メディア 企業研究

調布FM/地域に根ざし、工夫を凝らすラジオ

みなさんは普段ラジオを聞きますか?

テレビや新聞などとは違う耳のみで楽しむメディア、「ラジオ」。

人が話しているという暖かみすら感じることが出来るラジオは娯楽の1種としてだけでなく災害情報を伝える手段としても人々の暮らしに深く根付いていると思います。

 

今回は調市のコミュニティFMである調布エフエム放送株式会社で番組編成、営業などを行っている袴田荘之介さんに取材をしてきました。

 

 

 

はじめに、TOKYO FMやJ-WAVEなどのキー局とは違う「コミュニティFM」とはどういったものでしょうか?

「コミュニティFMとは放送範囲が限定されており、総務省の管轄で1つのエリア自治体に対して1波というように電波が割り得てられているものです。調布FMの場合は調布市全域だけでなく狛江市も100%カバーしています。ちなみに車のラジオは感度がいいので東は新宿から西は国立まで聞く事が出来るんです。」

 

僕は放送範囲外に住んでいるのでサイマルラジオ(ネットサービス)で聞かせていただいています。こういった聞き方をする人は多いのでしょうか?

「そうですね、最近は実際のラジオで聴くというよりもネットを使ったサイマルラジオで聞いている人の方が多いと思います。皆さんスマートフォンを持っていますし、聞きやすいですからね。しかしあくまでラジオなので実際の電波に乗っているということを意識しています。」

 

どういった経緯、目的で立ち上げられたのでしょうか?

「(調布の場合はですが)災害時の情報伝達が主な目的です。

自分がどこに避難すればいいのか、どこにいったら食料が手に入るのか、今後の公共機関がいつ再開するのかといった自治体レベルの災害情報はNHKなどの大きなキー局だと取り上げなく、そういった自治体レベルの情報を伝達する手段は意外と無いんです。他には市報など紙媒体のものがありますが、速報性に乏しく、防災行政無線も細かい内容が伝えられなく台風の時も聞こえないなど、リーチする能力に乏しい。そういった意味で誰でもどこでも聞く事が出来るラジオというメディアを取り入れる自治体が阪神淡路大震災以降増えてきました。」

 

1つの株式会社として運営されているのでしょうか?

「そうですね。ただ元々は市民の方が調布にコミュニティFMを作ろうといった運動を行い、それを受けて調布市が主導的な立場をとって作られたました。」

 

他の局もそういったものが多いのですか?

「そうです。僕らが開局した1998年頃はそういう(行政が主導で行う)局が多かったです。最近は結局のところお金の問題になりますが、どこの自治体も自由にお金が使えないので自治体主導というのは最近はほとんどないのかな・・・。NPOが立ち上げて市民レベルで行うといったものが多いと思います。」

 

主な視聴層はどこでしょうか?僕は4,50代が多いと思うのですが・・・。

「各番組によります。普通のFM局は全体を通して(ステーションイメージ)年齢層、ターゲットを絞る傾向があります。今のFM局のメインターゲットは、昔しっかり音楽を聞いていてハイセンスな暮らしに憧れた人の年齢層が上がって行くのに合わせてカラーを変えているのかなと思います。そうなるとメイン層はFMでも40代とかだと思います。

 逆にコミュニティFMの場合は、子供からお年寄りにまで避難の情報を聞いてもらわないといけないので、いざというときに一部の人しか知らないとまずいです。そこで全体としては全年齢層をカバーできるバランスをとった番組編成にしているつもりです。行政が絡んでいるということもあり、あんまり偏っていると怒られてしまうかもしれないですね。」

 

番組の編成を行う上で気をつける事はなんでしょうか?

「先ほど言ったように偏らないようにしています。ただ最近の調布FMの傾向としては個々の番組としてはリスナーを絞るようにしています。開局してから5年くらいはみんなが聞ける番組を中心にしようとしていましたけど、そういうのが増えてもあんまりおもしろくないんじゃないかなと思うようになりました。

 例えば想像して欲しいんですけど、「この番組誰がきくんですか?」と聞いた時に「みなさん聞きますよ」っていう説明されても自分が聞こうと思わないじゃないですか。例えばだけど「30代でいつも仕事で疲れているサラリーマン対象の番組なんです。」って言った方が聞いてみようか、ってなる人が多いと思います。全体としては老略男女を狙いにいくけれど、個の番組としては「これはおじいちゃんを狙いにいく」などといった形にしています。」

 

 

番組自体は調布市に根付いたものが多いのでしょうか?

「原則はそうです。特に生放送の番組は色んな情報を絡めているので調布に根付いたものが多いですが、それ以外の録音モノはあえて調布を意識していない。結局のところ同じようになってしまうんですよね。Aという番組では全体狙うものを作ったとしたらBという番組ではあえて調布には触れないなど、メリハリをつけてます。」

 

そういったものが視聴者を増やす為の取り組みなのでしょうか?

