IT 企業研究

【就活のシステムに違和感を感じたある企業の真意】

オフィスにあるcaféをBARにして、お酒を交わしつつ会社説明会を行う。そんな一風変わったことを企画したのは、デジタルマーケティング事業では国内大手の株式会社アイ・エム・ジェイ(以下IMJ)。 一体なぜこのような取り組みを始めたのか。 それには、現行の就活のシステムに違和感を抱き、お互いがきちんと理解しあえるような採用をしたいという、IMJの考えがあった。

 

今の就活は単なる調達の場のようだ

僕には今の就活のやり方が、単なる調達のようにしか感じないんですよ。採用の効率性を重視した結果、就活サイトができて企業が乱立して、取り留めのない数の会社に学生がエントリーしている。でも一緒に価値を生み出す仲間を探しているんだから、学生一人ひとりと対話をして、じっくり相互理解を深めたい。

 

こう語るのは人材戦略本部の宇野さん。人材系の企業を経て、IMJに入社し、新卒採用の担当を任されている。

確かに、現在主流となっている就活のシステムでは、「ついついエントリーしてしまいたくなる仕組み」ができていて、学生が自分に合った会社を見つけて、じっくり見極めるということは難しい。そんな現状に違和感を覚える学生もいるだろうけど、確立された仕組みから自分だけ抜け出すのには不安があり、どうしようもないという諦めがあるかも知れない。

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企業側が抱えているジレンマ

もちろん、そのような問題意識を持っていて、独自の採用を行う企業も増えてきている。しかし、たくさんの母集団の中から少しでも優秀な学生を採用したいという気持ちが強まるあまりに、学生の目に付きやすく、管理がしやすい就活サイトに依存してしまう。

企業としては、当然の選択肢だと思いますが、あえて他社と同じことはしないでおこうと思ったんですよ。というのも、そもそもIMJのクライアントは大企業が中心となるため、社外に開示できる情報が少なく、B to Bのビジネスモデルゆえ、学生の認知度はほとんどゼロという状態でした。
ですから、サイトに載せても興味本位でエントリーはしてくれても、本気でIMJに行きたいと思ってくれるかなと疑問でしたね。 ただ、Webやデジタル、マーケティングに本当に興味があって、それを仕事にしたいと本気で思う学生に、IMJのことをきちんと伝えることができれば、IMJで働きたいと思ってもらえる自信はありました。

 

試行錯誤の結果生まれた企画

そうした中で考え出された今回の企画。それは、『IMJ UNDAR BAR』と題した、自社のcaféスペースで、お酒を交わしつつ軽食をし、会社説明会や社員との交流を行うといったものだ。お互いが堅苦しくないように、社員も学生も私服姿で参加できる。

また他社の説明会が100人単位の大規模なものが多い中、IMJのこのイベントは毎回10~30人に限定している。 今回取材で伺った『IMJ UNDAR BAR』では、まず参加学生が、グループで自分をさらけ出さざるを得なくなるようなゲームをし、参加学生をリラックスさせ場を和ませることから始まる。

 

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その後、テーマに沿った専門分野の社員が、具体的にどのような事業を今まで手がけてきたか、その分野の現状や今後、どういった人材が求められるかなどを講演する。このような具体的な仕事内容やスキル、考え方を生で聞くことができるので、学生がIMJでどのようなことがやりたいのかをイメージしやすくなる。

最後に、学生が各々興味のある職種の社員と座談会形式で交流し、一人ひとりが本当に知りたいことを直接社員に尋ねることができる。イベントの中では、この座談会の時間が一番長く、お酒も回っているので、学生も緊張せずに会議室では聞けないようなぶっちゃけた質問や冗談を交えつつ話をしていたのが印象的だった。

 

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学生の変化と確かな手応え

今回の企画について、宇野さんはこう振り返った。

お酒を出せば、面白みがあって学生にウケるだろうという安直な考えではなく、『IMJ UNDAR BAR』は、あくまで手段であって、目的ではありません。この企画を通じて、学生がIMJのことを理解してくれて、この会社でやりたいことをイメージしてくれると嬉しいし、そういうプロセスが本当の採用活動だと思う。

 

そもそも、『IMJ UNDAR BAR』 には、大手の就活サイトはもちろん、自社のHPにも新卒採用のページはなく(FacebookのRecruitページのみ)、自発的に会社のことを探してくれた人が参加してくれている。だから、参加学生たちは会社のことや業界のことをある程度事前に調べてくれていて、伝える内容が専門的なものでもちゃんと理解してくれているそうだ。

参加したデザイナー志望の学生も「デザインをするだけではなくて、直接クライアントと関わって、主体的な活動ができるかどうかを社員の方に聞けて、イメージが湧いた」と満足気だった。

余談だが、IMJでは、選考フローも学生を徹底して理解するというスタンスを貫き通している。というのも、1次選考を希望する学生とは全員会うそうだ。ただ結構ハードルが高いらしく、選考を受けに来る学生は意外に少ないとのこと。 このように、お互いのことを理解し合えるような就活の取り組みが増えて行くことが、社会問題ともなっている学生と企業のミスマッチの防止に繋がるだろう。

ここまで徹底して人を見るというスタンスは、口で言うのは簡単だが実際にやるとなるとかなり大変だと思う。でも学生と企業が、膝を突き合わせて相手のことを理解することで、双方にとって本当に有益な活動となるのではないかと感じた。

 

(リライト:久保)

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atsushi

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