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【夏こそ読書】事実は小説より奇なり。小説より面白いノンフィクションを読む。「ある行旅死亡人の物語」

こんにちは!ガクセイ基地ののどかです。早いものでもう8月。
「夏休みが始まったよ~!」という大学生も多いのではないでしょうか。
そして「今年の夏休みこそは実りあるものにしたい」と思っている大学生も多いはず。
私もその一人です。「今年こそはスマホのスクリーンタイムを減らすぞ!」と意気込んでいます。

そんなあなたにおすすめしたいのが、読書。冷房の効いた涼しい部屋で、本の世界に没頭する。スマホをいじって1日が終わるより、なんだか罪悪感も少ないのではないでしょうか?

この記事では、
⭐「夏休みは本とか読んでみようかな~」
⭐「小説はよく読んでるから他のジャンルにも挑戦してみようかな~」
そんなあなたのために、すらすら読めて、小説と同じくらい面白いノンフィクション作品を紹介します。読書オタクの私が2025年に出会った中でベスト3に入るくらい面白い1冊です!ぜひ最後までお付き合いください!

武田惇志 伊藤亜衣「ある行旅死亡人の物語」

今回私が紹介するのは
武田惇志 伊藤亜衣「ある行旅死亡人の物語」毎日新聞出版 2022

 

あらすじ
2020年4月。兵庫県尼崎市のとあるアパートで、女性が孤独死__
現金3400万円、星形マークのペンダント、数十枚の写真、珍しい姓を刻んだ印鑑……。
記者二人が、残されたわずかな手がかりをもとに、警察も探偵も解明できなかった身元調査に乗り出す。舞台は尼崎から広島へ。たどり着いた地で記者たちが見つけた「チヅコさん」の真実とは?「行旅死亡人」が本当の名前と半生を取り戻すまでを描いた圧倒的ノンフィクション。

ここからは、私が夏の読書として「ある行旅死亡人の物語」を推したい3つの理由を紹介していきます。

①馴染みのない、だから読みたい「行旅死亡人」

この本のタイトルにもなっている「行旅死亡人」という言葉。
ほとんどと言っていいほど、日常生活の中で耳にしない言葉ですよね。私も、この本に出会うまでは「行旅死亡人」という言葉をまったく知りませんでした。

行旅死亡人(こうりょしぼうにん)とは
病気や行き倒れ、自殺等で亡くなり、名前や住所など身元が判明せず、引き取り人不明の死者を表す法律用語。行旅病人及行旅死亡人取扱法により、死亡場所を管轄する自治体が火葬。死亡人の身体的特徴や発見時の状況、所持品などを官報に公告し、引き取り手を待つ。(本書より)

「ある行旅死亡人の物語」は共同通信の記者である著者が、行旅死亡人の情報が掲載されている民間サイト、「行旅死亡人データベース」の記事を読んでいるところから始まります。「行旅死亡人データベース」、気になる方は調べてみてください。

②ノンフィクション、なのに読みやすい

「ノンフィクションってなんだか説明文っぽくて面白くない」
「堅そう。驚く展開はなさそう」

この「ある行旅死亡人の物語」、まったくそんなことはありません。
「事実は小説より奇なり」という言葉があるように、「えっ?」「えー!」「…おぅ」と思っているうちにページをめくる手が止まらなくなっていきます。

事実だから、考えさせられる。興味が湧く。想像する。
私たちが生きている世界と地続きの場所で起こった物語だからこそ味わえる面白さが何よりの魅力だと思います。

・世界仰天ニュース
・アンビリバボー
・ファミリーヒストリー
この辺のテレビ番組が好きな人は、負荷なく読むことができると思います。そして普段ミステリーを好んで読んでいる人も…。とはいえ、「どんな人でも1回読んでみて!」という想いが強いので、ぜひ手に取ってみてください…!

ちなみに、人間って小説には合理性や辻褄を求める傾向があるそうです。
「こんなこと現実には起こらない!この小説はリアリティが足りないな!」みたいな。
逆に、現実で素っ頓狂なことが起こった場合には「え!そんなことあるの?!でも現実に起こってるしな…」と納得せざるをえないんだとか。

③ミステリーではなく、たった一人で死んだ女性の話

実は「ある行旅死亡人の物語」、フィクションであるミステリーとして読んでしまうと不完全な部分も多いんです。この作品はノンフィクションとして読んでこそ、最大限その魅力を感じられると思います。

わからない、追いきれない部分があるがゆえに、「人生とは何か」について考えさせられます。

「ある行旅死亡人の物語」を読み終わったとき、あなたは確かにそこに生きていた女性の一生について想いを巡らせることになるはずです。
たった一人の人生の物語だからこそ、この社会に生きているすべての人に物語があるのだということを再認識させられます。

 それでも今、私は死者について知ろうとしている。知りたいと思う。
 ”死”というゆるぎない事実の上に、かつてそこに確実に存在した生の輪郭を少しずつ拾い、結び、なぞること。それは、誰もが一度きりしかない人生の、そのかけがえのなさに触れることだ。
 路上ですれ違ったような、はたまた電車で隣り合ったような一人ひとりの人間の内にも、それぞれの物語があり、それぞれの風景が広がっている。 (p123より)

おわりに

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今夏はぜひ「ある行旅死亡人の物語」を読んで、人生というものに想いを馳せてみてくださいね。
私はこの本を買ったその日のうちに読破してしまいましたが(面白すぎて…)、ゆっくりじっくり噛み締めながら読むのもおすすめです。
それでは皆さん、よい夏休みを!!

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About the author

nodoka

法政大学社会学部メディア学科

趣味:食べること、寝ること、読むこと

いい意味でも、悪い意味でも能天気です😘

今年の目標は、素直に自己表現することです。

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