皆さん、こんにちは!ガクセイ基地ののどかです。
新生活の4月、期待と不安で胸が高鳴る4月…。
そして読書好きにとっては…。そう、本屋大賞の4月です。
先日、大賞の発表がありましたね。
2025年の大賞は、阿部暁子さんの「カフネ」でした。
私はまだ未読なので、「早く買って読まなければ…!」とわなわな震えているところです。
ちなみに本屋大賞ノミネート作の中での私の推しは、早見和真さんの「アルプス席の母」。この記事でも紹介しますので、お楽しみに…。
さてさて、今回の記事はまさかの【第1回のどか大賞👑】ということで、私が好きな本について好きなだけ語るというもの!!
第1回となる今回は、私の人生を変えた本たちを【のどか大賞👑】として勝手に表彰しちゃいたいと思います。
【追記】
完全に記事のネタ切れを起こしていた私に、
「のどか大賞やってみたら~~?」と言ってくれた、あずなちゃん・りこさん本当にありがとう…🥹
目次
NO.1 重松清「きみの友だち」
足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけで、クラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない……。優等生にひねたやつ。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。
読み返す度に感じ方の変わる1冊だと思います。
12歳で読んだ「きみの友だち」、14歳で読んだ「きみの友だち」。
17歳で読んだ「きみの友だち」に、20歳で読んだ「きみの友だち」。
初めて読んだときには意識しなかったところで泣いてしまったり、反対に初めて読んだときには「リアルすぎて痛い」と思った場面を「あるある。懐かしい」と俯瞰した目線で捉えられるようになっていたり。「懐かしい」と感じるのはそれだけ大人になった、鈍感になるということでもあるから、そう感じてしまった自分自身に少しの切なさを感じたり。
そして何といっても、タイトルにも入っている「きみ」という言葉。連作長編となっている本編でも「きみの話をしよう」「次はきみの番だ」と「きみ」が繰り返されます。
各短編の主人公たちを「きみ」と指すからには、彼らのことを「きみ」と読んでいる語り手がいます。
最後にこの語り手・書き手の正体が明かされたときに生まれた感情は「きみの友だち」、唯一無二のものだと思います。
私にはまだうまく表現できないのですが、こんな風に人生は続いていくんだと暖かくて、爽やかで、胸がじーんとして、微笑みたくなって、泣きたくなる。そんな気持ちになれます。
教科書に掲載されていた、「カレーライス」も大好き。
NO.2 有川浩「阪急電車」
「きみの友だち」に続き、こちらも連作長篇。
目次を見るとわかる通り、各話のタイトルが全て阪急電車・今津線の駅名になっているのもユニークです。
何の関わり合いもなかったはずの人々の人生が、電車での出会いによって重なり変化していく。
よく晴れた日に電車に乗ると、自然と「阪急電車」の登場人物のことを考えてしまいます。それくらい、日常に溶け込んだ物語なんです。
「阪急電車」に関わらず、有川浩さんの書くキャラクターは
「この世界のどこかで生きてる」「今日も〇〇頑張ってるんだろうな」と
私たちの生きる世界と続いている感覚を持たせてくれるから不思議です。
NO.3 瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」
あらすじからわかるように、主人公の優子ちゃんはとても複雑な家庭環境の持ち主です。しかし、「そして、バトンは渡された」の面白いところは、この複雑な家庭環境を悲観的にならず淡々と描いているところにあります。
優子の家庭環境を気にかける教師との二者面談の場面で、
と述べられていることからも、この物語の個性が見て取れるのではないのでしょうか。
優子の淡々とした性格が心地いいからこそ、波乱万丈な優子の人生を自然に受け取ることができるのだと思います。
そして本作を語るには欠かせない父親。
主人公の優子とは20歳しか年の離れていない、血も繋がっていない、けれど確かに優子の父親である森宮さん。
この森宮さんが魅力的で魅力的で…。頭は良く、しっかりとしていそうなのに、屁理屈を言ったり、父親であろうと張り切りすぎるあまり優子に呆れられたり…。
とっても面倒くさくて、とっても愛の深い森宮さんといささか達観しすぎている優子との掛け合いのテンポ感が私は大大大好きです。
NO.4 五十嵐貴久「For You」
とっても正直に言ってしまうと、これはミステリーというよりは恋愛小説に振り切っていると思って読んだ方がいいです!
