メディア 企業研究

ひとりの記者として働くということ/京都新聞社 小坂綾子さん

みなさんは、新聞記者に対してどのようなイメージを持っていますか?

かっこいいイメージでしょうか。それとも、大変そうなイメージでしょうか。

実は、一口に「新聞記者」といっても、所属している部署や、その人ごとに働き方が大きく異なるのです。

今回は、株式会社 京都新聞社の編集局文化部で記者をされている小坂綾子さんに、一記者としての働き方と、その魅力を伺いました。

 

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—僕自身、新聞記者に対して、忙しいイメージや時間に追われるイメージをもっていたのですが、小坂さんは、記者になる以前どのようなイメージをもっていましたか?

事件報道などを担当する記者は、そのようなイメージに近いところがあるかもしれません。ただ私は、テーマを設定して、誰も知らないようなことをコツコツ調べて記事を書く、というイメージを元々抱いていました。現在の担当もまさにそういったタイプなので、ある意味ではイメージ通りの働き方ができていますね。また、私はいま2人の子育て中で、他の記者とは異なり、7時間の時短勤務で働いています。そういう点でも、記者それぞれの働き方があるのです。

 

—どのようにして、テーマを設定したり、ネタを見つけたりするのですか?

どのようにと言われると難しいですが、取材先の人とのお話の中で新たなテーマが見つかるということはよくありますね。ネットを参考にしたり、地域の情報であればチラシに目を通したりして、面白いと思ったものから取材を広げたりもします。あとは、そのようにして決まったメインの記事に対して、内容を深めることを考えて関連情報を集めるということもあります。

 

—文章力が重要になる仕事だと思うのですが、もともと文章を書くことは得意でしたか?

いいえ、文章力に特別自信をもっていたわけではありませんでした。ただ、文章を書くことは好きでしたよ。日記を書いたり、国語の授業で小説を書いたり、楽しみながら学んでいたという部分はあるかもしれませんね。でも、記事の文章は全然違っていて、新聞記事には新聞記事の書き方があるんです。

 

—そういった記事の書き方は、社内で訓練されるんですか?

そうですね。実際にやっていくなかで学ぶという感じです。最初の頃に書いた記事は半分どころか、丸々直されてしまったなんてこともありました。

 

—やはり、文章を書くのが好きじゃないと続けられませんか?

いえ、周りの記者を見ていると、文章を書くのが好きな人と、取材が好きな人のどちらもいる気がしますね。部署によっては、情報をいち早く取ってくることが勝負で、文章の表現よりも事実に迫る能力が問われるところもあるので、必ずしも書くことが好きでなければいけないということはないです。

 

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—それぞれの働き方があるんですね。そういった部署への配属や異動はどのように行われますか?

まず入社後は地方の支局へ行くのが基本ですね。例えば京都だったら丹後や丹波などへ行って、その地域の中で幅広いテーマを扱って、総合的な見方を養います。その後、特定の部署に配属されて、そこで専門知識を身につけていくというのが一般的です。私は取材部門でない紙面編集の部署での経験もあります。内容の重要度に沿って記事の扱いの大きさや配置を考えるという紙面編集の仕事を踏まえて、記事の書き方も充実してきたのかなと感じています。

 

—お仕事の中で大失敗した、という経験はありますか?

大失敗というわけではないのですが、新人の頃に教訓を得たというか、考えさせられたということはありましたね。公園の野良猫にえさをやっている人がいて、野良猫が増えて困っている、という話を聞き、「えさをあげないで」という記事を書いたんです。その後、その記事に対して、愛猫家の方から抗議が殺到し、「えさをあげないと、その猫は死んでしまうじゃないか」と、強く批判を受けてしまいました。どちらの意見も正しいと言えますし、新聞記者としては両方の主張に耳を傾けなければならなかったなと痛感しました。

 

—記者の仕事を通して、嬉しいと思うのはどんな時ですか?

文化部に来てから「働く」というテーマで連載をもっていて、再就職を目指す人たちのルポをしたんです。それに対して、同じような境遇にある方から、「私もがんばろうと思いました。」という反響があり、私自身そういう人々の背中を押したいと思っていたので、その時はとても嬉しく思いました。

新聞はネットに比べ読者の反応を得ることがなかなか難しくて、自分の書いた記事が誰かを励ましたのか、逆に傷つけてしまったのかわかりにくいんですよ。だから、そういった反響はすごく貴重で、今後の取材への原動力になりますね。

 

—学生が新聞をあまり読まないことが問題となっていますが、ぜひ、そういった学生に向けて、新聞の魅力をおしえてください。

新聞はおおよその文字数が決まっていて、限られたスペースの中に重要な情報を盛り込まなければいけないので、無駄がなく、集約されているんですよね。リードがあって その後詳しい説明があって、っていう形式も読んでいて読みやすいと思います。あとは、幅広い情報が載っているので、普段興味を持っていないようなことを知るきっかけになるのではないでしょうか。最近ではネットに情報があふれていて、若い人が情報を取捨選択するのはすごく難しいのではないかと感じますが、新聞は信頼できる情報源として今後、さらに重要度は増してくると思いますし、私自身も記者として若い人たちに対するそうした役割を果たしていきたいです。

 

株式会社 京都新聞社

http://www.kyoto-np.co.jp/

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