メディア 企業研究

自分の仕事を良くしたい、と考える人のための「教科書」に/宣伝会議

「雑誌」と聞いたときに何を思い浮かべるでしょうか。ひとことに「雑誌」といっても様々なジャンルのものがあります。中でも「人の仕事の役に立つ専門誌」にフォーカスしました。今回はマーケティングに関わる全ての人に向けて雑誌・書籍の出版や教育講座の全国展開をしている、株式会社宣伝会議の「広報会議」編集長の森下郁恵さんにお話を伺いました。

 
宣伝会議とは
 
1954年に創業したマーケティング・コミュニケーションの総合シンクタンク。月刊「宣伝会議」「ブレーン」などマーケティング・クリエイティブに関する専門メディアを発行すると同時に、「コピーライター養成講座」「マーケティング実践講座」など、各種教育セミナーや企業内研修を、全国7000社・年間1万人以上を対象に展開している。
 

雑誌最新号 CACポスター15春_convert_20150225195302CACポスター14春_convert_20150225195408CACポスター14秋_convert_20150225195450  

 編集という仕事

−森下さんのお仕事について教えてください 読者のニーズを掴んだ上で、仮説を立て、雑誌の企画立案から取材、執筆、専門家への寄稿依頼まで担当します。学生の皆さんの感覚で例えると、毎月新しいテーマで数百十ページの卒論を書いている感じでしょうか(笑)。広報会議は月刊の専門誌なので読者のビジネスが世の中に対してどういう役割を担っていくか、社会に対してどういう機能があるのか提案していく仕事です。  

専門誌としての魅力と使命

−専門誌のお話が出ましたが、専門誌と業界誌とではどのような点が違うのでしょうか? 専門誌は業界の最新動向やトレンドから一歩踏み込み、課題解決のためのノウハウやスキルを紹介します。読者の今の仕事に貢献し、読者の「困った」に応えていく雑誌です。 −専門誌の魅力はどのようなところにありますか? 専門誌は「売り上げを伸ばしたい」とか「競合と差別化したい、シェアを広げたい」、「市場のニーズをふまえた企画を提案したい」といったように、『もっと今の仕事を良くしたい』とポジティブに動こうとする人が読む雑誌です。そこに携われる点は魅力ですね。また、広告やウェブサイトなど企業のコミュニケーションツールは必ず目的をもって作られています。「その目的を実現するためにどういうクリエイターや制作会社に発注したか」などビジネスの実務や受発注の側面についても専門性をもって取材をします。さらに制作会社や制作に関わった人や制作会社をスタッフリストとして掲載することで、読者のニーズはもちろん、制作している人たちのモチベーションアップに繋がるということもありますね。  

教育事業へと枝先を伸ばした背景とは

−宣伝会議という会社を初めて知ったとき、「出版社が教育事業?」と感じました。その点に関しては   どうお考えですか? 日本の企業が長年追求してきた「いいモノを安く」といったモノづくりや価格競争の発想が限界に来ていることから、単なる機能や品質の追求ではなく、人間の感性や情緒に訴える無形のブランド価値育成の必要性が生まれています。そこで企業や商品のブランドをつくるために必要なのが広告宣伝や販売促進、クリエイティブ、広報など当社がカバーしているコミュニケーションの領域です。これらを実践するためには雑誌だけでなく、教育プログラムを通じて学んで、身につけていただく場づくりは年々、ニーズが高まっており、宣伝会議では年間100本の講座に10000人が受講しています。 1239908_214654461992271_710718747_n  