私の場合ミステリー小説としての衝撃はあまり感じませんでしたが、描かれている80年代の青春模様の輝きが新鮮で…!
読みながら、「今は便利すぎて、ロマンチックさが薄れてるのかな???」と思ってしまうくらい、80年代の不便さが程よくむず痒かったです。
この物語のヒロイン・80年代で青春を送る冬子(急逝した朝美の叔母)の自己分析が客観的なところも良かったです。
恋愛小説というと、「あの人私のこと好きなのかも…!」(あるいは「嫌われてるかも…」)などの勘違いが読者をもやもやさせたり、成り行きに突っ込みたくなったりすることもしばしば…。
ですが、「For You」のヒロイン・冬子は賢い。
彼女の知性や一本通った芯を随所から感じられるため、彼女の思う「あの人は私のことが好きなはずなのに」に、読者は共感するしかありません。
「そうだよね!私もそう思う!冬子間違ってないよ、大丈夫だよ!」と応援の気持ちでいっぱいになります。
NO.5 凪良ゆう「流浪の月」
「流浪の月」を初めて読んだのは、高校1年生のとき。
ざっくりとした括りで申し訳ないのですが、私はこの物語を愛の話だと解釈しています。
愛には色々な形があって、私たちはそれに「恋」「友情」「家族愛」などという名前をつけています。そして、名前がついているから「恋」「友情」「家族愛」と言われればその気持ちに納得するし、その愛を愛として受け取ることができます。
「流浪の月」で描かれるのは、「恋」でも「友情」でもはたまた「家族愛」でもない、名前のつかない、説明不可能の愛です。
それゆえに、本作の主人公である更紗と文の関係は周囲の人々を困惑させ、世間に許容されません。
でも、更紗と文によって紡がれる物語を読めば、確かな愛の存在を認めざるを得ません。
言語化して納得するのが好きな私に、説明できないけれど確かに存在するものを知らせたのはまぎれもなく「流浪の月」です。
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NO.6 益田ミリ「僕の姉ちゃん」
「憧れの人は?」と誰かに聞かれたら、私は「姉ちゃん!」と答えたい!!!!
私の思う人間として面白い人って、まさに姉ちゃん、そのまんま!
言葉選びのセンスや徹底的に自分を甘やかすところなど、面白いし楽しいし、「こんな大人になれるなら人生全然捨てたもんじゃないな!」と思います。
姉ちゃんだけではなく、いい奴なのになんだか頼りない、まだ花開いていなさそうな弟のキャラも魅力的。ほぼ毎回、姉ちゃんに馬鹿にされる回答をしてしまうところも愛すべきポイントです。
4つ下の弟を持つ私も、弟を見て「こいつ、ほんとに馬鹿だなぁ笑」と思う場面は多い(多すぎる)ので、姉弟というコミカルな関係性にも大共感でした。
シリーズものなので、他の「姉ちゃんシリーズ」もぜひ!順序関係なく、どの本からでも気軽に読めます!
