How To 学生生活

思い出づくりではない、本当の国際協力とは!?/学生団体 ASANTE PROJECT

グローバル化する社会の中で、よく目にする“ボランティア”。
ボランティアって何?どこまで支援すればいいの?何から始めればいいの?
ただ物資の支援をするのって、限界があるのでは?
そんな疑問を解決するべく、学生ボランティア団体 ASANTE PROJECTさんへ取材に伺いました!

 

 

学生団体 ASANTE PROJECT
創立 2016年4月
現地のニーズを肌で感じ、持続的な支援を目指す。学生の力で社会に変化をもたらそうと拡大し続ける団体。
現地学校の外壁づくり、テキスト製作、クラウドファンディングなどに取り組む。

 

ASANTE PROJECT 代表の稲川雅也さん

代表 稲川 雅也(いながわ まさや)
早稲田大学に通う4年生。当初、団体を設立した二人のうちの一人である。はじめはボランティアに対して消極的な考えを持っていたが、アフリカへのバックパックの最中に現地の教育環境を目の当たりにし、団体の設立を決意した。熱い思いを胸に、信念を貫いた活動を行う。
(→執筆記事
 
 
ASANTE PROJECT 渉外担当の中西奏人さん(左から2番目)
渉外担当 中西 奏人(なかにし かなと)
上智大学に通う2年生。第二回目のタンザニア現地訪問に同行し、イメージと現実のズレに衝撃を受けたという。2016年の秋に入団し、渉外部門を担当する。現地に赴き、イメージを透明化することを重視している。

 

思い出づくりではなく、ニーズに応えるボランティアへ

―団体設立の経緯を教えてください。
 もともと、趣味でバックパックを行っていました。ボランティアはどこか胡散臭く感じ、消極的に受け取っていました。
しかし、アフリカに行ったときに、衝撃的な事実を目の当たりにしました。現地校の倉庫から出されたのは、大量のぬいぐるみや色鉛筆だったのです。なぜ、これらは埃をかぶっているのでしょうか。それは、現時点で本当に必要なものではないからです。今本当に必要なものは、高価なものなんかではなくて鉛筆と紙、それだけだったのです。この事実を知った時、「学生でもできる」と感じました。これが団体を立ち上げるきっかけとなりました。

―どのような活動をしているのですか。
まずは、実際に現地へ赴くと、外壁や校門がないような状態でした。校舎は金網で囲まれているだけだったのです。スコール(豪雨、雷雨などの激しい天候変化)が発生すると土砂が校内に流れ込み、授業どころではなくなるのです。一番のニーズは“外壁“だと思いました。そこで、クラウドファンディング(webを上で、他人や組織に財産の提供・協力を求める、資金調達すること)を利用して、外壁をつくるプロジェクトを行いました。→クラウドファンディング詳細ページはこちら
また、現地の生徒たちは経済的に教科書を持てず、教室のポスター1枚で勉強していました。ニーズに応じて、彼らが継続的に使用できる教科書の製作や、勉強するのに最低限必要な机といすを配布しました。

外壁を作るために現地で購入したブロック

ASANTE PROJECTさんがオリジナルで製作した教科書

―活動1年弱にして、すでに多くの取り組みがなされているのですね。活動する上で心がけていることは何ですか。
 支援する前に、現地を理解することです。まずは調査して、正しいニーズを捉えます。本当に支援が必要であるかを判断して、支援に移ります。

―ニーズがキーワードなんですね!では、運営する上での志を教えていただけますか。
 今日、ボランティア団体は腐るほど存在します。その中の一つとして埋もれてしまいたくはないです。私たちの団体は、ボランティアをやりたくて貧しい国を探すのではありません。むしろその逆なのです。現地に行ってみたときに状況を知り、国際協力をしたいという意思が生まれます。その手段としてボランティアを選んでいるのです。他と差別化し、一線を画したいという思いで活動に取り組んでいます。

 

ボランティアで、生きる世界が変わる

―印象的な出来事などはありますか?
たくさんありますが、一例をあげます。アフリカは、ボランティア地域としてよく挙げられる東南アジアよりも、外国人が圧倒的に少ないように感じました。そのため、明らかに自分たちのほうが裕福そうな恰好をしていても、物乞いなどしてきません。「カリブ(ようこそ)」と気持ちよく私たちを迎えてくれました。純粋な興味で、私たちと関わってくれるのです。その優しさや温もりに触れ、今現在のアフリカの良さを実感しました。

