企業研究 官公庁・公務員

あなたの知らない外務省の仕事が分かります/外務省 柴橋資郎さん

外務省という言葉を聞いて、みなさんは何をイメージしますか?

外務省の仕事って何をしているの?

大学生の間にしておくと良いことって何だろう?

 

今回、外務省に行って、フランス大使館で勤務していた柴橋資郎さんに取材をしてきました。

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 ―外務省の仕事って主になにをしているんですか?

 外務省には,地域を見ている局と分野を見ている局の2種類の局があります。地域を見ている局は,世界をアジア大洋州,欧州など5つに分けて仕事をしています。分野を見ている局は,経済,国際法などの個別の分野をそれぞれの専門としています。他にも全体をマネジメントしている部局があります。また、外務省の仕事の特徴として、おおむね2~3年おきに人事異動があるので、今自分が担当している地域やテーマをずっと扱っていくわけではありません。

 今、私は地域を見ている局のうち,アジア大洋州局に所属しています。局内には、中国を扱っている課,朝鮮半島を扱っている課などがあるのですが、私は地域政策課という課で働いています。この課では、個別の二国間関係にとどまらない枠組みを担当しています。ASEANや日中韓といった多国間の枠組みや,慰安婦問題,歴史認識といった地域横断的なテーマを見ています。

 私の担当は主に日中韓協力や歴史認識に関することです。ASEANも扱っている課なので、ASEAN関連の仕事が忙しくなった場合には,それを手伝うこともあります。

 

―なぜこの仕事に就こうと思ったんですか?

 高校や大学で世界史や国際関係の授業を面白いと思ったので,外務省は数ある進路の候補の一つだとは漠然と考えていましたが,逆に言えば,数ある進路の候補のうちの一つでしかありませんでした。そのような状況で,外務省に対する興味が大きくなっていったのは,外務省で働く人たちの話を聞いて,いい人たちだな,この人たちと一緒に仕事ができたら楽しいだろうな,と素直に思えたからです。私は,昔から周りの人たちに恵まれて育ってきて,進路についても良い人に囲まれて仕事ができることを重視していたので。

 大学生の時はいろいろなことに興味があって、それでいろんな人の話を聞くように心がけていましたが,そのおかげで良い選択をすることができました。学生だからこそ聞かせてもらえる話というのもたくさんあるはずなので,学生のうちにいろんな人の話を聞くのが大事ですよ。

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―国家公務員試験の勉強はどれくらいしましたか?

 国の役所に入るためには共通の試験があって、その試験に合格すれば、どの省庁の面接も受けることができます。法律,経済など自分の専門に合わせて受ける試験の種類を選ぶことができます。つまり,学校の勉強がそのまま試験に関わってくるわけです。試験の内容には,学校の授業にも重複するところが多いので,まずは学校の勉強をきちんと消化することが大切だと思います。その意味では,学校の授業には比較的ちゃんと出席していましたね。

 いろんなことに興味があったので,民間を含め,いろいろな説明会に足を運んでみました。おかげでたくさんの人の話を聞いて視野を広げることができ,よりよい選択をできるようになったのではないかと思います。

 外務省にも興味があって公務員試験を受けようと思ったのは確かですが、最後の最後まで、他の省庁との間で悩みました。どんな仕事でも、結局は実際に就職してみないと本当の実情は分からないと思いますが、外から見てわかることはわかった上で判断したいですよね。その点でも,学生のうちにいろんな人の話を聞くことは重要だと思います。話を聞いて初めてわかることって,たくさんあると思うので。

 

―大使館の仕事ってどんなことをするんですか?

 外務省に就職して、総合職の場合には2年間,専門職の場合に1年間,まずは東京で勤務します。その後2年間又は3年間海外に留学します。留学の間は,方法は問われませんが,とにかく通訳が務まるまで自分の専門言語を習得しなければいけません。現地の語学学校に行く人もいれば、大学や大学院に通う人もいます。教育機関の整っていない国では、家庭教師を雇う人もいるみたいです。私の専門はフランス語で、フランスの国立行政学院に通いました。高級官僚の卵たちが通う学校で,日本でいえば,司法修習所の行政版のような学校です。

 2年間の留学を終えた後、私は2年間フランスの大使館で勤務しました。大使館では,経済部に配属され,国際会議の前にフランスはどういうスタンスで会議に臨むのかなどを事前に相手から聞き取ってそれを東京に報告する、日本の立場に対してフランスの理解を求めるといった情報収集や働きかけを日々行っていました。そのために,日頃からフランスの外務省や経済官庁の人たちと定期的にコンタクトを取って、密な関係を築くように心がけていました。人によっては,プライベートの話をするくらい仲良くなることもできました。それだけ親しくなった人たちとの何気ない会話の中で大事な情報が手に入ることもあるので,その場合には得た情報を東京にしっかり伝えることも求められる仕事です。国際会議の中には,東京から参加者を送らず,大使館員に対応させるものもあります。私自身も,そのような会議に出席することがありました。

 留学を終えたばかりの若手の大使館員にとっては,要人の通訳も大切な仕事です。フランスは,要人の訪問が多く,通訳の仕事をやらせていただく機会がたくさんありました。

 

―大使館の仕事で大変だったことは何ですか?