編集者はマーケターでもあれ

−2015年4月に広報会議は創刊10周年を迎えるそうですね。この10年で媒体が大きく変わりましたが、それに伴って広報やPRのあり方はどう変わっていったと感じていますか? 私は2004年に入社し、今に至るまでの歴史がネットメディアの変動期とまさに一致していて、その波をリアルに感じながら取材をしてきました。2006年頃にはブログ、2009年頃にはTwitter、2011年頃にはfacebookといったように新たなコミュニケーション手法の登場によってマーケティングコミュニケーションが裾野の広い仕事だということが再認識されたのではないかと思います。編集の仕事もこの10年で変化しています。当社では「アドタイ」というニュースサイトを2010年11月から運営していますが、「どういった人にどのような記事が読まれているのか」というデータを分析できるようになり、そのデータをもとに雑誌の特集を企画をするという流れが出てきました。紙ではわからなかった読者の反応やニーズがわかるようになり、編集の仕事にこそマーケティングの発想が必要な時代になってきたと感じています。   マーケティングの視点からいうと宣伝会議から、2014年にマーケティングに特化した雑誌を新しく創刊したんです!初めてマーケティングを本格的に実践したいと考える企業の方を応援する『100万社のマーケティング』という専門誌です。マーケティングを実践するための道筋を、理論と事例で分かりやすく解説しています。 100万社のマーケティング 100万社のマーケティング画像

 

事例から実感した、ウェブメディアの影響力

−印象に残っている仕事はどういった内容ですか? 転機といいますか、ウェブメディアの爆発力を実感したのは以下の記事ですね。

【AKB48・江口愛実はなぜ生まれたのか――グリコ「アイスの実」CMの仕掛け人、電通関西・中尾氏が語る】
 
 
こちらは2011年6月の記事ですが、サーバーが落ちるほど当時はアクセスが殺到しまして、3年以上経ったいまもアドタイのアクセス歴代1位です。このAKB48のキャンペーンのタネ明かしをするタイミングで一般のニュースサイトが報じていなかった「仕掛け人」の声を紹介したことで、宣伝会議ならではの専門的な視点やニュース価値を実感した例でした。
 
あと以下2本は2014年に書いた記事ですが、この2本もおそらく一般メディアでは報じないところまで掘り下げて書いたことでアクセスがたくさんありました。
 
 【資生堂が10月からブランドマネージャー制を導入、100人の経験者採用へ】
 
 
【9期連続で増収増益、ヤッホーブルーイング・井手直行社長「社長はPRで体を張れ。」】
 
 

編集者の視点と生活者の視点を持っているか

−編集の仕事で大切にしていることはどのようなことですか?
 
疑問を持つことですね。掘り下げれば掘り下げるほど興味深い話が聞けます。例えば事例の面白さだけではなく時間軸でも疑問を持つことで、「いつ頃どんな転換期があったか」という切り口で記事が書けることがあります。
 
また、編集の仕事に限らない話なのですが『ワークライフバランス ではなく ワークライフインテグレーションで働くこと』を意識すべきだと上司からも言われますし、当社の社員はそういう意識が強いと思います。仕事とプライベートを対立的に捉えてバランスをとるように考えるのではなく、双方の充実を考え、相乗効果を目指して働くということです。以前は働いていない時間に罪悪感を感じることがあったのですが、何気なく過ごしている時間でも仕事に繋がるようなヒントに出会うことがあります。仕事が楽しくなって生き生きと働くことが出来れば、プライベートも充実するという素敵な考え方ですよね。
 
 

雑誌は様々な特性を持った人がつくるからこそ面白い

−学生時代にはどのようなことをしていたのですか? 学生時代には高校まで演劇をやっていました。雑誌の編集と舞台をつくる感覚は似ている部分があると思っています。編集部のメンバーはそれぞれ違う得意分野や興味関心があって、個性もバラバラです。誌面に協力していただく外部の執筆者の皆さまも様々な分野のプロフェッショナルの方々がたくさんいます。そういう方々とたくさんお会いしてお力を借りながら、読者が一番「役に立つ」「面白い」と思える一冊に仕上げる。その最適解を探すのが編集長の仕事だと思っています。 −学生に対し、メッセージをお願いします! 進路で悩んでしまったら、とりあえず興味に近いものをやってみたらいいと思います。私の場合は、文章を書く仕事をしたいという気持ちはずっと持っていたので最初はコピーライターも考えていたんです。でも実際にアルバイトでコピーを書いてみて初めて「これは違う、向いていない。」ということがわかりました。何かに迷って選べないのであったら、やってみるしかないのではないのかなと思います。それが次の行動の理由付けになりますしね。頑張ってください! ありがとうございました!

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