眠る現地の子供

―素敵な国民性ですね。活動を通して得たものは何ですか。
 1番強く感じるのは、人脈です。私は、人脈=生きる世界だと思っています。ボランティアをするにあたって、関わる人がグッと増えました。生きていくコミュニティが大幅に変わった、つまり、生きる世界が変わったのです。

 

ASANTE PROJECTの広がりは止まらない

―持続的、長期的なボランティアに向けて、どんなことをお考えですか?
 ボランティアが抜けた後、支援校がどのように維持していくのか常に考えています。私たちが今からできることとして、例えば、現地の先生方に“教え方“を教えています。
継続的なボランティアにするには、どうすれば良いか、どこでボランティアを引き上げるべきか、などの問題は課題としてこれからも考えていきたいですね。

授業の様子

―今後、新たに取り組みたいことはありますか?
 新たな取り組みとしては日本国内の幼稚園視察に力を入れていきたいと思っております。タンザニアの幼稚園にボランティアに行った際、たくさんの課題が目につきました。子供たちの集中力を持続させるには、興味を引き出すには、統率を取るには、どうしたら良いか、教育の根本から考え直したいと思っております。
(→日本の幼稚園視察の際の記事
 また、当サイトを情報サイト化していきたいと考えております。団体として、アフリカの良い面をより多くの学生に知ってもらいたいという考えがあります。よく、ネガティブキャンペーンといわれる宣伝方法がありますが、逆に、アフリカの良さを知ってもらって、ボランティアに興味を持ってほしいです。こんなに素敵な国なのに、こんな苦労がある、という意識を持ってもらいたいのです。

―確かに、ボランティアが自己目的化している団体も多いように感じます。最後に、学生にメッセージはありますか?
〈渉外担当 中西さん〉
 もともと、アフリカにもボランティアにも興味がありました。しかし、実際に現地に足を運んでみると、イメージしていたものとは違うアフリカが広がっていて、自分の中での“アフリカ”が鮮明になりました。机上の空論という言葉がありますが、その通りで、現地を自分の目で見て、先入観を壊すことが大切です。まずは「知る」こと、それを「繋げる」こと を多くの学生にも体験してほしいです。

〈代表 稲川さん〉
 今しかない大学生活を悔いのないように送ってください。大学生活は人生で一番自由な時間です。二度と戻らない4年間を後悔しないように過ごしてほしいです。
当団体は、自分から連絡してくる子のみを受け入れています。新歓は行っていません。また、体験に来た子にも入るのは「うちじゃなくてもいい」と伝えています。ボランティアは他人の人生が関わっているので、重く受け止めてほしいのです。そのため、当団体は意識の高い学生で構成されています。

代表さんが初めてタンザニアに行った際

―先日美容室アプリrequpo(リクポ)さんとコラボしたと聞いております。

はい。requpoで予約して美容院に行くと、アフリカの子供たち5人に筆記用具(鉛筆・消しゴム・ノート)が送られます。1人の“キレイ”が誰かの“ミライ”に繋がります。
ぜひ皆さんもrequpoで予約してアフリカの子供たちの“あたりまえ”を私たちと一緒に支援してほしいです!

(→コラボ企画のHP記事

 

―ありがとうございました。

 

【編集後記】
 いかがでしたか?今日では、頻繁に目にする“ボランティア”ですが、自己満足や思い出づくりで終わらせない、本当のボランティアとは何なのか、筆者は常に考えていました。
 支援後の状況を“維持”していくには、奪われることのない、“知識”を共有することが必要であると感じます。
それに加えて気づいたことがあります。今回取材をさせていただくにあたって、筆者は、物資の支援は限度があるのではないかという疑問を持っていました。しかし、そうではありません。団体を通して、活動は引き継がれていきます。正しい情報を発信することによって、活動は広まります。そうしてできたコミュニティ全体が熱心な活動を後輩に引き継いでいくことで、活動は長期的なものになるのです。
代表の稲川さんの想いは今夏に負けない熱さを感じさせてくれました。(笑)彼らの活動は留まることを知りません。

 

ASANTE PROJECT 公式サイト

ASANTE PROJECT twitter

ASANTE PROJECT facebook

ASANTE PROJECT instagram

 

<国際協力に関するその他の記事>

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