「そうですね、他には・・・コンテンツをそろえてどのようにリスナーに届けるかといった問題などからWeb周りの広報というものを始めたので上手くお客さんを集めたい。Webで情報を広いそこで盛り上がり、そのままWebでラジオを聞いてもらうという流れを作っています。」

 

競合の局はありますか?

「そもそも目的とか規模とか違いますし、争ってもしょうがないので基本的には競合は無いと考えています。

 東京って娯楽が沢山あるじゃないですか、僕らの為に時間を使ってくれるためにはどうしたら良いだろうと考えた場合、東京という立地がもう競合なんですよね。その沢山の選択肢の中から選んでもらうためにエッジを効かそうと常に考えています。」

 

それでは袴田さん自身の質問なのですが、1日の仕事内容はどのようなものですか?

「僕の業務は、番組の編成・全体統括と営業面の統括(CM関係)です。時期によってだいぶ変わりますし、1日のルーティンというものが無いですね。7月に入ると10月の番組改変の準備があるので、それに向けて忙しくなります。それと年末にかけては翌年度のスポンサーの確保などの仕事があります。」

 

 

番組編成とは?

「編成の基本的な考え方は、どの時間を使ってどんなことをするのかを決めることです。具体的には全ての番組で老若男女に向けてどうするかを決める、その上でこの番組では女性を狙うなどを決めることですね。」

 

大学生が担当する番組の枠もいくつか設けられていますが、そのように大学生とコラボする理由はなんですか?

「地域の人に参加してもらう、というのが最大の意義です。番組の編成を行う上でとにかく多くの人に聞いてもらいたい番組もありますし、ローカル色を出していきたい番組もある。その中で大学生とコラボする理由はローカル色を出したいからです。」

 

入社のきっかけは何だったのでしょうか?

「本当に偶然ですね。当時は大学院に進学するつもりで、この調布市民文化会館たづくりでアルバイトをしていたんです。元々ラジオが大好きだった僕は新しくこの調布FMが開局されることを知り、アルバイトとして応募しました。正社員としてだったらOKといわれたのでこちらで働くことになりました。」

 

仕事のやりがいや面白い点はなんでしょうか?

「ラジオって娯楽の1つじゃないですか、なので視聴者が聞いてくれているということを実感する時が嬉しいですね。今はネットなどでも多くの感想をいただけるのでさらに面白くなってきました。」

 

逆に大変な点はありますか?

「無いですね。ただ、少人数でやっているので番組制作(企画、営業、制作、アナウンス、ミキサー、完パケ)を1人でやらないといけない時もあります。ただそのぶん出来たものの結果が見えやすいです。大きい会社だと自分がどれくらい役に立っているのだろう、ということで悩んだりすることもあります。」

 

ラジオ全般の話になってしまうんですが、テレビとは違ったラジオの魅力はなんだと思いますか?

「こういうこと言うと怒られちゃうかもしれないですけど、僕は昔からラジオそのものが大好きで概念自体が魅力的だと思っていました。しかし、それは最近違うなと感じています。会う人に「ラジオ局で働いています」って言うと「ラジオ良いですよね!」ってみなさん言うのですが、そういう人ってラジオを聞いていないんですよね。それって言い方は悪いですが伝統芸能みたいって考えるようになったんです。イイネ!とは言うものの実際には見に行かない。それって良くないですよね。

ラジオ自体はノスタルジーな感じとかみんな思い入れがあり良いイメージを持っていて、震災の時に役立ったという実意の部分もあるんですけど、実際に聞いてもらえないことには始まらない。(概念として)ラジオだからいいよねって人は沢山いるが、あくまでメディアの一つなので中身で勝負して欲しいです。」

 

一緒に働きたい人はどんな人ですか?

「面白いことをする人ですね。自分の好きなジャンルだったらある程度自分で色々実践できるじゃないですか。クラシックが好きだったら、どうやって聞かせればリスナーが楽しんでくれるだとか。僕が出来ない事をする人、ちゃんと実行までうつしてくれる人がいいです。」

 

大学生に向けての一言お願いします。

「色んな引き出しをもって欲しいというのがまずはベースにあります。僕は世の中に存在するものは全部面白いと思っています。少なくとも現在まで残っているものいうのは何らかの意味があるはずなので、そういった面白いことを沢山知って欲しいです。

 しかし、そういうことばかりだと浅く広くになってします。もちろんそれも大事なことなのですが、そのうち2、3個数は突き抜けて欲しいです。ジェネラリストになるかつ突き抜けて欲しい。本気で何かに取り組んでいる人からすると突き抜けた考えを持っている方が面白いですからね。」

 

 

 

 

実際に使わないとモノは意味が無い、ラジオの存在価値を改めて考え直す良い機会となりました。袴田さん本当にありがとうございました。

コチラから調布FMの放送を聞く事が出来ます!

-調布FM http://www.chofu-fm.com/

 

執筆者:焼山直紀

 

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atsushi

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