サービス・インフラ 企業研究

安定志向の学生お断り!/ 水上印刷 松尾力さん

(修正)DSC_8273_01-1新卒採用の募集ページでは、厳しいことを書くと学生から敬遠されるのを恐れてなのか、学生と正面から向き合って問いかけるようなタイトルは見当たらない。多くの企業が使っているタイトルは、「○○が身に付く」「○○で私たちは社会に貢献しています」というものであり、スキルアップや社会的な存在意義を前面に出して学生からの共感を得ようとしている。企業の人事担当者から、「就活生はみんなサークルやアルバイトの話をして、区別がしにくい」といった話をよく聞くが、新卒採用ページを見る限り企業も同じだ。見れば見るほど区別がつかなくなる。そんな中、3000社程は見ただろうか、キラリと輝く面白い企業を発見した。

「安定志向の学生お断り!」/水上印刷
という募集タイトル。

さっそく会社のHPを見てみると、
創業1946年 従業員120名 平均年齢 29.9歳
いわゆる古くからある中小企業だが、IT企業ならともかく、印刷会社で平均年齢29.9歳はおかしい。一体どういうことなのかと思いつつ、取材に行ってきた。

経営戦略室の松尾さんにお話を聞きました。(写真は取材時のものや松尾さんがイギリス出張時の様子です)11415451_1437168056606432_2494735224827345600_o (1)—印刷業界のことや御社の強みを教えてもらえますか?
実は日本には約3万社の印刷会社があり、印刷業界の市場規模は約6兆円。GDPの約1%を占める、非常に大きな産業の1つです。また、多くの印刷会社が大手印刷会社や広告代理店の下請けとして印刷物の生産にあたっているのが特徴の一つです。その中で、水上印刷は二つのことにこだわってビジネスを行っています。一つ目は、下請けではなく「100%直接取引」にこだわっているということ。ここで紹介できないのが残念ですが、大手コンビニチェーンや外食チェーン、アパレルや医薬品メーカーなど、非常に幅広いクライアントと直接取引させていただいています。二つ目は、印刷物の生産だけではなく、企画・デザイン、生産からロジスティクスまでを自社で一貫して提供しているということです。広告代理店、デザイン事務所、印刷会社、物流が一緒になったようなイメージが近いと思います。なので「競合企業が印刷会社だけではない」という点も水上印刷の特徴です。企画の段階から携わると広告代理店や大手印刷会社などが競合相手となります。企画コンペの際、例えば広告代理店などはプレゼン資料のみで発表することが多いのですが、水上印刷は実物を作って持っていけるため、製品のイメージがダイレクトに伝えられる点がクライアントから評価されていると思います。

—水上印刷のこれからの展望を教えてください。
国内外問わず色んな人が集まってお互いの考えをぶつけ、業界という垣根を飛び越えて、自分たちで産業を作る会社を目指していきたいです。

—産業を作る会社とは?
GoogleやAmazonを例にすると分かりやすいのですが、あの2社がやっていることは、もはや「〜〜業界」というように定義できないんですね。「〜〜業界」と定義することがナンセンスなくらい、本当に色んなことにチャレンジしている。そして、それが確実に新しいビジネスを生み出して、一つの産業となっている。私たちもそういう会社になりたいと思っています。ある意味、印刷会社にも仕事領域に限界はないんです。自分たち次第でどこまでも広がっていける。IMG_8243(↑新たなビジネスモデルを求めて1年に3、4回は海外に行く)

—現在の業績は良いのでしょうか?
おかげさまで継続的に成長を続けられており、過去3期はいずれも過去最高売上高を記録しています。

—実は、今回取材させていただく際、平均年齢がかなり若いため、ブラック企業では無いかと思っていました。(笑)
学生からもよく聞かれます(笑)平均年齢だけを見るとそう見えるかも知れませんが、業績が好調なので新卒採用を積極的に行っている結果、社員数がかなり増加しており、平均年齢が若くなっているというのが本当のところです。11427361_1437171196606118_6838562499307730292_o—続いて松尾さんの経歴について教えていただけますか?
出身は大阪で、京都大学法学部に進学し、在学中にイギリスへ留学。留学中に国際社会における日本の存在感の無さを感じ「日本を活気づけたい、存在感を示したい」という想いから官僚を目指し、経済産業省に入省。中小企業支援や福島県の被災地支援、通商政策などに携わったのち、2014年末に水上印刷に転職。という訳で、実は転職してきたばかりなんです。IMG_3040(↑現在の水上印刷のビジネスモデルはすべてイギリスから始まった)