 大きな仕事をさせていただいたと思う仕事は,二つあります。一つは、オランド大統領の国賓訪日や安倍総理のフランス訪問,もう一つは,アルジェリアで起きた人質事件の対応です。

 2013年6月,オランド・フランス大統領が日本を国賓として訪問しました。日仏関係にとっては非常に重要な出来事です。フランス大統領が国賓として日本を訪問するのは17年ぶりで、国家元首が国賓として日本を訪問し,首脳会談を行うとなれば,日仏関係を動かす大きな機会となるからです。大使館では,大統領が日本を国賓として訪問することでどんな成果を生み出せるか、またその成果をどのように仕込むか、どういう風にメディアに情報を伝えてもらうかといったことを考えなくてはなりません。とてもやりがいのある仕事で,大変でしたが,とても勉強になりました。

 大使館にいる間に,反対に,安倍総理がフランスを訪問する機会もありました。フランス訪問に当たり,総理にどんなメッセージを伝えていただくか,何を首脳会談の成果とするか,その成果をメディア等を通じてどのように伝えれば日仏関係が一層発展するかなど,やはり考えなければいけないことは山積みです。そのほかにも,短い滞在期間に,総理にフランスのどこに行っていただくことが今後の日仏関係にとって重要か,誰に会っていただけば日仏の相互理解の促進の助けになるかなど,総理訪問のプログラムに関することもたくさん考え,議論しました。駐フランス大使公邸で総理夫妻主催の和食紹介レセプションを開催し,そこにオランド大統領にも出席いただいた時の映像をテレビで見た方も多いかもしれません。

 二つ目は、2013年1月にアルジェリアで起きた人質事件の対応です。海外にいる日本人の安全を守ることは,外務省の最も重要な仕事ですが,この事件には多くの日本人が巻き込まれ,まさに外務省がその役割を発揮すべき場面でした。アルジェリアは,国土の大きい国ですが、日アルジェリア関係と言われても俄に具体的なイメージは湧きにくいのではないかと思います。あまり馴染みのない国だからということでもありませんが,大使館もそんなには大きくありません。しかし、このような事件が起こった際には,情報収集,相手国政府への働きかけ,人質に取られた方たちの関係者との連絡,メディアへの対応などやらなければならないことがたくさんあります。このような仕事の全てを小さな大使館だけでまかなうのは難しいので,そのような場合には世界中から応援要員が集まります。アルジェリアの場合,要人の多くはフランス語を話しますし,パリからは毎日複数の直行便が出ていることもあり,まずはフランス大使館から応援をということになり,私が応援に行くことになりました。現地入りしていた大臣政務官やその後到着した総理特使がアルジェリア政府に対して働きかけを行う際に通訳を務めることが主な任務だったのですが,非日常の事態の中,それ以外にも多くの仕事をする必要がありました。多くの犠牲を出した事件の結果は残念なものでしたが,フランス大使館では経験できない仕事をさせていただき,大いに勉強させていただきました。

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―外務省の仕事をしていたら結婚しずらいですか?

私はまだ独身です。外務省に入ると20代後半を海外で過ごすことになるので、海外に行く前に結婚するグループと、海外から戻ってきてから結婚する人のグループに分かれがちです。いずれにせよ,他の仕事に比べて独身者が多いということはないと思います。

 

―学生の時にやっておけば良かったと思うことは何ですか?

学生の間にはなかなか実感できないのではないかと思いますが、学生の間は自分で自由に使える時間がたくさんあるのでまとまった時間がなければなかなかできないことをしたら良いと思います。旅行はその典型でしょう。私は大学3年間あまり旅行などしていなかったので、外務省の内定をもらってから慌てて旅行しました。

また、アルバイトも社会人になったらできないのでいろいろなバイトを経験しておきたいなと思って、私は卒業する前にディズニーランドでバイトしていました。これも学生ならではの時間の使い方ですよね。

よくどんな本を読めば良いですかと聞かれますが、本は社会人になっても読めるし、必要に駆られれば必ず読むので、学生だから必死に読まなければいけないということはないと思います。

 

―ありがとうございました。

 

 

<編集後記>

今回、貴重なお話を聞くことができて本当に良かったです。柴橋さんがおっしゃっていた様に、まさにいろいろな人の話を聞いて選択肢を増やすことが出来たと思いました。

外務省と聞くと少し堅いイメージがありましたが、実際に話してみると本当に気さくな方で、みなさん仲良くお仕事をしていました。

 

 

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