り」です。
物語調で、兵士と悪魔の攻防にどんどん期待が膨らむ、そんな作品となっています。
いつか挑戦してみたい一曲です!
最後に
いかがでしたか?
この記事をきっかけに、ヴァイオリン・クラリネット・ピアノのトリオに興味を持っていただけたら嬉しいです✨
ここでは紹介しきれませんでしたが、この編成にはバルトークやシェーンフィールド、ベルク、アイヴズなどなど、他にも隠れた名曲があります!
皆さんもぜひ聴いたり演奏したりして、たくさんの魅力を発見してください!
それでは、またお会いしましょう。
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