学生インタビュー

newvery/正しい大学選びって何なのか

 

今回はNPO法人NEWVERYの倉部史記さんに、現状の進路選択の問題点と原因、それを解決するために取り組んでいる企画についてお伺いしました。

早速ですが、まずは現状の進路選択の問題点を教えて下さい

はい。ところで4年生大学を卒業すると、文部科学省認定の学士号というものが授与されるのですが、この学士号は日本に何種類あると思いますか?

実は679種類もあるんですよ。(2013/4月現在)

しかも、うち6割は1つの大学にしかないんです。これを私は「オンリーワン学位」と呼んでいます。特定の名称は避けますが、オンリーワン学位の多くはカタカナ2語を付けたり、カタカナと漢字を組み合わせたものが多いです。
新しい学問や学位を生み出して学ぶということは良いことです。しかしその一方で、学位とは「その人がどのような学問を学んだか・どのような能力を持っているか」の証明ですから、オンリーワン学位では証明にはなり難いのです。

 

また残念なことに、従来の進路相談の多くはこのような状況です。

 

 

生徒は心理学を学びたいと言っていますが、実は違うかもしれませんよ。このように。

 

例えを挙げればキリがありませんが、皆さんにもこんな経験があったかと思います。よく大人が「最近の高校生は進路決定力が落ちた!」と言いますが、昔とは状況が大きく変わったんですね。90年代初頭までは、学士は9種類しかありませんでしたから、選択の幅も狭かったんです。

現在これだけ多くの学位(学部)あると、高校生は進路選択時に大変迷ってしまうんですよ。また、学部選びに失敗してしまう可能性が大きいのです。

そして、なんとなくその学部のイメージで自分の進路を決めてしまったが故に、実際に入ってみて授業を受けると、ギャップが大きすぎてつまらないということが多々あります。しかも進路を決めるときに、その勘違いを注意してくれる人はほとんどいません。

その歪はどう現れていますか?

1つは“毎年4万人の大学生がセンター試験を受けている”ということに示されています。昔からいわゆる仮面浪人は存在しますが、ここ9年間で60倍に増加しているのです。経済状況が悪い昨今、彼らはどうして、わざわざ大学に入って浪人するのかを考えると、先ほどのようなミスマッチが原因で入学後に進路を変更した可能性が大きいんですよ。
またメディアの見出しにおいて「仮面浪人激増」とよく伝えられていますが、学生が仮面浪人をする背景を考えると、少し昔とは意味合いが違うなと感じます。

もう1つは“毎年6万人の大学中退者が存在すること”です。全国に大学生は240万人いるので、数パーセントでしかありません。しかし中退者数は二極化していて、ほとんど生徒が辞めない大学もあれば、生徒の2〜3割が辞める大学もあります。ですので、後者にとっては大きな経営問題となっています。
つまり仮に一年間の学費を100万円として、一年生の生徒が中退した場合、大学は残り3年間の学費・300万円を失ったことになります。
“たった10人”が中退しただけでも、大学は3000万円の機会費用を失ったことになるんですね。

このように高校生が進路で誤った選択をしてしまうことは、もちろん彼ら自身にも、そして大学にも、デメリットでしかないんですよ。

 

そのような現状を踏まえて、正しい進路選択とは何なんでしょうか?

高校生が自分の価値基準に合った大学を選ぶことです。我々はこれを“自分のものさしに合った大学選びをしよう”と分かりやすく言い換えています。

就職率や偏差値といった“ものさし”も確かに重要です。しかしそれ以上に、自分は何を学んで将来何をしたいのか・大教室で受けたいのか少人数クラスがいいのか・ゼミは何年生で入りたいのか、といったことを突き詰めることが大切だと感じます。

しかし高校生が、大学の普段の授業内容や大学の雰囲気を知ることって、めったに無いですよね。
オープンキャンパスは今やどの大学にもあります。しかし綺麗な立て看板が並ぶ中、あくまでも高校生は“見学者”として対応されて、教授が高校生向けの話をするといったものがほとんどです。そして結局、この大学が普段何をやっているのか分からないまま、楽しい雰囲気を味わっただけで一日が終わります。

そこを変えるために、我々は「WEEKDAY CAMPUS VISIT」という企画を行なっているんですよ。

具体的に「WEEKDAY CAMPUS VISIT」とは何を行う企画なのですか?

高校生に大学に連れて行き、“一学習者として”大学の授業を体験してもらいます。ですので、オープンキャンパスのように、高校生を“見学者”として扱うことはありません。

具体的にはまず最初にガイダンスを行い、その日に受ける授業の印象や自分が気になっている点を、分からないなりに答えてもらいますよ。そして終了後、自分が想像していたような内容の授業だったのか、大学に入ってそのような学問を学びたいかなどをフィードバックします。

もちろんこの企画の目的は、高校生に大学の授業を理解させるためではなく、自分なりに大学の学びを考えて、正しく進路を選ぶきっかけにするためですね。

この企画は昨年から試験的に始めて、今年の春から本格化しております。現在は青山女子短大・立教大・産業能率大・聖学院大・京都大の方々とプログラムを企画しており、確かな手応えを感じておりますので、今後さらに拡大していこうと考えております。

 

 

今後、高校生の進路選択は改善すると思いますか?

はい、改善していくと、していかざるを得ないと思います。

皆さんは「キャリアショック」という現象をご存知ですか?“それまで長い間学び、培ってきた技術が、あっという間に役に立たなくなる”現象です。
技術革新が代表的な一因ですね。また米デューク大学の研究で“2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就く”という調査結果が出ています。

つまり、“どう食べていくか”ということをしたたかに考えても、答えがないんですよ。ですから、“自分のコンパスを磨くしか”ありません。自分にとってはこういう働き方に生きがいがある・こういう問題解決をして社会の訳に立ちたい、などといった強い信念を持つことが重要になってくるでしょう。

高校生にとって大学の進路選択は、自分のキャリアを考える最初のキッカケとなります。だからこそ見誤ってほしくありません。

 

そしてそこを解消するお手伝いをするのが、我々の責務だと思います。

 

 

 

NEWVERYとは

2002年設立。“可能性は誰にでもある。機会と環境が人を変える。”という信念をもとに、あらゆる立場の若者の支援を行なっている。

主なプロジェクトは以下に記載

日本中退予防研究所

WEEKDAY CAMPUS VISIT

トキワ荘プロジェクト

About the author

atsushi

Add Comment

Click here to post a comment

【日本初】この夏、留学。あのNASAに。

【日本初】この夏、留学。あのNASAに。

本要らず!エクセルの小技特集!!

本要らず!エクセルの小技特集!!

リアルすぎる?!ちょっとおかしな韓国語教室

リアルすぎる?!ちょっとおかしな韓国語教室

Follow Me