—なぜ、大学時代の夢であった官僚になる という夢が叶ったのに、水上印刷に転職されたんですか?
経済産業省の1・2年目は中小企業支援・被災地支援の仕事に従事し、3年目に希望していた通商政策を担当する部署に異動になりました。そこではASEANやオーストラリアを相手に仕事していて、仕事自体にはやりがいを感じていました。しかし、自分たちの仕事の成果が見えにくいのと、こうなりたいと思える先輩があまりいないと思っていました。そんな頃、とある縁で水上会長(当時社長)と出会ったのが転職のきっかけです。

—転職に至る経緯を教えていただけますか?
水上会長と出会った時に言われた言葉が「成長する産業なんかない。あるとすれば成長する企業があるだけだ」というものでした。この言葉が自分の中でドスンと響きました。産業を成長させて日本企業を活気づけようと邁進していた自分にとって、思ってもいなかった言葉でした。ただし、ショックを受けたと同時に納得もしていました。そして次に思ったのは、そういう会社を自分も一緒に作っていけたらどんなに幸せだろうというものでした。転職という決断をするのに時間はかかりませんでした。IMG_8181(↑海外視察先でのプレゼンテーション)

—官僚という約束された将来を蹴って、転職することに恐怖はありませんでしたか?
ありませんでした。同僚や上司からはかなり止められましたけどね。(笑)
むしろ、昔からの友達や妻には「そっちの方がお前らしいよ、官僚の方がらしくなかった」と言われたぐらいでした。一度きりの人生をそのままで終わらせたくなかったし、誰もやったことのないことが水上印刷なら出来るのではないか と思えた事も大きかったです。

—松尾さんはどのような学生でしたか?
他人と同じことはしたくない」とは常に思っていました。同じことをやってもつまらないし、大学もそういう風潮でしたので。当時はバンド活動中心の生活に明け暮れ、長期休暇に入るとバックパックでヨーロッパを回っていました。大学3年次にイギリスへ1年間留学をし、留学生活の中で官僚を志すようになりました。帰国後から国家公務員試験までの約1年間は図書館で開館から閉館までずっと勉強をしていました。IMG_8407(↑海外の印刷会社はオフィスがカッコいいところが多い)

—勉強をしている期間でモチベーションが下がってくるときがあると思いますが、その時はどのようなことをして気持ちを奮い立たせていましたか?
もともと「決めたらとことんやる」性格なので、経産省で働きたいという強い想いが原動力となって勉強を続けることは出来ました。ただし、ずっと100%の力を出し続けるのは難しいので、「アクセルを踏むタイミングを見極める」ことが大事だと思います。課題(=坂道)にぶつかったときに坂道の勾配に応じていかにアクセルを踏めるか。何かを達成するときにはすごく大事なことだと思います。

—では、最後にガクセイに対してメッセージをお願いします!
何でもいいので、自分のやっていることに自信を持って欲しいと思います。ここでこんなこと言うのも変ですが、将来のことを考えて動くというのは学生の本分ではありません。むしろ目先の興味や関心を存分に追求して下さい。社会人になって、目の前のことばかりを考えている人はちょっと危ないですが、学生はそれが認められています。先々のことを心配するよりも、楽観的かつ自信を持って、色んなことに打ち込んでほしいと思います。

 

 

松尾さん、ありがとうございました!

水上印刷のHPはこちらから→http://www.mic-p.com/
今回、取材をさせて頂いた松尾さんにはコラムも寄稿していただいております。
就活生はもちろん、これからインターンを控える1,2,3年生にも必見の内容になっています!
【就活生向けコラム】「会社を決めきれないあなたへ」

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gakuseikichi

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