NO.7 早見和真「アルプス席の母」
高校球児の母親でも、はたまた母親でも、さらに高校生の息子がいるような年齢でもない私。そんな私でも、冒頭から一気に引き込まれ、気が付いたらその日のうちに読み終わっていました。
菜々子と一緒に息子・航太郎の体調を心から心配し、ベンチ入りを喜び、野球を楽しんでいる姿に涙し、「それでも欲を言うなら勝利を…。そして航太郎の頑張りと、ひいては母親である私の頑張りも報われますように…」と願う。
「アルプス席の母」の354ページの間、私は確かに高校球児の母親でした。
息子のレギュラー争いや部の運営方法のズレなどが絡み合う父母会のギスギス感、それでも「チームに勝利してほしい」「子どもたちが一生懸命楽しんでいればそれでいい」という共通した親としての想いがとてもリアルでした。実際に高校球児の母親である私の母から聞く保護者会の空気感そのまますぎて、引きました(いい意味で)。
読後には「こんなに応援させてくれてありがとう、航太郎!」という気持ちになります。
野球の物語というより、高校野球を通して描かれる親子の物語です。
👀著者である早見和真さんのインタビュー記事!面白かったのでぜひ!⚾🧢
「憧れたのは全国大会ではなく甲子園」元球児の作家が語る高校野球|朝日新聞
NO.8 東野圭吾「容疑者Xの献身」
私がミステリー小説にハマったきっかけになった本作。私の中では、原点にして頂点です。
トリックが判明した瞬間の驚きはもちろん、そのトリックが意味する重さを理解したときの衝撃は「容疑者Xの献身」唯一無二のものだと思います。
手の込んだトリックや「そうだったのか!騙された!」と驚く仕掛けのあるミステリーは山ほどあるのですが、それに加えて濃密に人間を描いているミステリーは少ない気がしています。
愛する隣人を守るために石神はどんなトリックを使ったのか。
そのトリックの重さ、すなわち石神の想いの悲痛さに言葉を失うこと間違いありません。
トリック以上に、その手段が意味する人間の想いの壮絶さに驚かされるという点において、私にとって東野圭吾さんは大好きという言葉では足りないくらい大好きな作家さんです。
「献身」という言葉の重さが突き刺さります。
NO.9 有川浩「図書館戦争」シリーズ
公序良俗を乱す表現を取り締まる『メディア良化法』が成立して30年。高校時代に出会った、図書隊員を名乗る”王子様”の姿を追い求め、行き過ぎた検閲から良書を守るための組織・図書隊に入隊した一人の女の子がいた。名は笠原郁。不器用ながらも、愚直に頑張るその情熱が認められ、エリート部隊・図書特殊部隊に配属されることになったが……!?様々な困難と出来事、そして、本を狩る組織・メディア良化委員会にひたむきに立ち向かう、郁を始めとする図書隊の面々。そう、すべては本と自由を守るため……。
再び登場、有川浩さんの名作です。
本好きなら、絶対に刺さるエンタメ作品だと思います。
誰が見てもかっこいいアクションに、戦う理由が「本を守るため」と来れば、本好きが熱狂しない訳がありません。
『メディア良化法』なんて恐ろしい法律が施行されている世界には生まれたくないですが、「郁たちと本のために戦ってみたい!」という憧れはずっとあります…。
幼少期に仮面ライダーやプリキュアに憧れたような、そんな感じ…。
図書館が独自の部隊、武器を所有し国家と戦うというある意味ぶっ飛んだ設定なのですが、物語の筋や登場人物の心情の動きに納得感があるので、すんなり物語の世界に入り込めます。
私の推しは手塚&柴崎カップルかなぁ…。堂上&郁は安定に大好きです。(オタク丸出しですみません笑)
NO.10 東野圭吾「白夜行」
読み始めるのには、少しの気合が必要です。なんせ、重いので。
亮司と雪穂が歩む月日の重み、そして圧倒的な本の重量。
読後、二人が歩んだ日々の重さとラストシーンの衝撃が押し寄せ、放心状態になりました。読み終わった日には何も手につかないくらいの、重厚感がある1冊です。
何を言ってもネタバレになりそうなので詳細は控えますが、やはりラストシーンは圧巻。
その冷たさに触れたときの恐ろしさ、その冷酷な美しさ、それを美しいと思ってしまったという救いようのなさは、やっぱり魅力的で「凄い」の一言だと思います。圧倒されます。
「第1回のどか大賞👑」いかがだったでしょうか??
好きな本について好きなだけ書くという初の試みに胸が高鳴り、だいぶ長い記事となってしまったこと、お詫び申し上げます。
「第2回のどか大賞👑」もお楽しみに!!!!
📍ガクセイ基地の春新歓!!2025!